小山一成 | MY PERSPECTIVE
プロフィール
小山一成
1959年生れ。少年時代に目にした多くの報道写真から写真に興味を持ち、下積みを経て広告写真のカメラマンとして活動を始める。スタジオで30年を過ごした後、3DCGの世界へ転職。その後、東日本大震災をきっかけに風景やドキュメントを表現する写真家に回帰。表現をしない表現者、一種のプロセッサーとしての役割となる写真家を目指し写真家として活動中。
7つのキーワード
被写体
被写体に対して、「自分の外側にあるもの」という感覚が自分にはありません。いかにその空間・人に馴染み溶け込めるか、常に自分ごととして捉えて撮影しています。
機材
PCはMac Book ProとMac Pro、モニターはEIZO-CG276を使用しています。これらは自分にとっての心臓なので欠かせない大切なものです。
撮影に欠かせない機材が車です。必要な時に必要なタイミングで必要な場所に移動する。移動の最中にアイディアもわいてきます。今の車は20年選手で25万km走りました。今でも気に入っているまさに相棒ですね。次の相棒を探さなければ、という想いもありますが、月に3000km走った時もありますし、被災地にも何度も向かった相棒なので愛は尽きません。
理由
でも、結果として一度キャリアを変えたことで、データの処理や人との接し方、仕事への向き合い方など、当時の経験と知識は、今の写真に活かされて、自分の売りのひとつになっています。昔はテクニックや自分のエゴをいかに通すか考えることもありましたが、今では相手の要望を汲み取り、フラットな気持ちで向き合えています。そしてその写真で、誰かが褒めてくれる、喜んでくれる、その反応が自分の原動力でもあります。その誰かは、クライアントであったり、メーカーの方であったり、時には岩手(被災した)の漁師さんだったり。自分の写真を必要としてくれる方たちがいるので、今写真を続けることができています。
理想
そのためには技術だけで撮ってもコンセプトだけで撮っても辿りつきません。制作者としてのエゴと魂胆と企画と表現のバランスを探りながら撮影しています。多分それは広告カメラマンが長いから考えることで、作家としての写真家を目指してはいないからできることだと思います。初期に憧れた報道写真にも通じる最高度の技術を駆使しつつ、一見事実を只撮影していて、でもその写真で人の心を連れて行く事がカッコいいと思います。
発信
ただ、仕事の写真じゃない、例えばサーフィンしている時にGoProで上手く撮影できたら自慢したくなるし、反応ももらえますよね。実際にあった話ですが、震災当時避難所の食材が尽きかけた時があったんです。その事態を写真付きで投稿したらあっという間にフードバンクの方につながり、食材が届いて難を逃れたこともありました。SNSのように完成されたプラットフォームを誰でも利用できて、そこにあげた写真に対して反応がもらえたり、メッセージを届けることができたり。その環境があること、また仕事と関係ない写真を見てもらってそのように反応がもらえることは素晴らしいと思います。