先日最速レビューを行った Carl Zeiss Batis 2.8/135ですが、今回はレビュー第二弾として、実際の作品撮影でどこまで使用できるかという作例を合わせて解説します。こんばんは、@crypingraphyです。ようやく発売日が発表されたようで、2017年5月12日のようですね。
そして、SONYからもα9が発表されたので、2017年の春は新世界に突入している感があります。
今回は、実際にBatis 2.8/135を使用して、レビューのための写真ではなく、リアルな作品撮影で使用してみた感想をお届けします。
135mmレンズでビューティー撮影
Carl Zeiss Batis 2.8/135とは
当レンズについては、先日のレビュー記事「最速実写インプレッション!Carl Zeiss Batis 2.8/135 レビュー!作例付き」と合わせてカールツァイス株式会社公式ホームページをご確認ください。https://www.zeiss.co.jp/camera-lenses/photography/products/batis-lenses/batis-28135.html
作品撮影での使用
前回のレビューでも触れた記事、「ポートレートフォトグラファーに135mmを勧める三つの理由。」で少し、ビューティー撮影のようなクローズアップを行う際にも135mmを使用しているということを書きました。今回は、すこし砕けた言い方をさせてもらいますと「ガチの撮影」で試してみました。
機材は結局、実際に普段の撮影で使えるかどうかが大切だと思うので。
ビューティー撮影と書きましたが、メイクのみをみせるような撮影ではマクロレンズでも良いのですが、ヘアスタイルも含めた美容系の撮影では135mm単焦点レンズの描写がみせる望遠効果を含んだ描写で作り上げたいという思いがあります。Nikon D810では、同じくCarl Zeiss社のAPO SONNAR 2/135 ZF.2を使用していたのですが、現在Sony α7R IIに移行してからは135mmの選択肢が限られており困っていたところでした。個人的には同カメラでのこういった撮影も初めての試みでしたが、結果はオールオッケーでした。
作例
クローズアップ可能な最短撮影距離

最短撮影距離 0.87m という値は、135mmという焦点距離にあてはまると一般的には容易にヘッドショット以上のクローズアップが可能です。
ですが、実際には「絵になる構図」にしようとするうと、人物の顔が被写体の場合、少し引きたくなる場合が多いのです。
幸い、今回の撮影では、ヘアも魅せたかったので最短撮影距離まで使用する必要すらありませんでした。
トリミングを前提とした撮影
今回は、参考にアップしている液体が顔にかかっている写真は、クローズアップ後のトリミングを前提として、構図を無視した撮影としました。Sony α7R II をはじめとした高画素機であればそのあたりも安心ですね。世の中には、構図は撮影時に決めるというポリシーを持った方もいるようですが、明確な目的や制約がある場合、自分はそういうことを考えません。
テザーをしながらオートもマニュアルもピント合わせが楽

Sony α7 と Batis だからこそ
- テザー撮影しながら、カメラ上で拡大画面をみてマニュアルピント合わせが出来る。
- マニュアルレンズの超老舗だからこそのスムーズなピントリングで精密なピント合わせが出来る。
- 前後の被写界深度がディスプレイから読み取れるので、顔のどのあたりにピントを合わせるべきかわかる!(Batisならでは)
とくに三番目のポイントは大切です。
マクロ撮影をする方はご存知だと思いますが、F11やF16といった値まで絞っても被写体とレンズの距離が近くなるとどうしてもボケてしまいます。
ここでピントを下手に鼻の頭に合わせてしまうと、鼻の頭より手前のフォーカスポイントが無駄になってしまいます。
ピントの合うエリアを無駄なく使うためには、正しいフォーカスポイントと絞りを選ぶことが大切です。
また、多くの場合、絞るにしても光量との兼ね合いもあるでしょうから、比較的難しい部分になります。
上の写真は、まさにそういった機能の恩恵に預かり手前のガラスも含めてピントをあわせることができました。
※Sony A7R IIは、USB2.0規格でのテザー撮影となるのでスピードには少しストレスがあります。
※もちろん撮影は普通にできます。
美しいシャープネス

毛先や血管までキレイに出ていますね。
中々こういった質感と低周波のコントラストが出ている描写は撮れないので素晴らしいです。
画質的にも納得のいく解像感になりました。
また、色合いとコントラストもキレイに出てくれています。
完全にストロボ光によるものなので、演色性も高くレンズの性能を発揮できていると思います。
自分は、良い光かどうかを判断する目安に、色調補正をした際にどのような色にしても落ち着くかどうかを判断基準としています。
オレンジに振っても、ブルーに振っても落ち着いた色調になり、最終的にどの色で終わらせるかが迷ってしまう。
そんなデータにできると満足度も高いです。
FINE ART的な撮影でも活躍。
こちらもクローズアップ気味の撮影。
迷わないオートフォーカス
こちらはガラス越しの水滴があるにも関わらず、サクッとオートフォーカスが決まっていきました。
普通はこういう手前に障害物がある場合は迷いやすかったり手前にあったりするのですが、水滴を避けてきちんとフォーカスポイントを決めれば何の問題もありませんでした。
水滴がたれてしまったり乾いていくので撮影時間は限られているのですが、過酷で時間限られているな状況でも安心して使えるのはポイント高いですね。
明快な色が心地よい
上ではモノクロの作例も掲載しましたが、全体的に色が心地よいです。
普通の照明から出る白熱灯らしい光や、照らされた肌もきちんと出ていて何よりです。
環境光としてはあまり期待できない内容でしたが、立体感も肌や髪の質感も良く写していますね。
ありがたい限りです。
まとめ
レビューといった事を一切気にせず、普通にチームで作品撮影した写真ですが、普段の撮影で使えるかどうかというのがやはり一番大切なところですよね。
Eマウントで135mmレンズが気になる方は、是非ご検討ください 🙂
また、こちらの写真は全て、α7R II で撮影しています。
撮影情報
- カメラ
- Sony α7R II
- レンズ
- Carl Zeiss Batis 2.8/135
- ライティング
- Profoto B1 Two Heads / Profoto B2 One Head
- アクセサリー
- Profoto Strip Box 1×4 * 2 / Profoto Softbox Octa 150cm
- モデル
- Natsumi / Meg
- ヘアメイク
- Iveta Du