RAW現像のワークフロー | ストレージ管理とデータ量の関係

こんばんは、Toru TANNO @tang40です。

はじめに

無制限に増えていくデータ

写真撮り始めると… まあデータ増えますよね。
「バックアップをとりましょう」とかいろんなこと言われちゃうし。
RAWで撮って現像してプリント用のデータ作ってなんてやってると凄まじい勢いで増えるわけです。もうなんか「ワカメかよ」ってくらい。
その場しのぎに外付けストレージ増やしていくとわけわからなくなったり使いにくいシステムになっちゃったり。

「誰もが通る道だから」とか言われて納得しちゃったり。

いや、そこ通らなくていいから。
通らなくていいんだけどみんな(僕も)通っちゃうんですよね〜。でも今になって思えばホント余計な手間と時間と買い物しちゃってた。
だから今から始める、あるいはもう始めちゃって試行錯誤しているみなさまが「寄り道しないで写真を満喫」できるようなワークフローと、
ストレージに重点を置いたデータ運用についてお話しさせて頂こうと思います。

ストレージとは

あ、ストレージってのはアレです。ハードディスク(HDD)とかソリッドステートドライブ(SSD)とか。データを置いておくモノ。

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極端に言えば「最適な」ワークフロー(作業のやり方)って一人一人違うと思うんです。
それ言っちゃおしまい。
でも写真を公開する、Webだったり写真展だったり、そういうアウトプットを想定すると必須条件(仕様)があるのである程度共通する部分が出てきます。
そこを踏まえていい感じの作業環境を作るお手伝いができれば、と…. 考えたんですが、
そっこーでわかった。絶対2〜3時間じゃ終わんない
そんな訳で本稿はこのセミナーの予習っぽい感じで書いてます。

早速ですが予備知識。っていうか基本。

予備知識として

色のお話

写真とは切っても切れない色の話です
って書き出し書いてすぐ気付いた。 モ・ノ・ク・ロ 。
…… ま、いいや、色ね。sRGBとかAdobe RGBとかありますけど、とりあえずRGBを覚えちゃいましょう。
赤と緑と青です。光の三原色とかいいます。
デジタルカメラの画像、テレビとかモニターもRGBで表示されています。

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光の三原色

なぜ三原色かといいますと、これ人間の都合なんです。
人間の眼には色覚受容体というのがありまして、これが赤と緑と青を感知するので人間世界では光の三原色(RGB)で色を現すという事になっております。
ん~ あと猿? 爬虫類、鳥類なんかは四原色が多数派、犬や猫、牛とか馬とか哺乳類は二原色、三原色でモノを見ているのって少数派らしいです。
えっと人間の話に戻りますが、これは一応覚えておきましょう。というのは一定数、それも無視できない割合で色覚異常をお持ちの方がいらっしゃいます。
公共性の高い制作物などに使われる写真、デザインはこういったことに配慮することを求められています。

ワークフローと何が関係あるの?って思った人いるよね?

話が飛んだ、と思った人いるよね?
今回は飛んでない(飛びがちですけど)、バッチリ繋がってる。

今回はデータ運用に関わる部分だけサラッと流しますが、デジタル画像を扱うにあたってとても重要な事、
人が認識する「視覚の色/光」と、現実世界の「実際の色/光」は違うという事を覚えておいてください。
え? と思うかも知れませんが人間の視覚は暗いところからは多くの、明るいところからは少ない情報を得るように出来ています。(視覚のガンマとかいいます)

視覚の色と実際の色

ちょっとピンとこないなー っていう方、アレを思い浮かべてください。
写真を撮っている方にはお馴染みのアレです。
18%グレー、ニュートラルグレーとか中間色ともいいますね。
おかしいと思いませんか? 中間といえば50%。

18%グレーの意味

断言しちゃうけど50+50が100であって、18+18は100じゃない。筋がとおらん。
でもこれがガンマ。(ガンマはカラーマネージメントの至るところに出てきますが本稿では視覚のガンマのみに触れています)
暗いところからは豊富な階調を、逆に明るいところからは大雑把な階調を知覚する人間の特性が、「実際の光の強さ(輝度)」が18%を半分くらいに知覚させています。

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そして階調へ

で、この視覚の特性を踏まえて階調について考えてみましょう。(今は話が込み入ってしまうので色空間は置いといてください)

白飛び、黒潰れってよく聞きますね?
(聞いた事無い人、ググって。XICOは逃げません、永遠に不滅です。)

これは階調のことです。階調が細ければ真っ黒とすごく黒の差異が表現できます。
階調をどれくらいの細かさで記録するかを決めるのがbitです。お手持ちのカメラの取り扱い説明書をご覧ください。メーカーページでもいいけど。
仕様のところに12bit圧縮RAWとか14bit非圧縮RAWとか書いてあると思います。16bitって書いてあったらお金持ち認定。(圧縮の事はまた今度)

階調が細かければ細かいほど

これが階調、当然細かい方がデータは重くなります。
他にもJPEGってありますね? でもこちらは○bitって書いていないと思います。
理由は簡単、JPEGは問答無用で8bitになります。だってそういう仕様だもの。
そして非可逆圧縮しています。ハフマン符号とか、そーゆうのを駆使して(僕にはわからん)。英知ですね、すごく軽くなる。
RAWのほうは圧縮するしないとか諸要素あるので一定ではないけど圧縮RAWでもJPEGよりは重いです。

そう、RAWは重いんです。

ストレージにつながる。

だからSDカードはもちろん、作業用ストレージ、保存用ストレージなどなど必要なボリュームやスペックが変わってくるのです。
(ほら、繋がった! ストレージの話でしょ?)

データを保存、あるいは撮影時の記録設定する際に8bit以上の階調が必要だと判断される場合にはもれなくRAW(あるいはRAW+JPEG)を選んでください。
この記録設定はあとからではどうにもなりません。

データの重さでストレージの負荷を考える

軽いデータと重いデータだと保存はもちろん作業時のストレージにかかる負荷も全然違うんです。
でね、ハードディスクはこれがいいですよ〜とか。写真家向けPCはこんなスペックが必要とか。そういうのはもういいと思うんです。Google先生頼りになるから。
ストレージに限らずパソコン周りのあれこれ、ちょっと調べたら「こんなんで大丈夫なの?」と「こんな大袈裟なスペックが必要なの?」って大抵思う。
(僕も含めてなんですけど)やっぱり勧める人のバイアスかかっちゃうから…
それに1600万画素のカメラ持ってる人と3600万画素のカメラ持ってる人に同じ構成勧められないし、将来的に、なんてこと言い出したらきりないし。

最適なシステムを検討する。

最適なシステムってなんでしょう? 実は一人一人違うんです。
1日5,000カット撮る方と1か月に500カット撮る方、JPEGで仕上げてWebで公開する、あるいはB2以上のサイズで印刷する人。
撮影頻度や仕上げの方法、管理のスタイルによって最適なワークフローは異なります。
そしてワークフローは制作システムを構築するうえでの最重要事項です。
ストレージは記録の要、良い選択ができれば作業負担は大きく軽減できる反面、これが時には足を引っ張り致命的な(場合によっては制作を完遂できないことも)事態を引き起こす可能性すらあります。

だからストレージを考える。

ですから、ストレージを考える=ワークフローを考える。
これでいいと思うんです。うん、断言しちゃう。やぶさかでない。

でも結局どうしたらいい?

そうなんだけど。それが前提なんだけど。
じゃあワークフローに合わせた制作環境って何よ? ってことですね。
「手持ちの機器の仕様を確認した上で予算と相談しながらどこにテコ入れしたら今より幸せになれるか?」
という判断をできるようになるのが第一歩。
わりと大股ですけど。なんだったら股裂けそうなくらい、すんごく大股に一歩。

なんでかっていうと

こういうのデータ増えてからやるとすっげーめんどくさいから

ほんと、もうね データ消しちゃおうかって思うくらい。

だから写真面白くなっちゃってデータがどんどん増えてきちゃったなぁ、って思ってる人。
今のうちです。(なんかうまいこと締まった感じするので「続く」)

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