秋が深まり寒さが近づくなんてセリフはぽっくすにはそぐわない、どうもこんにちは、ヒーコ編集部です。ヒーコ公式LINE、ヒーコ公式メールマガジンへ多数ご投稿いただいたPhoto of XICO (ぽっくす)第５回での結果をお届けします！どんどん主選者の方の講評や総評が熱を帯びてきているのは気のせいでしょうか、いや気のせいではない（倒置法）。投稿作品に込められた熱と批評にもこめられた熱で胸熱なこと請け合い。今回も必見です。お楽しみください！
第５回
あと一歩な一枚
人物の視線方向を詰める難しいレイアウトを見事に仕上げていらして目を惹きました。右端の暗い前ボケ、中央の奥行きがこの写真の重心を絶妙なものにしています。女性の肌の質感の部分（現像設定なのか、フィルタ効果なのか不明ですが、ディテールの出方にムラがあるため違和感を覚えてしまいました）、少しツルッとし過ぎているかなと感じましたので“あと一歩”にさせて頂きましたが、ほんとうに見事なレイアウトで感嘆を覚えました。
あと一歩な一枚
こちらの写真、初見で見たときに、トリミング（角度補正も含む）をしてトーンカーブを一枚かますだけで、ものすごくクオリティが上がるのでは？と思い取り上げさせて頂きました。ポージングも決まっていますし（難を言えばモデルさんの靴のサイズがちょっと気になるのですが…）、背景の扉と窓の色もとても良く路地裏感も素敵です。右奥の背景が少々煩雑になっておりますので手摺の少し内側で切ってしまうのはいかがでしょう。こういった写真ではあまり水平を出すことにこだわらず、視線やポーズに合わせてトリミングの際に角度をつけてしまうのもアリだと思います。角度補正はマウスやペンタブのようなフィジカルインターフェイスではなく数値入力で最初は0.5度づつ、いい感じな角度になったら0.05〜0.1度ごとに試してみると“ピッタリとハマる角度”を見つけやすいのでお試しになって見てはいかがでしょうか。
https://twitter.com/bitter_orange/status/1020908856812032000?s=21
フォーカスしたい一枚
かっこいいです! 硬めのシャープネスもとても絵柄に合っていて素晴らしいと思います。また、色もイエローを抜いて植物のグリーンを分離させることでスキントーンを引き立たせており、技巧もさることながら色に対するセンスも感じられます。そして何より“フォーカスしたい”のは被写界深度の深さ、ボケを抑えることで作品世界の強度が増している素晴らしい写真です。
グッドな一枚
とてもイマドキな印象（もちろん良い意味で!）を受けました。なによりハイライト／白の扱いに感服いたしました。背景と肌色の馴染み具合と対照的に髪の繊細な質感を残した処理などたいへん優れた匙加減を感じました。強いて挙げれば首回りの影のつき方に一考の余地はありますが、全体的にファンタジックな絵づくりをしつつ、白眼の部分がきちんと“白”になっていることでリアリティが担保されていることも好印象です。
ベスト・オブ・ヒーコ
素晴らしいの一言に尽きます。こういう写真があるから黒潰れ、白飛びがあってもいいじゃないか!! って思ってしまうんですよね。情報を意図的にカットすることで抽象表現を実現するという手法。トンネル内の少女（？）のシルエットが左側の暗い空間へ向いている（脚のシルエットから推察）ことが、鑑賞者の思索を一層掻き立てます。コンクリート、金属などの要素の質感も絶妙で「時間や宇宙の暗喩では？」などと考えてみたり、ひとつの写真でたくさんの楽しみを頂きました。眼福でございます！
https://twitter.com/h_c_k_30/status/1017410415263772678
総評
仕事柄毎日たくさんの写真を見るのですが、今回のヒーコセレクション選出はとても新鮮な体験でした。誤解を恐れずに言えば一つ一つの写真だけを見ればプロ顔負けのクオリティ、取り上げたい写真が多くセレクト候補のフォルダがいっぱいに… そこで選出の目安を「おぉ〜!!!」っていう感嘆の大きさに絞らせて頂きました。その為でしょうか、自分があまり撮らない人物／ポートレートが多くなってしまいました（笑） レタッチャーとしては逆に人物写真を扱うことが多いので、講評も構図や色など仕上げに関するお話が中心になりましたが、良い写真があって良い仕上げがあると考えておりますので、仕上げに関して思うところがあるというのは“興味深い写真”であることの証左でもあります。たくさんの“興味深い素敵な写真”を見せて頂いたことに感謝するとともに、これからも素敵な写真をたくさん見せて頂けることを切に願っております。
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