最近知ったのですが、自分は黒田明臣 @crypingraphy という名前のようです。そろそろ頭がおかしくなったと思われそうなので言っておきますが九割五分冗談です。さて今回はPhotoshopで、いきすぎた彩度を落ち着かせるための方法を書いていきたいと思います。
SNS彩度至上主義者に告ぐ。高まりすぎた彩度と気持ちをクールダウンさせるためのPhotoshop簡単テクニック
はじめに
昨今、SNSでは彩度至上主義者が覇権を握っているというのは、多くの人が感じているポイントだと思います。実際は、VSCO Instagramキングダムとの二大巨塔なのですが、後者は高度な社会的発達をみせる組織なので置いておきます。しかし彩度至上主義は、ときに指先時速2kmで駆け抜けるタイムラインを色彩の暴力によって止めさせる魔力を持っています。写真界の味の素。止まるだけなら良いのですが、そこに留まり続けると身体や精神に多大なる影響を及ぼすことが観測されていません。
かくいう私も、昔に比べてだいぶ彩度が高まってきたことを自認しております。実のところこれは自分の中のしきい値(通称、黒田の壁)を越えているのですが、まだまだ黒帯には程遠いです。それでもやはりいきすぎてしまうこともありまして、そんなときに服薬している特効薬が今回のテクニック。
と、彩度に関してばかり言ってしまいましたが、実は色彩に限らず、写真全体のトーンなどコントラストや彩度が強くなりすぎたポイントを調整するためのテクニックです。それではご紹介します。過度なカラーを抑えて、洗練された色調に落ち着かせましょう。
実践!
今回の画像
今回使う画像はこちら。わかりやすいように彩度至上主義者に入門可能なような色に調整にしています。
真っ赤な布に光をあてているので、これでもかというほど赤が感極まっていることが見て取れるかと思います。彩度至上主義者の方からみれば、この程度はまだ白帯だとは思うのですが、黒田の壁は既に越えています。
空の新規レイヤーを用意する
早速工程にうつりましょう。まず、空の新規レイヤーを用意します。名前は適当に、カラーとしましょう。
スポイトでいきすぎている色を測色する。
「これはアウト」と思われるポイントで測色をして、先ほど作成した空の新規レイヤー「カラー」を塗りつぶします。
ショートカットはこちらです。
見事に真っ赤ですね。写真の中にこんな成分が紛れていたと考えると高まります。
塗りつぶした色を反対色にする
実は、とあるショートカット一つで現在のカラーの反対色にすることができます。実際には、画像を反転させる機能なので、色に限らず選択範囲なども反転されるという便利ワザ。
真っ赤に色を補色に変換します。塗りつぶされたレイヤーを選択して上記ショートカットを実行。これだけで塗りつぶされた色の補色に変換されます。赤の補色なので、シアンになりました。
描画モードをカラーに変更
つぎに、塗りつぶされたレイヤーの描画モードをカラーに変更します。
補色となるレイヤーを重ねているので、赤とは真逆のシアン被りした画像となりました。
不透明度を調整・マスク
もちろんこれは、逆にシアンマックスという誰も幸せにならない状況なので、補色で塗りつぶされたレイヤーの不透明度を好みのところまで下げます。
だいたい2% ~ 10%くらいを目安に考えると良いでしょう。
今回は全体的に赤いので、そのままでも良いですが、気になる部分のみでマスクしても構いません。
気になるポイントをマスクした場合
赤いシーツ部分のみ彩度を変更してみました。
写真内に複数の高まりすぎた色がある場合も少なくありません。その場合は、箇所に合わせて複数カラーのレイヤーを作成しましょう。
Before/After
全体的にカラーを調整してみました。
描画モードはカラーにしなくても良い
今回は、一応描画モードをカラーにしましたが、不透明度をさげるので実はカラーにしなくても問題ありません。これは色や部分的なコントラストなどと合わせて、描画モードを切り替えながらベストな選択をすることをおすすめします。一応カラーにしておくと無難なのは確かです。
彩度を下げるのと何が違うのか
はじめに書きましたが、実はこのテクニックは彩度に限らず写真全体のトーンをニュートラルに戻すにも使えるテクニックです。アクションにしても良いですね。なので、ほんとうにただ彩度だけを調整したい場合は、気になる色の彩度を変更するだけで改善する場合もあります。ですが、気になる彩度のボリュームによっては、本テクニックのほうが効果的なケースもあります。他には、トーンカーブのRGBで輝度差を減らすというのが高まりすぎた彩度には有効な場合もあります。
状況に応じて選択しましょう。
ポートレートプリセットはこちらがおすすめ!
黒田明臣氏が手掛けたプリセットは、丁寧に調整された色合いとコントラストが高次元のバランスで両立されており、いとも簡単にあなたの写真をハイクオリティな一枚へと変身させます。あらゆるシチュエーションや光に対して、高い汎用性と柔軟性を兼ね備えております。
試してみてね
いかがだったでしょうか。他にもヒーコで色の調整の仕方など書いているので、そちらもみてみて下さいね!それではまたもつ鍋の季節に。