僕がカメラを持って山に登り、ファインダーを覗く理由。

皆さん初めまして、東京を拠点に活動している石橋純(@jun_artwark_)と申します。写真はポートレートから自然、ストリートスナップなどジャンルを問わず、幅広く撮っています。ヒーコでは今回が初めての記事となります。今回は「山と写真」についてお話したいと思います。どうぞ最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

僕がカメラを持って山に登り、ファインダーを覗く理由

なぜ山に登るのか

いきなり、物凄くありがちな見出しになりますが、これは周囲からよく聞かれる質問です。

山に登る理由として自然が好き、登ったあとの達成感がいい、体力づくり、またはある登山家が言ったようにそこに山があるからなど山を登る理由は本当に人それぞれです。僕の理由は「圧倒的に綺麗な景色が見たいから」これに限ります。

その圧倒的な景色を見るためにはある程度高さのある山に登らなければなりません。日本一の山は皆さんご存知ですね。富士山です。標高は3776m。手頃な山ですと高尾山が599m。人工物では東京タワーが333mです。基本的に僕は2000m〜3000m前後の山に登っています。

単に山を登る、単に自然を楽しむだけであればそこまで高い山に登る必要もありませんが、僕の理由は「圧倒的に綺麗な景色を見る」ことに楽しみを置いているためこのような山に登っています。もちろん、自然が好きとか達成感なども理由としてありますが、それよりも息を呑むほどの景色に魅せられてしまいました。

山の魅力

自然を相手にする場合、1番難しいのが天候です。特に山は天気が読めず、天気予報と違う!というのは当たり前。往復10時間かけて登ったけれど、晴れたのは一瞬なんてことも。

山はツンデレです。ずっと雲に覆われ、ただひたすら登っていると突如として天国への扉が開いたように見事に晴れてくることもあります。こんな時は全ての疲れが吹っ飛び文字通り心が洗われます。

ありきたりな言葉かもしれませんが、大自然の中にいると本当に自分がちっぽけな存在であり、地球が生きていること、人は自然に生かされていること、そしてそのエネルギーを肌で感じることができます。「見る」以外に自然の息吹を「感じる」ことができるのも山の魅力です。

山の写真を撮る

あくまでも個人的な意見ですが、山を撮ることは他の被写体を撮影することと比べてさほど難しくはないと思っています。

スタジオで照明を何度も組んではモデルさんを撮影したり、街中での撮影の様に、一瞬を捉えるために瞬時に設定を変える必要もなく、天候さえ良ければ、適度にカメラの設定をし、シャッターを押すだけ。もちろん、その為には何時間も登ったり降りたりもしなければいけませんし、自然には常に危険が潜んでいることをも否定できません。ですが、山にはそれ以上の喜びや感動が待っています。

山の撮影で拘っていること

僕自身、山の写真を撮る上で気を付けていることは全体を切り取り過ぎないということです。

大自然の中に行くとどうしても全体で見た風景を広角レンズで撮りがちですが、それだとどうしてもありきたりな風景写真になってしまいます。もちろんそれはそれで綺麗ですし、僕自身も撮るので否定はしません。ですが、それでは自然の息遣いや鼓動などエネルギーに溢れたものはなかなか撮れず、物語性もなくなってしまうのかなと思います。

ドイツの美術史家であるアビ・ヴァールブックは、「神は細部に宿る」ともいいました。もちろん、直接の意味は「物事を大きく見て、小さなことをおろそかにしては意味がない」ということですが、僕はまた別の意味でそれを捉えています。

思い出写真を撮るだけであれば、全体を大きく広角レンズで撮影することにより綺麗な写真が撮れますし、全体を捉えておけば後々トリミングすればいい。確かにそれでも構いません。ですが、芸術的な写真においてそれをしてしまうとシャッターを切った時に感じたそのエネルギーや自分が思うこだわりが薄れてしまうのかなと個人的には思っています。

トリミングは滅多にしない

もちろんトリミングを否定はしませんが、僕は写真を撮る際にはどんな被写体においても滅多にトリミングはしません。なぜならファインダーを覗き、構図を決めた段階で僕の中ではその絵が完成されたものであり、そこに必要な空間・間があり、伝えたいものや物語が細部まで詰まっています。

また、圧倒的な景色はそのスケールの大きさに目が行きがちですが、よく目を凝らすとまるで職人が丁寧に仕上げた芸術品のようなディテールに気付きます。

組写真ではなく、たった1枚の写真でどのように見た人に訴えかけるのか。見た人が写真から何を感じ取れるのか。動画と違い、その場面を切り取り、人に感動を伝える。難しくもありますが、それは写真を撮る上でどんな被写体でも同じことですね。

自分に合った山へ行くことのすすめ

自然は力強く生きています。これを読んだ皆さんが最初からこのような高い山に行く必要はなく、初心者向けの簡単な低山でもそのエネルギーを十分感じることができます。登山未経験の方にとって山に行くこと自体がハードルが高い気もするでしょうし、何から始めていいのか分からないと思います。今後のためそういったことも分かりやすい情報として載せていきたいと思います。

初心者でも”映え”が狙えるおすすめの山

竜ヶ岳について

今回ご紹介するのが「ある程度撮れ高のある初心者向けの山」です。

もちろん初心者という言葉がどこを指しているのかにもよりますが、ここでは撮れ高のある初心者の山というもので括らせて頂きます。圧倒的な自然の写真が必ずしも良いとも思いませんし、何気ない山道の枯れ木を切り取るだけでもエネルギーのある、また自然が生きている素敵な写真は撮れます。ですが、せっかく初めての登山をするのであれば、ある程度記念になるような写真も撮りたいですよね。

ご紹介するのは静岡県と山梨県にまたがり、本栖湖の南に位置する山、竜ヶ岳です。

昔、富士山が噴火した際に本栖湖に潜んでいた竜が富士山から流れ出た溶岩の熱さから逃げるために登ったことから竜ヶ岳と呼ばれたそうです。こういった由来や神話も楽しいところですね。

竜ヶ岳の標高は1485m、先に述べた高尾山が599mなので約3倍の高さです。

いきなり手頃な山の3倍ってどこが初心者だ!と思う方もいらっしゃると思いますが、皆さんご安心ください。麓の登山口の時点で標高が900mなので1485m-900m=585m。何と高尾山より14m低く登れるんです!なんかこれを聞くと行ける気がしてきましたよね?

そして今回はある程度の撮れ高のある初心者の山です。登山口から山頂まで2時間半ぐらいの登りですが、そこは素敵な写真を撮るために次の日の筋肉痛を覚悟して頑張りましょう!

竜ヶ岳は比較的なだらかな傾斜の登山道をジグザグ登っていく一本道になりますのでよっぽどのことがなければ、迷うこともありません。また週末には様々な年齢層の登山者もいるので安心です。登山口の本栖湖キャンプ場は最近のキャンプブームもあり、沢山の人々で賑わっています。

竜ヶ岳でのおすすめ写真

竜ヶ岳ではどんな写真が撮れるかというと、それはもちろん名峰・富士です。長野県周辺の3000m級の山々がひしめき合うエリアと比べ、富士山は周囲に高い山がない独立峰であり、それ故に威風堂々とそびえ立っています。

富士山は登るものではなく、見るものとよく言いますが、個人的には同じく僕もそう思っています。富士山はどこから見ても、いつ見ても美しく、私達をいつも見守ってくれています。竜ヶ岳自体は多少積雪のある12〜2月を除けば、初めての登山でもお勧めの山です。お目当ての富士山は例年では10月くらいから5月ぐらいまで積雪し、とても美しい富士山を見ることができますので是非計画を立ててみてはいかがでしょうか?

山に登るうえでの注意事項

もちろん、山に行く際に最低限必要なこととして、

  • 登山計画書を提出する ・登山保険に入る ・初心者のうちは決して一人で行かない 
  • 山に行くことを周囲に知らせる 
  • 山の下調べをする (どんな山でどんな道を歩くのか、どのくらいの時間がかかるのかなど)

以上のことを最低限守り、しっかり準備を整え、安全に登山と写真を楽しんでください。

山はエネルギーに満ち溢れています。僕は山に登る時には山にお邪魔させて頂く感覚で登っています。山のエネルギーや自然の流れを壊さないように一歩一歩登り、彼らの懐に入る。そうすれば、自然は私達を暖かく迎え入れてくれます。

まとめ

まとめポイント

  • 山登りをすることで圧倒的に綺麗な景色と出会うことができる
  • 山で自然の息吹やエネルギーを感じることができる
  • 山の全体を切り取るよりもディティールにこだわることが大切
  • 竜ヶ岳は初心者におすすめの山
  • 登山の際は準備を万全にしてから

作品をもっと見たい方はこちらから

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