ピントはどこに合わせるのが正解!?室内でも使える初心者が覚えておきたいマクロ撮影テクニック

皆さんこんにちわ。マクロ写真家の長瀬正太(@ShotaNagase)です。日に日に寒くなり、花も少なくなり、この時期はマクロ撮影はお休み~という方もいらっしゃると思います。ローアングル撮影で地面に座ったり膝立てたりするとじ~んと冷たさが伝わってくるのですよね(泣)かくいう私もこの時期はすっかりコタツムリになってコタツから出られない状態に(笑)

今回はそんな寒いのが大の苦手な筆者から暖かな室内で楽しめるマクロ撮影のご紹介です。
まずは一輪挿しや鉢植え、ドライフラワーなどでもいいので被写体を用意します。
そして室内では風もなく比較的自由に位置取りも出来るのでまずはピント合わせの練習から始めてみましょう。
そう、マクロ撮影にとって最大の壁は「ピント合わせの難しさ」という事は以前の記事でも語っておりますね。
しべの先なら先。花びらの先なら先。と自分の狙った所に狙ったようにピントが合わせられるように練習しましょう。

そして、ようやく「ピント合わせに慣れてきた!」という時にでてくる悩みが
「マクロ撮影の時にピントどこに合わせるのが正解ですか??」
ではないでしょうか?
ピントの合う範囲の狭いマクロ撮影では特に重要な点なので今回はその辺りを詳しく書いていきましょう。

ピントはどこに合わせるのが正解!?室内でも使えるマクロ撮影テクニック

ピント合わせの基本。

まずは基本として
花ならば(花の形状によりけりですが)

  • 一番目立つしべの先
  • 一番中央にある花びらの先
  • 一番レンズに近い花びらの先。

草や葉ならば、

  • 一番目立つ草葉の先
  • 目立つ草葉の葉脈の中央付近

昆虫や生物ならば、

  • レンズに近い方の目玉
  • レンズに近い方の触覚の先
  • 羽根の模様やその生物特有の外観

などにピントを合わせることが多いのではないでしょうか。
(状況により変わりますが多くの場合違和感がなく見られると思います。)

なぜそこに合わせるのか?

では、なぜそこに合わせるのでしょうか。
それは文中にも何度も「一番」ですとか「近い方」と出てくるように、そのマクロ写真の中で主役である被写体の最も目立つ部分だから。と言えると思います。

またボケを活かして撮影することが多いマクロ写真の場合、撮影者自身はもちろん、その写真を見た人に対し「これが主役なんだ。ここが主役なんだ。」とどんなにピントが合っている部分がわずかでもはっきり伝わる事が重要だからではないでしょうか。
ちなみに筆者はこんな感じで暖房器具の横でヌックヌクで撮影しております(笑)

※父が庭の山茶花を切り、母が生けてくれた一輪挿しを拝借

ピントをどこに合わせたら良いか迷ったら。

とはいえ、上記に挙げた例は全ての被写体、全ての条件で「正しいか?」と言われればそうではない場合もでてきます。
私自身も「この花は変な形をしていてどこにピントを合わせたら良いか悩むなぁ。」という事が頻繁に起こります。
そんな時の長瀬流のコツがこちら!

迷ったら全部撮る。

はい。もうあっちの記事でもこっちの記事でも何度も言っておりますが…何度でも言います。迷ったら全部撮る!!
もし5ヶ所のポイントで迷ったら5枚。3ヶ所で迷ったら3枚。
全部をまず撮っておきましょう。

撮ったら見る。見比べてみる。

そうして、どのピント位置が正解か分からずに撮影したデータを全て撮ったら見る事が大事です。
ピント位置の違う複数枚の写真をそれぞれ見比べる事により「もっとも自分の表現に適した1枚」を導き出すのです。
今回の山茶花の撮影ではTOP画像を含めて5ヶ所のピント位置で悩み、それぞれの写真を見比べてみた結果として
「花の中心からややずれているおしべに合わせるよりも中心に近いめしべに合わせた方が山茶花にピントが合っているという感覚が得られる。」
という事を感じて先出の1枚を選びました。

現場で「これ!」と答えを出す練習もしておこう。

そして、出来るだけ撮影しているその場で「これ!」という答えを出す練習も行っていきましょう。
写真教室や撮影会などでお話を聞いていると「見る事は出来るんだけどこれが良い!という1枚を選び出す事が苦手なんです。」という方は多いようです。
そういう方こそ、こういった室内での少し気軽な撮影で沢山練習をし選ぶことにも慣れていって欲しいのです。

良いシーンで「これ!」という1枚が撮れたことを自身で素早く判断出来ればそれだけ撮影もスムーズに進行しますし、良い被写体に出会えるチャンスも増えますから。

花を擬人化させて視線を意識する。

次に、より長瀬流として一歩踏み込んだアプローチ方法をご紹介。
写す花を擬人化させて考え視線を意識してピント位置を決定する。というアプローチです。

花は顔や頭、しべは瞳だと考える。

まず写真の中で花をどの程度の大きさとして写すかによっても変わりますが、茎から伸びる一つの花を顔や頭として認識、そこから見えるしべは瞳だと想像する考え方です。
そうするとどうでしょう。
花の傾き具合やしべの向きで「視線」が感じられませんでしょうか?
今回は分かりやすいオオイヌノフグリのマクロ写真を用意したのでご覧になってみて下さい。

青い可憐で小さな花が左上を向き、その視線の先にある小さな丸ボケを見ているように感じられませんでしょうか。
私のマクロ写真では、こうした視線や顔の向きを意識してピント位置を決めているものもとても多いです。

まとめ

では最後に今回の記事についてまとめてみましょう。

Q.マクロ撮影時にピントはどこに合わせるのが正解?

  • まずは主役である被写体の最も目立つ部分に合わせてみる。
  • 複数のピント位置で迷ったら全部撮っておく。
  • それらの写真を見比べ自分の表現に最も適した1枚を選ぶ。
  • 花を擬人化、視線を意識出来る位置に合わせる。


ここに合わせておけば絶対大丈夫!というような万能な答えはありません。
ですが、これらの事を意識して続けていけば自然と「ここにピントを合わせるのが私にとって正解。」と自分自身の答えが出せるようになります。
さぁ皆さんも寒い冬はポッカポカな室内でレッツチャレンジ!!

以前書いたマクロ記事はこちら

マクロ写真の世界とは

手持ちでも安心!長瀬流 マクロ撮影のコツ

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