あの子がいつも綺麗に写るのにはワケがある。ポートレート写真撮影のヒミツ。

先日、ジョギングをしていたら、すれ違った人から「どうして浅岡さんが撮ると女の子が綺麗に写るんですか?」と聞かれたので、自分が撮影時にやっていることをざっくりと解説。大きな要素としては二つ。角度です。

角度

人には良く見える角度や仕草、逆に悪く見える角度や仕草があるので、まずはそれを把握します。これは個々人の顔つきで変わるのはもちろんですが、コンディションでも変わります。たとえば、この人は普段ならこの角度から撮るといいけれど、今日は疲れていて目が少し腫れぼったいから別の角度から撮った方が良い、といったことがあります。

さらにこれは作風によっても変わります。例えば、柔らかいイメージの写真では好ましい角度も、嬉しげなイメージでの写真では好ましくない角度、といった具合です。

次に光です。どういう角度からどういう光を当てればこの人が可愛く/美しく見えるかというのをイメージします。先ほどの角度に関してはその場で実際に確認することができますが、光に関しては(自然光の場合はその場にモデルを立たせれば確認できますが)撮影するまでどう写るか分からないのでイメージするしかなく、難易度が高いです。色々な撮影を試すことでイメージ力を培うことができるようになってきます。

「光を読む・光を見る」といった行為はこのことです。普通の人には見えない可視領域外の光線が見えているのではなくw、場の光を使った撮影の結果や、ライティングを組んで撮影した際の結果を予測イメージすることだったり、その予測を通じて良い光を探す行為のことを意味します。

この力を養うには、色々な撮影を実際に試すことが、一見遠回りのようで近道だと個人的には考えています。

ちなみに光も、コンディションや作風によって向き不向きが生じます。たとえば、肌のコンディションが悪いときは避けた方がいいライティング、などがあります。

角度と光の組み合わせ

基本的にはこの二つのロジックを組み合わせて撮っています。角度を優先したほうがいい場合もあれば光を優先したほうがいい場合もあり、それはモデルさんによって様々です。たとえば、角度が優先され、それに応じたライティングを用意すればさらに良くなるというパターンもあれば、逆に光が優先され、その光の中で角度を探るパターンもある、といった具合です。これは、撮影イメージ、メイク、衣装、撮影環境、などにも影響を受けます。

さらに、撮影環境や機材、仕事の内容によっては、様々な制限が発生します。角度が制限されることもあれば、ライティングが制限されることもあります。そういう場合はそれに応じて柔軟に対応します。場合によっては、何かを諦めたり妥協したりすることもあります。

試行錯誤を止めるな!

最後に、ここに書いた手法をとれば誰でもいい感じに撮れる…というわけではありません。これは私の撮り方、つまり、単に一例を示したに過ぎません。人によってはこの手法が不向きな場合もありますし、世の中にはこれよりも優れた手法が沢山あります。

トークショーやセミナーなどで何度も言っていることなのですが、ポートレートの撮影手法は100通りあればそれらは全て解であり、ゴールに到達できます。ただし、そのやり方が皆さんに適しているかどうか、みなさんが実戦可能か、というのは異なります。ですから、大切なことは、その中から自分のスタイルや作風に合った撮り方を見つけ、実戦し、そして自分なりにアレンジして101番目の撮り方を作り出すことだと考えています。

浅岡省一氏の撮影術・思考法を学びたい方はこちら

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