こんにちは~。朱門@shumonphotoです。
今回は”コントラスト・マスク”と呼ばれるテクニックを使って、お手軽簡単に風景写真のRAW現像を行うテクニックをご紹介します!
コントラスト・マスクで簡単露出補正!Photoshopで風景写真をレタッチしよう
はじめに
”コントラスト・マスク??なにそれ難しそう。。”と思われた方もご安心を。
これまでヒーコで説明した “Blend-If”を使う方法や こちらの“露出ブレンディング”を使う方法よりもずっと簡単に露出調整が出来ちゃう便利な方法です。
こんな写真に使えます
まずはこちらの写真を見て下さい。
ご覧のとおり、明部と暗部の差が大きい(コントラスト比が高い)写真のため、通常は明部と暗部それぞれに対して露出調整を行う必要がありますが、
この写真に対してコントラスト・マスク適用すると…
このように全体的にバランスの取れた感じの露出調整が簡単に出来ます。
同様のことはトーンカーブや露出ブレンディングを使っても出来ますが、コントラスト・マスクを使うことで複雑なトーンカーブもブラシも使わずに一発で自然な露出調整が可能です。
コントラスト・マスク
コントラスト・マスクって何?
コントラスト・マスクとはその名のとおり、画像のコントラスト(明暗差)を利用することで露出補正するマスク(効果)のことです。
さきほどの例のような明暗差が大きな画像に対して適用することで、明暗差(コントラスト)を適度に抑えることが出来ます。
コントラスト・マスクを作る
コントラスト・マスクを作るのには複雑なテクニックは不要です。
手順を覚えてしまえば、簡単に作ることが出来ます。
では、さっそく試してみましょう。
RAWファイルを開く
まずは現像前のRAWファイルを開きます。
今回はコントラスト・マスクの効果をより分かりやすくするために、あえてLightroomやCamerarawでは露出調整をしていません。
背景レイヤーをコピー
次に背景レイヤーをコピーします。
レイヤーをコピーするにはCommand (Ctrl) + j ショートカットキーが便利です。
このレイヤーに Contrast maskと名前をつけておきます。
コピーしたレイヤーの彩度を落とす
“イメージ” -> “色調補正” -> ”彩度を下げる”からレイヤーの彩度を落とすことが出来ます。
同様のことがShift + Command (Ctrl) + u ショートカットキーでも行えます。(覚えると便利です)
レイヤーを反転する
メニューの”イメージ” -> “色調補正” -> “階調の反転”を選択し、レイヤーを反転させます。
ショートカットキーは Command (Ctrl) + I です。
ぼかし(ガウス)フィルターをかける
このままですと少々エッジがきついので、ぼかし効果で全体をぼかします。
スマートオブジェクトに変換する
後から微調整出来るように一旦、レイヤーをスマートオブジェクトに変換しておきます。
ぼかし(ガウス)効果をかける
次に、メニューの”フィルター” -> “ぼかし” -> “ぼかし(ガウス)”を選択し、効果を確認しながら少々ぼかします。
調整値は画像にもよって変わりますが、今回の例では60pixelにしています。
レイヤーモードを変更する
レイヤーモードをオーバーレイモードにします。
オーバーレイモードにすることで、輝度が明るい部分はより明るく、輝度が暗い部分はより暗くなります。
コントラスト・マスク効果の調整
レイヤーの不透明度を使って、コントラスト・マスクの効果を調整します。
比較
左がオリジナル画像、右がコントラストマスクを適用した画像になります。
また、トーンカーブ(逆S字)を適用した画像(左)と比較しても、コントラストマスクを適用した画像(右)の方がより自然な露出になっていることがわかります。
レタッチの復習
これまでのコントラスト・マスク作成手順です。
- 背景レイヤーをコピーする
- コピーしたレイヤーの彩度を落とす
- レイヤーを反転させる
- レイヤーをスマートオブジェクトに変換する
- ぼかし(ガウス)フィルターをかける
- レイヤーモードをオーバーレイモードにする
- レイヤーの不透明度を調整する
この手順をPhotoshopアクションとして保存しておくと、いつでもすぐに使えて便利ですよ。
まとめ
今回は “コントラスト・マスク”と呼ばれるテクニックを使って、明暗差(コントラスト)が大きな画像の露出調整をお手軽・簡単に行う方法を説明しました。
複雑なトーンカーブやレイヤーマスクを駆使することなく、お手軽に自然な露出調整が可能な方法ですので是非お試し下さい。
それでは。また。
おまけ
おまけ:さらに一工夫
今回説明したコントラストマスクを適用した写真に対して、前回までのチュートリアルで説明した、Orton効果とBlend-Ifを使って仕上げてみました。
色調などの微調整をした最終イメージはこちらです。