最初に抑えておきたいRAW現像のいろは。LightroomとPhotoshop 初心者の方へ

Lightroomは使ったことがあるけどPhotoshopの使い方がわからない。Lightroomが便利って聞くけどよくわからない。レタッチって何を始めたら良いかわからない。ビギナーの方とお話する機会にそんな話を聞いたりします。そもそも現像・レタッチってなにをするの?というのを説明するにも、順を追っていかなければいけないなあと。今回は、きほんの「き」を少し解説してみます。

はじめにLightroomとPhotoshopとは

アドビから発売されている写真用のソフトウェアであり、おそらく画像加工のスタンダードになっているLightroomとPhotoshopの二つ。Lightroomは基本的に現像・管理用のソフトウェアで、Photoshopというのは画像加工用のソフトウェアという位置づけです。
とにかく色々な事ができるので、この種別に限らず他にも色々な使い方がされていたりもしますし、Lightroomで各種レタッチ、Photoshopで現像もできたりするのでややこしいですね。まあそれは物は使いようということで。基本は現像と管理に特化しているのがLightroomで、レタッチに特化しているのがPhotoshopと思っていただければ良いと思います。

現像とレタッチ

そもそも現像とレタッチって何?何が違うの?という疑問もごもっとも。
ここは意見の分かれるところなので、簡単な説明にとどめておきますがデジタルにおける現像というのは、ざっくりRAWデータを一般的な画像フォーマット(JPEG, TIFF, PNG)など、汎用的に閲覧可能なデータにすることです。
なので、「JPEG撮影された写真データを現像する」というのは、ちょっとおかしい話になります。
が、LightroomでJPEG画像を編集することも可能だったりするのでややこしかったりするのですね。

現像前後

こちらの写真は、Lightroomのみで現像を行った写真。

イメージに近づけることが大切

個人的には、言葉の違いは気にせず「何をするか」という具体的な点に着目していったほうが良いかなと思います。
フィルム時代でいうと撮影したネガを可視化すること。今日におけるデジタル時代では、RAWデータというイメージセンサーが取得した情報(これは画像データではない)を、一般的な画像フォーマットに変換することといったところです。
そして、レタッチというのは撮影されたデータがどのフォーマットであるかに関わらず、編集をほどこして自分がアウトプットしたいイメージに近づけるというコト。
なので、現像時にレタッチ処理を行うというのはフィルム時代からあったことで、言葉に振り回されてはいけません笑
何をするか」そこが大事!
人によって現像と・レタッチの定義があったりして、それに基づいて話が進んでいたりするので、わからない場合はあまり気にせず「何をしたいのか」「何ができるのか」を具体的に考えることをおすすめします。

明るさの補正と色の補正

本題です。
現像でもレタッチでもよいのですが、画像編集を行うにあたって基本となるのは、明るさの補正色の補正です。
他にも、合成処理や部分補正、肌レタッチなど、いわゆるレタッチ的な編集内容はあるのですが、まず基本はこの二つにあります。
そして、これらは相互に関係しあっているので完全に切り離すことはできないのですが、ワークフローを分類するにあたって大きな指標にはなると思います。

普段LightroomやPhotoshopで行っている作業も、このいずれかにあてはまっているのではないでしょうか

明るさの補正

明るさというのは本来、露出補正と言われるような撮影時にシャッタースピードや絞り、ISO感を調整することで明るさを補正する作業です。
しかし露出補正明るさの補正と言っても実際、撮影後に写真全体のシャドーを部分のみ明るくしたいとか、コントラストを調整したいとか、ハイライトをもう少し下げたいとかいう気持ちが生まれますよね。
それを、現像・レタッチ含むPost Processing、つまり後処理として行うことをここでは指します。

Lightroomでいう、基本補正の項などです。

明るさの補正のみ行った写真

例えば、こちらの写真は、明るさの補正のみ行った状態です。
露光量を少しあげて、コントラスト、そしてトーン別の補正を行うことでイメージに近づけています。

色の補正

色の補正というのは、写真の色合いを意図的に変更することを指しています。
特定の色を変えたり、全体的に明暗別補正を行ったりがこれにあたります。
色調補正という言葉もありますが、こちらはPhotoshopのツールでいうと明るさの変更をするツールも含まれています。

LightroomでもPhotoshopでも、様々な方法で色の補正は行なえますね。

色の補正のみ行った写真

こちらは色の補正のみを行った状態。
パープルよりの花に少しピンクを好みの色合いに調整しています

注意点

明るさを変えれば色も変わる。色が変われば明るさも変わる。
これが今回説明するのに難しい点なのですが、露出を変えるとそれによって彩度や色合いにも若干の変化が生まれます。
そして、色調を補正すると、輝度にも変化が生まれるため、若干ながら見た目の全体的な明るさも変わったりします。
なので、厳密に言うことは難しいのですが、あえておおざっぱに言うと明るさを補正しようとすることを明るさの補正や露出補正、色を補正しようとする事を色補正や色調補正と考えていれば特に途に迷うことはないと思います。

露出補正と色調補正でよく使うツール。

LightroomでもPhotoshopでもソフトウェアは使いようなので人によってそれぞれ各種ツール、機能の用途は異なる可能性もあるんですけど、個人的な用途としていくつか露出補正と色調補正で使用しているモノをご紹介します。

Lightroomについて

Lightroomは現像に特化したソフトウェアであると同時に、撮影した画像の管理ソフトとしても強力な機能を備えています。
個人的には、それがあるからLightroomを利用していると言っても過言ではありません。
と言っても、もちろん機能的に現像ソフトとしても必要十分な機能があるので愛用しています。

Photoshopについて

Photoshopでは、Lightroomと比べると数倍の機能がありますが、いわゆる一般的な写真加工で使う機能は限られていて
全てを網羅する必要は特にないと思っています。あくまで自分の表現に必要な事ができれば良いので。
(機能を知っていれば、それによって生まれる発想というのもあるのですが。)

Lightroomに比べると、レイヤーによる作業やマスク作業がやりやすいというのが特徴。
その他にも細かい部分処理や演算を行うには便利ですね。
やれる事の幅一気に広がりますが、今回取り扱った明るさと色についてはそこまで大きな差はありません。

明るさの補正

Lightroom

  • 露光量
  • コントラスト
  • ハイライト
  • シャドウ
  • 白レベル
  • 黒レベル
  • トーンカーブ

Photoshop

  • レベル補正
  • トーンカーブ
  • 明るさ・コントラスト
  • 露光量

色の補正

Lightroom

  • 自然な彩度
  • 彩度
  • トーンカーブ
  • HSL
  • 明暗別

Photoshop

  • 自然な彩度
  • 彩度
  • トーンカーブ
  • レベル補正
  • カラーバランス
  • グラデーションマップ
  • 特定色域の選択
  • 色相・彩度

一部、明るさの補正と色の補正の両方に記載されているツールがありますが、これらはいずれの場合にも利用できるモノです。
ですが、このあたりもコツがあるのでそれは別途。
参考にしてみてください。

まとめ

明るさと露出の補正を行ったあと

これはLightroomで出来る範囲の調整ですが、明るさも色も大きく変わっています。
とくに部分補正はしていないので、簡単な内容ですがそれでもガラッと変わりますね。
Lightroomを買ったけど何をしたら良いのかわからない。という人は、この二つをそれぞれ意識してやってみると良いのではないでしょうか

今後もうすこし具体的な項目にも触れていきたいと思います。

RAWデータとは

RAWデータというのは、イメージセンサーに送り込まれた光の強さをメーカー独自のフォーマットで保存したモノです。
つまり、本来画像として表示することはできません。
カメラのディスプレイで表示されているデータは、実際カメラ内で現像されているだけですし、純正の現像ソフトウェア、ビューワーソフトなどもプレビューとして表示しているにすぎません。
実際、我々が普段使っている画像にするには、デジタル現像が必要になります。
その代わりに、色々な補正を非破壊で行うこともできるというのが強みですね。
単にレタッチ耐性が強いと覚えてしまうとちょっと意味が違ってきてしまいますのでご注意。

例えば、RAWデータをFacebookやTwitterにアップロードしようとしても表示されないですよね。
それはTwitterやFacebookではなく、RAWデータを解釈可能なソフトウェアでなければ表示できないからなのです。

露出とは

露出と言うと、厳密にはセンサーに露光することを指すので、純粋に明るさの変更ではなかったりします。
なので、露出補正としてRAW現像時に露光量を変更したりする事を指すことはありますが、前述したような明るさを変更することにより彩度が変更されたり、色の明度を変更すること(色調補正)が明るさをあげる事にもつながるので、その点を理解しておくと良いと思います。

PhotoshopでのRAW現像

Adobe Camera RAWというPhotoshopの機能によって、Lightroomと同等の操作も可能ですが、これはPhotoshopで行うことも可能なので、あまり気にする必要はありません。
画像管理も含めるとLightroomで行えば一石二鳥ですね。
特にいまのAdobe Creative Cloudでは、LightroomとPhotoshopが合わさって月1,000円という破格のプランもありますからね。

以上、少し初心者向けの内容ですが、もう少し進んだ内容を次は取り扱ってみたいと思います 🙂

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