厳選三作品!私の写真に影響を与えた映画!映画のような写真を撮る方法

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こんにちは、以前に映画からインスピレーションをうけよう!というコラムを書きましたが、今回は具体的に影響をうけた映画を書いてみたいと思います。

若干ネタバレも含まれるので目次をみて、観ようか悩んでいる方は気をつけてくださいねっ

影響をうけた映画たち

映画って本当に良いものですよね。水野春郎先生の気持ちがこの年齢になってようやくハートで納得できそうになってきました。映画館で観るのも好きですし、家でDVDや今だとHulu、Amazon Primeなどで観るのも好きです。一番は、ポップコーン片手に映画館で観るのがベストですが、一人で映画館には行かないという誓約と制約のため、見逃すこともしばしば。

今回は、おぼろげながら自分が影響をうけたと自覚している映画をいくつかご紹介したいと思います。

ここで言う影響をうけるということは、単なる模倣ではなく、知ってか知らずか自分の血肉となってしまうことを指しています。
つまり、セーラー服姿でパンケーキを食べている映画をみて、そのシーンを写真で再現するというのは、一見模倣にしかすぎず、そういう例を紹介したいのではないということです。(ちなみにそれが駄目とは言いませんよ)
ご紹介する映画を観て、もし観たことがある人であれば、「ああ、なるほど」と思っていただければ吉ですし、「こういう発想で写真に活きるのか」とあたらしい「ひらめき」につながっていただければこれ幸い。

グッド・ウィル・ハンティング

IMDb http://www.imdb.com/title/tt0119217/

今でこそバットマンとして地球を守るのに忙しいベン・アフレックさんや、火星に取り残されて大変なマット・デイモンさんですが、20年前は二人でこんな映画の脚本を作っていたそうです。
天才的頭脳と才能を秘めながらも幼い頃に虐待されていた経験から自暴自棄な振る舞いをする主人公ウィル(マット・デイモン)が、精神科医のショーン(ロビン・ウィリアムズ)との交流によって前を向いていくというハートウォーミングなストーリーなので、観て後悔する人はそうそういないと思います。今でもふと思い出すのですが、今は亡きロビン・ウィリアムズ(本当に惜しい…)との共演ですね。

それで、この映画の中に素晴らしいシーンがあってですね。それは主人公のウィルが虐待をうけていた全容を記したファイルをみたショーンが、ウィルに語りかけるところからはじまります。ショーン自身も過去に虐待をうけていた経験があり、ウィルに言うんですね。「君は悪くない」と。

「このファイルに書いてあるすべてのこと、これは君のせいではない、君は悪くない」と言うのです。

ウィルも当然、「そんなことわかってる」と、一笑に付すわけですが、ショーンは言うんですよ。

「いいや、わかっていない、君は悪くない。」
いやいや、本人わかってるって言ってるやん。と思わず突っ込んでしまいそうになりますが延々と言い続けるんですよ。
「君は悪くない」って。

次第に苛立ちをみせたウィルは、そのままショーンを突き飛ばすのですが、それでもショーンは延々と、

「君は悪くないんだ」

と語り続けるんですね。

それでウィルはたまらず「ごめんなさい」と、涙ながら心をひらきます。

当時、高校生だった自分はこの映画をみて、完全にハート持って行かれたわけですが、それから20年近くが経ってもあのシーンを覚えてるんですよね。ショーンの深い理解と愛が、まだ子供の自分にまで浸透してくるような感覚でした。

この記事のアイキャッチになっている写真は、同性二名を同時に撮影するというのが初だったのですが、撮影された写真にはグッド・ウィル・ハンティングへのリスペクトが多分に含まれています。同性同士という点と、深い理解と信頼という点で。

彼女をみればわかること

THINGS YOU CAN TELL JUST BY LOOKING AT HER, Glenn Close, Cameron Diaz, Calista Flockhart, Amy Brenneman, Holly Hunter, 2000, (c) United Artists http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=233749

Things You Can Tell Just By Looking At Her という、もう放題からして文章!?という謎なタイトルなんですが、個人的にはこの時点でけっこうテンションあがるんですよね。理由はわかりません。映画自体はオムニバス形式で、ショートストーリーがいくつか展開していきます。映画自体は正直そんなに覚えていないのですが、強烈に覚えているシーンがあります。

ホリー・ハンターというアカデミー女優賞を獲った女優が出演しているのですが、彼女は不倫関係で妊娠してしまうという役を担っています。
劇中、妊娠が発覚した後に、ほんとどうしようもないそこらへんの道端を歩いてるんですけど、歩きながら泣きはじめるんですよ。それもまあワンワンと大げさにではなくて、必死にこらえようとしながらもこらえられないといったような表情で、これがまたカメラワークも相まって妙にリアルで、はっと気付くんですよね。

心動かされるのは、劇的な映像だけではなくて、フレームの前後や我々の想像力に潜んでいるんじゃないかなと。

写真をはじめた頃は、自分が映画に感じる趣向と写真に求めるモノが全くリンクしておらず、とにかく劇的なビジュアルに心を動かされてました。朱門さんや別所さんや多くの友人が撮影するような絶景やドラマチックな風景写真、ああいうものが撮りたくて旅行中に風景写真を撮っては挫折してという連続で(笑) それがいつのまにか自分の好きなことと写真が繋がるようになり、ポートレートをはじめてしばらく経った2015年頃から、自分が感動した感情の機微を写真でも表現したら良いのだということに気づきはじめました。

自分のことなのに、こんな当たり前のことにも意識を向けなければ気づかないもんなんですね。自分がボンクラなだけかもしれませんが(笑)

Perfect Sense

出典 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341039

これは個人的に好きな映画ベスト3に入る傑作なのですが、あまり有名な方ではありませんね。イギリス映画なのですが、とにかく音楽が良いのです。2011年のある日、Shutter Islandという映画のエンディング曲が好きでそのコンポーザー(音楽監督)の作品を夜な夜なYouTubeで聞き漁っていたのですが、このPerfect Senseというムービーのトレーラーにたどりつきます。

Max Richterという音楽家なのですが、一聴して彼だとわかる音楽に心奪われたのもそうなのですが、映画の雰囲気とナレーションの声に、何故か見入ってしまったんですね。これはいつの映画なんだろうかと、TSUTAYAを探してもないので、ダメ元で調べてみるとなんと現在公開中(当時)という状況でした。これは観るしかないと思って映画館へ足を運んだのですが、鋭かった当時の感度とも合わさってとにかく泣きまくりました。

ストーリーは、いわゆるパンデミックもので世界規模の感染症が同時多発的に蔓延していくというもの。人々が不意に脈絡もなく絶望的な悲しみに襲われて、その発作がすぎると嗅覚を失っている。そうして感覚(センス)を一つずつ失っていくという話なのですが、おもしろいのはフォーカスしているのはそれを適切な機関がなおそうと頑張るとかそういう話ではなく、そういった世界の中で「如何に人々が生きていくか」という事なんです。映画の中では「Life goes on」というセリフが多用されますが、「それでも人生は続く」というのが隠れたテーマにあるんですね。

ちなみに、個人的に「Life goes on」を登場人物が言う映画はきまって良いという謎の法則が自分の中にありまして、それもありもう観ている最中にこの映画はベストだ。と思いながら感極まってみていました。

話がそれまくりましたが、この映画はとにかく描写がキレイなのです。キレイというのは、何気ない風景がキレイなんですね。見たこともない絶景がとかそういう話ではなく、何気ないロンドンの街並みや生活、時折みせる世界中の風景などがそれぞれキレイなんですよ。

そしてズルいのが、なんでもない写真を合間に差し込んだり、どこから手に入れたのか若かりし頃の主人公(ユアン・マクレガー)の写真がぱっと差し込んだりするんですよね。ナレーションの言葉と共になのですが、それがまた理屈ではないところで世界観の演出にかっていて、のめり込んでしまいます。

技術的なところでいうと、カラーコレクションが特徴的とかそういうわけでもなく、比較的整ったホワイトバランスでキレイなんですよね。フィルターを利用しているのか、一部フォギーのように見えているシーンなども特徴的で、雰囲気の演出に貢献している感じ。一時期それもあってフィルターワークにハマっていたりもしました。

写真をはじめてから何度か見返している(ブルーレイを持っている)のですが、これをみて、ある日はっとしたのは、東京で日々を暮らす自分の日常も美しいんだなという発想につながったんです。

劇中で、警備員のような格好をした女性が道端でうずくまって泣いているシーンが、ほんの一秒にも満たない間あるのですが、それにグッと来るんですよ。「ああ、こういう一秒にも満たない瞬間と、一秒で表現できる感動を写真でも可能かもしれない。」

そんなことを考えながら、自分は写真を撮っています。

まとめ

ちょっと予想以上に長くなってしまったので、今回は三つ。

今回ご紹介した内容は、技術的なポイントではなくマインド的なポイントです。すこし遠回りのように感じられるかもしれませんが、映画のような写真を撮る方法というのは、技術的な部分だけではないという点を強調して伝えたいという思いもあり、まずはこういった内容から。

ビジュアル的な要素だけではなく、発想や細かいところで点と点が線で繋がるという体験を含めて三つほど挙げさせていただきました。わかりやすく、色合いや構図的な意味合いで影響をうけた映画もあるのですが、こういう影響の受け方もありますよという参考になれば嬉しいです。

思うに、世の中のあらゆることは殆どやり尽くされているのではないかと。

誰もやっていない事を探そうとする姿勢は、ある種簡単だとも思うんですね。もちろんそれを実際に見つけて実現することは果てしなく難題なんですが、「誰もやっていないことをやろう」というのは、誰もが最初に思いつくことではないかなと。しかし皆少なからず何かに影響をうけて日々の創作活動に励んでいるのは間違いないことだと思うので、自分が感動したりしたことを如何に自分の表現に咀嚼して表現するかという事を、最近は考えることが増えました。

そんなこともあり、この3選です。
とは言え、まだたくさん思い浮かぶ範囲でもあるので、また書きますね。
次回はより具体的な絵作りを含めて解説したいと思います。

Filmarks

ちなみに、Filmarksというアプリで鑑賞した映画を記録しています。
iPhoneやAndroidでみれますので良かったら是非。
パソコンからでも閲覧は可能みたいです。

コチラから。
https://filmarks.com/users/manson

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