風景写真RAW現像のポイント!設計図を作って初心者脱却!

今回は、前回ご紹介した内容の「イメージ=設計図」について書かせていただきます。ACE(@lapho_jp)です。

RAW現像を始める方へ!設計図を作って初心者脱!

まず始めに、前回の記事を未読の方は以下よりご拝読ください。

RAW現像するその前に!イメージを持つと風景写真が劇的に変わる。

コラム

設計図の必要性

「今回はRAW現像のテクニックを教えてくれるんじゃないの???」って思われる方もいるかもしれませんが、RAW現像を行う上で、設計図を意識する事は自身の経験の上でも、とても重要な事だと思っています。
皆さんもRAW現像を始める際は、当記事の内容を是非参考にしてください。

例えば何か物を作る時に1番大事な事は何だと思いますか?それは設計図です。
大工さんが家を建てる時や子供の頃作ったプラモデルにも付いていた一番大事なものです。

私もRAW現像始めた当初は、様々なテクニックを勉強して「さぁ現像するぞ」と作業を開始した時に、どの部分にどのテクニックを利用すれば良いのかが全く分かりませんでした(汗)

いつも漠然とRAW現像を行っていたため、伝える写真を作り出せず悩んでいたのですが、RAW現像の設計図に沿って明暗差をコントロールする事で、以前より格段に伝わる写真に生まれ変わりました!
明暗差をコントロールすることが「伝わる写真」の重要な要になるため、今回の作例では変化のわかりやすいモノクロ写真を選びました。ニュージランドのモエラキ海岸で、インパクトのある岩が多く並んでいます。

設計図の作り方

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まずは、写真に写っている被写体をバラバラに解体します。1枚の写真を見ていきなり全体を完璧にイメージすることは難しいため各パーツで考えることが習得する早道になります。

① 丸岩
② 丸岩左
③ 背景の山
④ 空
⑤ 海

こんな感じで、各パーツに分ける作業が始めの1歩です。そしてそのパーツごとに意味のある現像処理を加える必要があります。コレが設計図を作る事になります。

今回はあくまでもRAW現像の基本的な考え方について説明しています。海外の写真などは、応用テクニックを利用し、さらに明暗差を繊細にコントロールしている写真も多くありますが、まずは基礎から覚えて行きましょう。

各パーツの考え方

① メインの被写体

右側に1列に並ぶ岩の手前3つがメインの被写体になります。なぜコレをメインにしたか?岩の持つトーンや形、配列がとても綺麗だったので、メインの被写体にして撮影しました。

通常一番明るい部分がメインの被写体になります。※太陽や空のハイライト部分などを除く。皆さんが撮影をする際も、メインの被写体に光が当たる瞬間を待つ、なんて場面もあるかと思います。基本はメインの被写体に光が当たっている(明るい部分)場面を撮影することが多いかと思います。さらに突き詰めると光の当たる角度や周りの整理など色々とありますが、今回は基本なので、一番明るい部分がメインの被写体とだけ考えてください。

② 丸岩左

これは、右の岩と比べて割れているインパクトがある岩になります。コレを前景にしメインの被写体と対比関係で、見せたいと思い撮影したのですが、少し大きすぎて、インパクトが強かったため少しアンダーに仕上げて、存在感をなくしています。そう暗い部分は無視され明る部分は視界に入りやすいのが「人の思考」です。そして面積も重要で、少し大きいため強めのアンダーに仕上げています。

③ 背景の山

アンダーに仕上げて背景が主張しないようにしています。この背景を明るくしてしまうとメインの被写体の存在感をなくしてしまうからです。また遠景のため初めからディテールが無いので、明暗差だけ気をつければOKです。

④ 空、⑤ 海

空や海は、ディテールが無いため、明るめに処理を行ってもあまり存在感はありません。また光が強い部分が明るくなりすぎるとメインの被写体の存在感をなくしてしまうから注意が必要です。でもアンダーにし過ぎることは、NGです。何気ないように思うかもしれませんが、空のハイライトはとても重要です。写真には、光が大事だと言われていますが、その光の元になる部分なので、上手く階調を持たせて、仕上げることが大事ですね!

シャドー部分は、簡単に階調を持たせて綺麗に仕上げることは出来るのですが、ハイライト部分は、とても繊細なので、上手く階調を持たせて仕上げることが難しい部分でもあります。ハイライトを制するものは、RAW現像を制するとも言えますね。

明暗差で仕上げるテクニック

トーンカーブがとても有効なテクニックの一つだと思います。そしてマスクを利用して、部分的に効果を適用することで、明暗差をコントロールすることが出来ます。その他にも多くのテクニックがありますが、今回は「イメージ=設計図」の考え方なので、各パーツに分けて、どの様に考えれば良いかを書かせていただきました。

まとめ

すべての光をコントロールして撮影できている場合は、RAW現像はとても簡単なのですが、コントロールする事が出来ない場合も多くあります。そんな時はRAW現像の設計図を意識しましょう。
自身のイメージを明確にする事で、今まで以上に伝える風景写真に仕上げることが出来るでしょう!

そして設計図を意識する事は、撮影や構図の考え方も同時にスキルアップさせてくれます。
なぜなら、いくら様々なテクニックを使ってRAW現像をしても、自身のイメージ通りにならない場合があります。
そんな時にはきっと「次回の撮影の時には○○○を考えよう」といったイメージが自分の中に出来てきます。
また、いろんな方の風景写真を見る時も上記の様な考えで、どんな設計図から写真が仕上がっているのか想像しながら写真を読み取ってみて下さい。
良い写真は、必ず明暗差と構図のテクニックが入っています。

そのテクニックを理解することが出来れば、自分が撮影する時にも利用することが出来るからです。
「理解できないことは利用することは出来ない」けど理解できれば簡単だと思います。

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