浅間国際フォトフェスティバル!町全体で取り組む写真の祭典、徹底レポート

開催前から連載企画「写真と生きる」でも取り上げてきた浅間国際フォトフェスティバル。期待が膨らみ収まらなくなったヒーコスタッフで実際に開催地、御代田町に行ってきちゃいました!

五感で楽しめる写真祭りの全て

「写真で町おこし」開催地御代田町へ

開催前からヒーコ編集部の中で「夏は避暑地で写真三昧なんて最高な人生だよね」なんて散々話題になっていた、浅間国際フェスティバル。開催地御代田町は、軽井沢のお隣の町。取材もかねて主に楽しむ為に行ってきちゃいました。

東京から高速で向かった御代田町、意外にも道もすいており、寄り道しなかったら都内から約3時間ほどの場所です。

町に着いた時点でとっても涼しく心地よい風が吹いていて、コンクリートジャングルから薄着でやってきた我々には嬉しい驚きでした。それもそのはず、御代田町は高原都市とも言われる浅間山のふもとに広がる町。夏は大体これくらいの気候なんだそうです。(※即、上着を買いに行ったくらいなので行かれる際は初秋くらいの服装を持って行った方がいいかもしれません!)

会場を目指して車で向かう我々の目に、小さな公園に立ち並ぶ大きな写真の展示が見えてきてすぐにここがあの浅間国際フェスティバルだ!とわかりました。わくわくしてきます!

会場入り口は抜けるような青い空と、フォトフェスティバルのロゴでお馴染みの形のピンクのゲート。否が応でも心踊ります。

ここが御代田

受付を済ませ建物を出ると目に飛び込んできたのは蔦が這った建物と外壁に貼られた巨大な写真、巨大な展示物の数々でした。

まず展示室の入り口前には巨大な写真が水に沈んでいるプールがありました。

写真家マッシモ・ヴィターリ氏×建築家谷尻誠氏のコラボレーション作品です。

水が太陽の光を浴びてキラキラと輝き、思わず触れたくなるような美しさ。

この作品は本当に水の部分を触れて波紋の変化や写真の見え方の変化を楽しんで欲しいとのこと。小さいお子さんは大喜びだそうです。親御さんに謝られることもしばしばですがむしろどんどん触っちゃって色々な人に作品を楽しく閲覧して欲しいとのこと。

楽しい…!子供じゃなくても!

展示棟

皆この建物の写真を撮りまくっていました

これでまだ展示棟に入っていないなんて…!期待が膨らみです。まず展示棟である蔦に覆われた建物がとても美しい。それもそのはずこの建物、旧メルシャン軽井沢美術館の跡地なんだそう!どうりで素敵な建物だと思いました。

展示棟に入ると立体的な作品の数々が目に飛び込んできます。見上げるような高さから吊るされた布に、金属に印刷され顔のパーツ部分だけ立てられた不思議な掲示物まで、勿論全て写真です。

一枚絵が飾ってあるだけの展示かなと思っていた予想は嬉しい驚きで裏切られました。

建物の2階部分は左右に別れているのですが、右と左で全くテイストが異なっています。

Mt.Asama by cameraobscura/ホンマタカシ
左にはカメラオブスキュラという技法で撮られたモノクロの雄大な浅間山の写真が壁一面に展示されています。

Everything/小林健太
右には任天堂のスプラトゥーンのゲーム画面が加工された動画作品まである凄く現代的な写真の数々が展示されていました。

この展示の仕方は”対比”がテーマなんだそうです。原始的な写真技術であるカメラオブスキュラを使って数時間かけて焼き付けされた浅間山の風景と、先述のゲーム画面まで作品にしてしまうという現代的な作品、2つの対比が建物全体でなされています。

カメラオブスキュラ

カメラオブスキュラ、という手法はラテン語で「暗い部屋」を意味する語です。真っ暗な部屋に小さな穴をあけ部屋に光を入れる外の景色を部屋の中に投影するもの、カメラの原点ですね。15世紀ごろには絵を書くための装置として多数作られました。

このカメラオブスキュラ、なんと会場内に実際にあったんです!

カーテンを潜って茶室に入ると真っ暗な部屋に1点だけ灯りが。壁に穴が空いています。

光が当たる先を見ると外の木漏れ日、外の建物の窓までぼんやりと映されていました。不思議と落ち着く空間で出たくないと言い出した人までも。凄くわかります、時の流れがここだけ違うかのような気分になりました。

カメラの原点の中に入れる(!)なんて興味深いし楽しい!五感で私達を楽しませにかかられています…!

広大さを利用した様々な展示が屋外にも

猫も杓子も

イベントエリアの真ん中で異彩を放っていたのがこちら、見上げるほどの高さ(約3m!)のカメラを構えた巨大な猫のオブジェクトです。

この「猫も杓子も」という作品、前にたつと猫に写真を撮られるんです。

写真を撮りながら撮られた後は、撮った画像をQRコードでその場でもらえちゃいました!

Making Memeries

近代的な技法を使った展示は他にもたくさん。中でも一番驚きだったのがルーカス・ブレイロック氏「Making Memeries」という展示でした。

一見普通の写真が並んでいるだけに見えるこの展示ですが、その場でアプリケーションをダウンロードし、カメラ越しに写真を見ると…!驚きが隠されていました。

種も仕掛けもある展示なので詳細を全てお伝えはしませんが、電話が書いてある写真の前でアプリを使うと携帯の中で電話が鳴り出し携帯の画面の中のものがどんどん増えていきます!

現実世界と携帯越しの世界がずれていきます

そう、この写真群、携帯のアプリを通して見ると全然違うものが見えてくるというものなんです。

これは是非体感してみてほしいです。全ての写真で試してみたくなること請け負い!

スクリーンショット。携帯のカメラを向けた瞬間様々なアクションが飛び出します。これは一番驚きました!

展示多数

屋外の展示はこれだけじゃありません。

斜面一面の写真や、木々の間に張り巡らされた写真、廃バスの中を利用した写真の展示まで。とにかく写真、写真、写真!これでもほんの一部です。

アトラクション的な楽しさも一杯でした。


美術館

順路に沿って進んできた我々一同。そろそろ終わりかな?なんて話していると最後に巨大なミュージアムが待ち受けていました。

改めてそのスケールに驚きを覚えます。

4mはあろうかという巨大な写真、1本1本は細く切られ、離れることで全貌が見えてきます

美術館の中は色々な作品で一杯でした。映像作品や1個1個写真が置いてあるのを上から覗き込むスペース、VR作品まで!

いろいろな可能性を感じる作品で一杯でした。こんな展示方法もあったのかと感心しきり。

おまけ

休憩スペースのラウンジも超おすすめ

ラウンジスペースで途中休憩を挟みました。

テラススペースで休憩したのですが、ここのソフトクリームとコーヒーが本当に美味しいんです!

パッケージもお洒落で味も格別ときたら最の高としか表現できません。このコーヒーを買って帰らなかったのをコーヒー党の自分、未だに後悔しています・・・。(豆はお土産用の持ち帰りもできるようです)

皆さんも訪問した際は是非、味わってみてください。

まとめ

如何でしたでしょうか、浅間国際フォトフェスティバル。古くからの技法から最新技術まで、様々な方向、方法から写真をとにかく楽しむ、まさにフェスティバルの名に相応しいカメラと写真の祭典でした。

これでプレだというのが驚きです。2019年の本格開催では一体どうなってしまうんでしょう!この目で確かめることは確定です。

2018年の浅間国際フェスティバルテーマは「Return to Camera」(写真に還れ)。今一度写真に立ち還り、その楽しさ、無限の可能性を感じられました。

2018年9月30日まで開催中なので是非足を運んでみては如何でしょうか。

「浅間国際フォトフェスティバル」

「アートは人を救うものであってほしい」浅間国際フォトフェスティバルに向けて。速水桃子×黒田明臣 対談

それではまた来年。

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