こんにちは。朱門(@shumonphoto)です。前回に引き続き今回も風景写真をシャープに仕上げる方法について説明したいと思います。
風景写真のディティールを全体や部分的に強調する簡単テクニック
はじめに
前回のおさらいですが、シャープネスは後処理だけで考えると大きく以下の3つに分けることができます。(詳しくは前回の記事)
2.表現としてのシャープネス:作品自体(部分・全体)のディティールを強調
3.出力別のシャープネス:Web用とかTwitter、インスタの解像度用や、プリント用
今回は2.の作品を全体的にシャープにしたり、部分的にディティール強調したりする場合のシャープネスのテクニックをいくつか紹介します。
さまざまなシャープネス効果
Photoshopのシャープ
Photoshopにも優秀なシャープネスフィルターが備わってます。特にアンシャープマスクとスマートシャープは使ったことがある人も多いのではないでしょうか?
アンシャープマスクとスマートシャープの使い分けですが、個人的にはアンシャープマスクは全体のシャープネスを上げたい場合、スマートシャープは輪郭のみを自然にシャキッとさせたい場合に使うと良いと思います。作品に部分的に使用するのはスマートシャープの方が適していることが多いでしょう。
アンシャープマスク
半径:シャープの影響を受ける輪郭周辺の幅。半径の値が高いほど、エッジの影響範囲は広くなる。
しきい値:周囲のピクセルとの差がこの値を超えると、シャープ時の対象となるエッジピクセルとして判断される。
スマートシャープ
スマートシャープは、更にノイズを軽減したり、シャドウとハイライトそれぞれで補正量を調整することが可能です。
ハイパスフィルター
以前、こちらの記事で説明したハイパスフィルターを使ったシャープネスを向上させる方法もあります。
Luminarのシャープ
Luminar3 pluginやLuminar FlexでLightroom/Photoshopからも使用できるLuminarのシャープフィルターです。
量と半径はPhotoshop等と同じですが、特徴としてハロー除去調整が可能です。
シャープネスやコントラストを上げ過ぎるとハロと呼ばれるエッジの白浮きが発生することがありますが、そのハロを抑制することができます。
AIを使ったシャープネス
TOPAZ Sharpen AIを使うと、AIで自動的に自然なシャープネス効果を得ることができます。多少のピンボケや被写体のブレなども低減できるので、長時間露光で微妙にブレた被写体を補正するのに重宝します。
その他
また、シャープ処理ではないですが、見た目上の解像感の向上効果が得られる機能も紹介しておきます。
明瞭度 (Lightroom、Luminar)
ミッドトーンのコントラストを向上させることで、見た目をシャキッとさせることができます。
マイクロコントラスト
マイクロコントラストを向上させると写真全体がぐっと引き締まります。
半径を大きめにしたアンシャープ効果をミッドトーンにかけるとマイクロコントラスト向上効果があります。
比較
こちらの元画像にそれぞれのシャープ効果を適用した画像の一部を100%で切り出して比較してみました。
それぞれ、設定パラメータによって効果が異なるのであくまでも一例として見てください。
好みもあると思いますが、スマートシャープが比較的に自然な印象があります。AIによるシャープ効果は驚くほど解像感が増してますが、不自然な部分もありそうです。
また当然ですが、明瞭度・マイクロコントラストはコントラストも変化してますね。
まとめ
今回は作品自体のディティールを強調したり、解像感を向上させるために使えるシャープネスをいくつか紹介しました。
沢山あってどれを使ったら良いのか分からないとなりがちですが、それぞれの効果に特徴があるので、シンプルなテクニックを1〜2個覚えて、普段はそれだけを使い、慣れたら他のテクニックも試してみるというのが無理なく使えて良いですよ。
それでは。次回は第3回でお会いしましょう。