こんにちは、黒田 明臣です。Sonyカメラを公私ともに使うようになり、使用頻度の高い 85mm をと考えていたところ、昨年素晴らしいレンズが発売されました。購入してからいくつかの撮影で使用して、なんとなく感じもつかめてきたので、購入を迷われている方の背中に愛の手を添えるべく個人的な雑感インプレッションを垂れ流してみたいと思います。
ヤツの名は、Sony FE 85mm F1.4 GM SEL85F14GM

ソニーが誇るGマスターレンズ
進化の一途をたどるデジタルカメラに追従したレンズということで、
解像感とぼけ味の両立をはかったG MASTERレンズ群の中でも
ポートレートレンズの大定番として名を連ねるSony FE 85mm F1.4 GM。
次世代の映像体験を提供してくれると聞いては試してみなくてはならないということで実際に試してみました。
85mmと言えば、中望遠のキング.
そのキングを妥協のない最高設計水準と最先端技術で、実現してくれています。
カメラやセンサーの事を知り尽くしたソニーだからこそできるのかもしれないですね。
スペック
解像感と美しいぼけ味を両立させ、
高次元の表現力を手に入れたポートレートレンズ
主な仕様
レンズマウント | ソニーEマウント |
---|---|
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離(mm) | 85 |
焦点距離イメージ(mm)* | 127.5 |
レンズ構成(群-枚) | 8群11枚 |
画角(APS-C)* | 19° |
画角(35mm判) | 29° |
開放絞り(F値) | 1.4 |
最小絞り(F値) | 16 |
絞り羽根(枚) | 11 |
円形絞り | ○ |
---|---|
最短撮影距離(m) | 0.85(AF時)/ 0.8(MF時) |
最大撮影倍率(倍) | 0.12 |
フィルター径(mm) | 77 |
フードタイプ | 丸型バヨネット式 |
外形寸法 最大径x長さ(mm) | 89.5×107.5 |
質量(g) | 約820 |
85mmの魅力

自分のような人物を主な被写体とするフォトグラファーにとって、85mmというのは中々手離れしない画角です。
- 中景・遠景での浮き立つ人物と背景のコントラスト
- 最短距離で撮影した際にピント面から前方後方にひろがってくなだらかなボケ
- バストアップにおける輪郭の歪みが程よい。
その魅力は、撮った瞬間にパッとその場でカメラの小さなディスプレイを通してでも確認できるモノ。
Sony FE 85mm F1.4 GM は、「光学性能に一切妥協のないレンズ」と言うだけあって文句のない性能。
85mmは、各メーカーが品質に本気を出してくるレンズの一つだと思うのですが、Sony α7R II と使っていてとにかく合うんですよね。
中望遠からなるピント面のボケ味と F1.4 という組み合わせはそれだけでレンズの描写関係なしに独特の感じがあるんですが、それ以上の品質が確かにあると思わせてくれます。
そして、85mmや135mmといった中望遠くらいの画角による歪みが、ポートレートを撮影するにあたってちょうどよかったりするんですよね。
広角レンズや標準域のレンズにおいても、少しこれは広角で撮ったなという形に顔を引っ張ったような描写になってしまうのですが、そのあたりがなく、目の大きさや鼻の形もすっきり写ってくれます。
正直驚かされた、Sony FE 85mm F1.4 GM
ピント面から背景のボケへのつながりが良い
まつげと目にあったかろうじてあっている全身全霊のF1.4が、美しく散ってボケとなっていく様が気に入っています。
やはり花火や人間と一緒で、散り際が一番美しいというか。
すみません、あんまり関係ないですね。
このボケと解像感の両立を成すのは、このレンズと他に期待できるのは Sigma の Art 85mm でしょうかね?
自分は使ったことないのでわかりませんが、試してみたい感じもあります。
安心のオートフォーカス
自分は基本的にマニュアルフォーカスでピントを合わせているのですが、AFがついているレンズは普通にAFを使います。
しかし85mmでF1.4となると、やはり心配なんですよね。
ピント面の決め方も含めて画作りだと思っているので、狙ったとおりにならないのは困ります。
幸い、Sony A7R IIは速度や精度の差はあれど光学ファインダーとちがって測距点も端まで豊富なのでAFを利用することが多いです。
そしてこのレンズに至っては、その精度も予想以上でした。
例えばこの写真のように、逆光下で夕暮れ時というシチュエーションでも、普通に止まってくれます。
さすがに相当な暗所だと迷ったりもしますが、まあそれは普通ですね。
圧倒的解像感

肌などの解像感を演出するには、レンズの良し悪しと同様に光質や光の角度が大事なのですが、この写真は決してそういった条件が揃っていたわけでもありません。
しかし解像してますね。ライティングをしているわけでもないのに肌の艶めかしさも含めてよく出てくれています。
こういった風合いが好みなので、多用する理由かもしれません。
なめらかなボケ

やっぱりこのレンズで大切なのはボケだと思うんですが、このくらいのバストアップで更に夕暮れ時の中でも色ノリよく出てくれていますね。
バストアップは一回の撮影で数枚撮ればもういいやという感覚になってきていたのですが、このレンズでは何パターンも撮りたくなります。
そして開放時の背景の玉ボケに変な年輪や色がみられることもなく、非常にソフトな描写になるのに惹かれます。
これがレンズが擬人化したら確実に恋に落ちているレベルでしょう。
悪光源下でのトーン

室内の白熱灯と、夕暮れの僅かな光なのですが、トーンもよく出てくれています。
白熱灯の色、窓から差し込むスカイブルー、それぞれが壁や窓にしっとりとでてくれていて
なんてことない写真なのですが、パソコンで確認してみて驚かされたのをいまでも覚えています。
殆どはカメラの性能によるものなのですが、この色なんかはレンズの性能も買ってるんじゃないかと想像しています。
逆光時の描写

先ほどAFの際にも触れましたが、逆光時の性能も良いですね。
いやなゴーストが出ることもなく、フレアをださせようにも中々出てくれない。
個人的には、フレアは歓迎なのですが、フリンジやゴーストはあまり好きではありません。
フレアを発生させるには、フードを外して昼間の強いサンライトでどうにかというところですが、
個人的にフレアは発生してくれた方が嬉しいので、もう少し手抜きしてくれても良かったんじゃないかと
斜め上からの贅沢を問いかけたいところです。
ニュートラルな描写

ニュートラルという言葉が正しいのかはわからないのですが、自分のように最終的にレタッチや現像で追い込んでいくタイプのフォトグラファーにとっては、レンズそのままの描写に味付けがされているより、素直にそのまま出してもらってレタッチの際に色を自由に調整できる方が良いのですね。無駄にコントラストが高すぎても困るというか。
その点、例えばCarl Zeiss Makro Planar 50mm なんかはニュートラルで大変気に入っているのですが、このレンズも同様に非常に編集がしやすい印象です。
ただこれは感覚的なことで根拠のある話ではないので話半分に受け取っていただければ。
遠景の描写

このように被写体から数メートル単位で離れた場合でも、ピントの浅さが合致しているとおもしろい絵になりますね。
望遠効果もあいまって、構図の面白さみたいが強調されているきがします。
これがゆるいレンズだと、ピント面の収差がひどくてのっぺりしてしまうんですよね。
85mmだからといってよることにこだわらず様々な距離から試したいです。
85mmの世界
良い点
- ポートレートの幅と次元を一歩広げる。
- 圧倒的解像感
- 快適なオートフォーカス
- 美しいボケ
- MFリングがある
- 描写性能がピカイチ
気になる点
- 大きさ
価格も言おうかと思ったんですが、正直なところ、むしろアリな価格かなと。
これだけの性能であれば、もう少し高くても良いような気がします。
大きさも正直許容範囲と言うか、むしろ大きさのために画質を犠牲にされたくはないので良いと思います。
まとめ
正直なところ、最初は自分に必要かどうか迷っていました。
85mm というのは、作品だと多用するのですが自分の仕事だとそこまで使う画角ではないので、本当に必要かな?と。
けっきょく、紆余曲折を経て結局買うに至るわけですが、買ってよかったなと思います。
なんだかんだと仕事でも使える場面があれば使おうという感覚になっていますしね。
とにかく解像感とボケがキレイなのは当然のこと、色ノリもきれいなので撮ればなんとかなってしまうという
ある種フォトグラファーをダメにする?レンズかもしれません笑
周辺の画質がどうだとかMTF曲線がというのはおいといて、実際のサンプルをみて皆さんが購入される参考になれば!
ソニーユーザーの方であれば本当におすすめです。
他にも良い点がいっぱいあるのですが、言葉にしきれないので、また写真が貯まってきたらご報告したいと思います。
購入された方は、作品みせてくださいね!
model / Coyomi, Meg, Hikaru