キャリブレーションって大事だけど… ほどほどでいいんじゃない?

タイトルで言い切っちゃったし。えっとこれはフォトグラファーさんの場合ですね。ほどほど、っていうのは紙色に合わせて色調補正をするというレベルでやる必要があるのかっていう… 私見ですけど、それDTPのカテゴリ。フォトグラファーが撮った写真/データがそのまま印刷されることは稀。色見本つくって「あとはよろしくお願いします」でいいと思う。お前がそれ言うかってド突かれそうな気もするんですが。
iPad Proを無事に手に入れてルンルン(死語)のタンノトール(@tang40です。iOS版Photoshopのリリースが待ち遠しいですねー♫

遮光するなどして環境光を一定に保って(色評価用蛍光灯等を使用)、こまめにハードウェアキャリブレーションしてやりゃいいんじゃない?

どこまでキャリブレーションする?

DTP経由でレタッチなどさせて頂いているせいか、フォトグラファーさんから「自分で仕上げた色が思った通りに印刷されない」っていうご相談を頂くことが度々あります…。少々乱暴な物言いですが、CMYKで色調補正するスキルがないならあきらめましょう。

そもそもカラースペースの色域外っていうケースも多いですし、色再現についてはインクジェットと印刷は別モノ。製版のレタッチャーさんのスキル・ノウハウはちょこちょこっとググったところででてきません。っていうか見つけたところで多分理解はむずかしいと思いますし、習得するのはもっと無理。(本気で習得しようと思ったら1〜2年印刷工になってみるとか… ちなみに、印刷会社の方でも、営業職方面の方々はほとんどわかってません。まぁ中の人がコレなのは、ほんとにちょっとどうかと思いますが…)

そんな訳で

 

 
実際に色調補正する際の設定です。

  • 「色の校正」っていう便利機能がありますからこれを活用する。これでCMYKに変換したときの見た目にして色調補正を行なう。
  • 部屋を暗くしてモニターの設定を5000K 80(見辛ければ〜120まで上げてもOK)カンデラにする。

この状態でご自身が許容できる仕上がりに色調補正を詰めていってみてください。このセッティングでモニター上で再現できない色は印刷(プロセスカラー)では再現できません。

いや、ほんとのこと言えばもっといろいろ出来るんです。広色域インキ特色各種コーティングをはじめ様々なノウハウがありますから。でもそれは印刷屋さんとの綿密な擦り合わせ(納期、予算等々)があってのこと。フォトグラファー個人の意向でどうこうできる範囲の話ではない場合がほとんどです。

ずいぶん否定的な私見を乱暴に言い切っちゃいましたけど、上述の件に「いやそれちょっと雑すぎ」「テキトーなこといってんじゃねーよ」と根拠ある異論反論が脳裏をよぎった皆様。

印刷をわかっている方々からみたらヲイヲイ、と言いたくなる内容であることは承知の上で書いてます。例えばネイティブで入稿してRGB→四色分解のフローなのか、PDF入稿なのか、とか。DTPerのみなさんにはツッコミどころ満載だと思いますが、 CMYKでの色調補正の経験の少ないフォトグラファーのみなさまに向けてのお話ということでご理解頂けたらと思います。

じゃあどうするのかと言うと


で。じつはこれ前フリです。 ここからカメラの話。前フリで書かせて頂いた印刷で出ない云々で煮詰まってしまうケース (レタッチャー立会いの撮影ではまずないと思いますが) 「現場でクライアントさんにOKもらっちゃったんで今さら色でませんとは言えないんです」っていうのが非常に多いのです。

現行のカメラのほとんどは記録ファイル形式がRAWJPEGの2種だけだと思います。カラースペースsRGBもとAdobe RGBの2種。
カメラメーカーさんへのお願いしてみたいこととして、ファイル形式に16bit & 8bit TIFF、カラースペースにCMYKを追加できないでしょうか?って思うのです。

カメラ内現像でなければ難しい様々なピクチャースタイル(呼び名は様々ですが)、某社のカメラ内現像ならではの素晴らしいスキントーンなどTIFFで記録出来たらいいのに!!

大容量メディアの普及でメディアより先にバッテリーが先に終わる昨今、選択肢の一つとしてTIFF記録が出来ることを願って止みません。やっぱり拡大使用の多い商業印刷だと元データがJPEGだとイマイチなことが多々あるので…。そしてCMYKカラースペース(シュミレーション的なものでかまわないので…)の追加。

長々と書いた前フリ、ハナっからCMYK/TIFFで撮ってしまえばいいんじゃない?と愚考する次第でございます。RAWはRGBで残ってるわけだし… この問題でお悩みの層ってプロ(か、それに近い職業)のみなさんだと思うのでせめて中級機以上だけでも。
 

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