どうも、富久浩二(@tomhati)です。前回、前々回の記事もご好評いただいたようで、ホッとしています。結構、記事を書くのってドキドキするものですね。それでは、今回も僕がよく撮り歩く、渋谷という街のオススメスポットや切り取り方をご紹介していこうと思います。
正直、いっぱい良いところがありすぎて書き切れる気が既にしていませんが…どうぞよろしくお願いします。
ストリートスナップ好きは知っておきたい!5つの撮影ポイント in 渋谷 Vol.1
法則性を持たせる
これは、ハチ公前広場にある電車モニュメントの前から撮ったものです。
この写真、一見なんてことのない写真に見えるかもしれませんが、ある法則があります。
この赤マルを見てもらうと分かる通り、
- 色の同じバッグをもつ2人
- ガラスに反射した2人
この二つの偶然が重なっています。僕は、こういう風な二つ以上の法則を見つけるとシャッターを押します。これが、三つまで増えると、かなり面白い写真になることも多かったり。この時の撮影は、赤いカバンを持った男性が立っていたのが電車モニュメントのガラスに写っていることに気づいたので、あとは面白いもう一つのパーツが組み合わされば、と思って待っていたところ、同じバッグの女性がたまたま通りがかったというわけです。
単純にガラスに人がくっついて反射をしているものはよく見るけど、ガラスからここまで離れていて写り込んでいるっていうのはあまりないからその点も好きなところかな。
一つのパーツを見つけたら、それにハマるピースを待つ、というのがスナップでは重要かもしれませんね。
「声」でシャッターチャンスを「予想」する
この写真は撮ろうと思っていたわけじゃなく、交差点で待ってた時に後ろから「きゃー!」という声が聞こえて、その時点で何が起きるか分からないけど「猛ダッシュで走り抜けていく」ということだけ分かったんですよね。
そこで、普段はあまりしない連写を押しっぱなしにしてみて、何か映るかなとやってみました。そしたら想像以上に、良い瞬間を切り取ることができました。
この瞬間から分かる情報は、
- 右側の女子高生が空中に浮いてる=大股で全力で駆けている。
- 「右手と右手」で手を繋いでいる=それだけ慌てている。
ということです。
街撮りでは音が重要
僕が待ち撮りをする時は、かなり音を気にします。先ほどの写真のように「きゃー!」とかバタバタッといったような足音だったりが聞こえたら即反応できるように、ずっとカメラの電源をONのまま神経をはっています。
ずっと電源をONにしているとバッテリーも減るので、バッテリーを3個持っているようにし、1個くらいは常にバッテリーを付ける為の犠牲と思うようにしています。
- 二つ以上の偶然性を発見したときにシャッターを切る。
- 音でシャッターチャンスを予想する。
光の反射を狙う
これはまた別日に、雨の日の電車モニュメント前で撮ったものです。
雨に濡れた電車に、電光掲示板の光が写り込んで昼間とは全く違った世界を作り出しています。ここで渋谷の良いところが、夜でも街の明かりで暗くならないので、明るいレンズ(F値の低いレンズ)だったらライトがなくても余裕で撮れる点です。それが、雨の日だと光が多い分、反射も多く、面白い写真が撮れたりします。
あえて人物をぼかすことで感じさせる物語
上で紹介した写真、後ろボケで見える傘を持った女性は人を待っていて下を向いていました。前からおそらく待ち合わせ相手であろう男性が歩いて来て、それに気づき顔を上げた瞬間を切り取りました。ボケてはいるけど表情・心が見えてくる瞬間だと、写真が「止まっているだけの世界」ではないその先を感じるものになるかなと。
微妙な違いですが、これが全く違うんですよね。女性の表情にピントを当てず、水滴の方にピントを合わせているのは、こうすることで想像の余地を与えられると考えています。意外性のあるピント位置の方が、写真を見た人にいろんな想像の余地を与えられると思っています。
昼間に撮った雨の渋谷
雨が降った昼間の電車モニュメント前で撮ったバージョンがこちら。これはSONY RX0という防水の小型カメラで撮影。水の中にカメラを入れています。
水がピンクなのは、電光掲示板の光を反射しているからです。昼間でも反射の効果は出ていますね。かがんで撮っていたら、ずぶ濡れになるし怪しすぎるので、携帯でカメラ画面をみながらリモートで連写して撮っています。
- 街の灯りが反射しているポイントを探す。
- ピントの位置でストーリーを想像させる。
パターンによる絶妙な違和感
横断歩道と人が生み出す絶妙な違和感が良い
これも超広角レンズで撮影した写真。横断歩道の横線と、前にいる人が被っている帽子の縦の線が、なんともいえない絶妙な違和感を生み出している1枚。
撮り方としては、超広角で高い位置から他の人が入らないように調整して撮影。なるべくシンプルに、見せたいものだけが写るように調整します。
これを撮ろうと思った流れは、まず横断歩道の前に座っている人物の帽子にある「縦の線」に気づいて、それを「歩道橋の中の線に埋め込もう」と思い、そう見える位置を探して調整という感じ。最初からこの景色が見えていたわけじゃないけど、自分の発想次第でこういう写真も撮れるので、スナップは面白いです。
- 面白い被写体を見つけたら、被写体が際立つ構図を探す。
渋谷ストリートスナップまとめ
「法則性を見つける」こと
- 複数の要素が重なったときにシャッターを切る
- 音でシャッターチャンスを予想する
- 瞬発的な動きのある被写体に対応するため場面によっては連写モードに設定する
- 街の灯りが反射しているポイントを探す
- 雨の日はリフレクションが強調されオススメ
- 意外性のあるところにピントを合わせることで、物語を感じさせる構図を作る
- 被写体と背景との違和感に注目する
- 主役が被写体と分かるよう強調される構図を探す
- 超広角の撮影ではなるべくシンプルに見せたいものだけに絞る
人も建物も活発な街、渋谷
冒頭でも書きましたが、やっぱり渋谷について書き切ることが出来なかったので、今回はここまでで終わりとさせていただきます。文字を打つのはあまり得意じゃないのですが、また好評であれば続きも書いてみようかなと思います。
渋谷はよく皆さんも撮られている場所かと思いますが「あ、こんな撮り方もあったのか。やってみよう」と思ってもらえたら嬉しいです。もし、直接教えてもらいたい!などあれば、僕個人のやっている教室にでも来てもらえればと思います。
では、そろそろスナップを撮りに行きたいので…またいつか。