第4回 ヒーコセレクション結果発表

フォトグラファー独自の観点で選ばれた写真と、その根拠が面白い!どうも、ヒーコセレクションへの興味が止まらない、名もなきヒーコ編集部です。皆さん、もう見ましたか?写真の審査型投稿コンテンツ、ヒーコセレクションの第4回目!「まだ見てない…」「何それ?」という方に、ヒーコ公式LINEヒーコ公式メールマガジンで発表された内容をココでもお届け!ヒーコ読者の写真熱も、それに真っ向から向き合う審査員の熱も、全てが見所!写真をみて、感じるという事は、こういう事かと気づかされる、そんな回になっています。

第4回

あと一歩な一枚

マネークリッパー吉沢さん(@moneyclipper)

色も雰囲気もトーンもきちんと狙いがあって、みせたい画とその印象が明確にイメージされて、それを一枚の画像に落とし込んで作品として練り上げているその力、半端ないなと心動いたんですよ。それだけに、完成度が圧倒的に高いだけに、「中央右端の岬の突端と杭がきちんと目に入る形で 中途半端に写ってしまって、日常生活からの地続き感(いうか楽屋裏感)が見えてしまうように 感じられてしまう」のがやっぱりちょっと残念だな、と思ってしまいました。 非日常感を狙うのでない、これは我々の生活や現実世界からの延長に存在する写真なのだ、と言うのならば、もっとがっつりと日常や人間生活感・地形を入れるべきですし、そうでないならば徹底的にそういった邪魔な要素は排除する。どちらかに寄せると抜群なものになると思いました。 個人的にはフォトショップで消して非日常に寄せてしまえば良いと思います。たぶん要求はすごく厳しい(難癖に近い)ような気がしてはいるんですが、写真の力が強いので、きっと無茶な指摘ではないと信じています。

フォーカスしたい一枚

まぁちゃんさん(@kitamaje)

夕暮れか早朝の朝焼けに釣りをされているんですかね、かなり明るさを抑えた後ろ向きの顔のために、表情などを直接みることはできませんが、勢いよく竿が振られ動きのある瞬間が捉えられていて、こう、ワクワクしてるんだろうな、それともしてやったりなドヤ顔かな、というか、そんな楽しそうな雰囲気がよく出ていて良いなと思いました。ドラマチックな空や体のラインが夕日で光ってラインを描いている部分の美しさや、木々の形と正面の人の姿がほぼシンメトリーで、ちょっとずれた部分には竿のカーブが入って均整を保った構 図とかも相まって、写真としてもとてもカッコよくて素敵ですが、何よりもフォーカスしたいのは「竿持つか、カメラ持つか悩む時間帯!!」というコメントです。
そうなんですよね、カメラにとって素敵な瞬間はカメラ以外のことにとっても素敵な瞬間であることは往々にしてあって、今回のこの作品はうまく両立されたようですが(笑)、全く根拠のない単なる極私的な偏見なものの、「写真は好きだけど他の素敵な瞬間のためにカメラを置いて別のことを楽しむことが出来る人」というのは、ものすごく”強い”んじゃないかなと、私は常々思っています。
https://twitter.com/kitamaje/status/1032992085249421313

グッドな一枚

樋渡璃玖さん(@Diamond7208)

この写真は、動物園でしょうか。だいぶ下方にいるニホンザルが撮影者である自分を見上げていて、自身は柵(というか檻)の向こうから撮ったのかなと思います。わざわざ檻が写り込んでいて、赤い顔の猿がじっとこっちを見ている、何か言いたげなのか、それともそう私には見えてしまうだけなのか。撮影者が何を企図して撮ったのか、この写真からどんな感想を持ちますか、というのを単純に言語化するのは難しそうで、また、観た人によってもいろいろ意見が分かれそうです。私個人は、うーん、なんというか申し訳なさとか罪悪感みたいなものと、柵のこっち側にいるちょっとの安心感、みたいなものを感じました。みなさんはどう思いますか?
「作品は作者自身を映す鏡」であり「作品は鑑賞者を映す鏡」でもあるのだとよく言われます。私が考える良い写真、というのは、写真を見ることで何か考えたり感じたりするプロセスが回り始めるきっかけになってくれるものなのかな、と考えています。その意味ではこの作品と、次のベ スト・オブ・ヒーコが、僕はすごく良い写真だな、と思いました。

ベスト・オブ・ヒーコ

なおさん(@photo_nao_s)

木々の手前に見えている霧のように白いモヤは窓への写り込みでしょうか。建物の上階から下を見下ろしているように見えます。そこに淡いピンク色の傘を差した人が。影からすると日傘のようなので女性かなとも思いますが、ズボンやカバンの様子からは男性なのではないかとも思われます。立っているのか、歩いているのか。

写っているものは全てありふれたものですが、なんとも不思議な印象を与えてきます。でも配置はばちっと決まっていて、偶然が生み出した調和、とでも偉そうに名付けて評してしまいたくなるような写真です。

じっと、どうなっているのかな、なんだろうなって見ていると、ガラス越しのような青みがかった緑にピンクの落ち着いた差し色、建物の白いエッジと森のうねりの有機的な形状との対比、写り込みの白のもやによる非現実的でちょっと一歩引いた印象が、たとえば、ふと旅行先の旅館の廊下を歩いてたりして、窓から階下に目をやった時に偶然飛び込んできたこのキマってる瞬間に「あ、なんかハマった瞬間や」って心の奥底がちょっと波打つような、そんな浮き立つような感じがしませんか?私はしました。

実際に撮った方の真意は分かりません。聞いてみたいような、でもちょっと聞かずに自分の感想だけを温めておきたいような気がしています。私はこの写真、この印象って何からくるんやろうなっていろいろ眺めたり凝視したりして、すごく楽しませてもらいました。柔らかで涼しげな、でもちょっとほんわかあったかくなるような、素敵な写真だと思いました。こういう写真を私も撮ってみたいです。

総評

今回ヒーコセレクション選出のために沢山の方の、沢山の写真を拝見しました。ひと昔前だと、「構図や露出がちゃんとしている」「主被写体が明確で距離感を適正に取っている」あたりの、いわば”当たり前”が抑えられたらコンテスト系ってすんなり入賞できるものなんですけど、やはりヒーコに集う方々は、当たり前のようにその辺を軽くクリアしてきていました。恐ろしい。ほとんどの写真については、その基礎的なところの一歩も二歩も先、「表現としてどうか」を争う、というレベルで選ばないといけない、ハードルの高い作品がそろっていたと感じています。むしろ私が試されている感がやばかったです。今回は私の思想を反映し、技術の巧拙が主眼ではなく(というかみなさん上手すぎです)、撮影された方の視点や立ち位置が明確に出ているもの、対峙した時に作品がトリガーとなっていろんなことを考えたり探ったりして楽しめたもの、を主眼として選出しました。

主選者:co1(@co1)

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