ポートレートライティング撮影!スタジオで作品撮りをする時に意識するポイント。

はじめまして、フリーランスのカメラマンをしています松元和眞(@ka_zma_)です。普段はファッション撮影を中心に撮影しています。

今回は私自身が作品撮りをする際に考えていることや、気をつけているポイントなどについてお話しさせていただきます。

ポートレートライティング撮影!スタジオで作品撮りをする時に意識するポイント。

スタジオでの撮影を始めたきっかけ

まずはスタジオで作品撮りを行うようになった経緯からご紹介します。

私の前職はスタジオマンでした。ですが、退職以降ライティング撮影はあまり行わずただ漠然と「いつかファッション系の撮影をしたいな」と思っていました。そんな時に、偶然カフェで知り合った方がヘアメイクをされている方で、一緒に作品撮りをしようと意気投合したのが、スタジオ撮影を始めたきっかけです。

最初は失敗の繰り返しで中々思い通りにはいきませんでしたが、最低でも月に1回は作品撮りをすると決めて行なっていたところ、光の質などをより理解することが出来るようになりました。それから徐々に自分の表現したい光やそれに伴う肌の質感、衣装のディテールを、イメージした形に表現出来るようになったのです。

今でも月一の作品撮りはずっと続けており、まだまだ勉強中です。

スタジオマンとは、撮影用のレンタルスタジオに常駐するスタッフで、主な業務としては当日撮影するカメラマンの指示通りのライティングを組み撮影中はライトの調整からセットに至るまで、撮影の全般をサポートする仕事です。

ライティング撮影機材

主に普段使用している主要なライティング機材はこちら。

ストロボ

  • Godox AD300pro
  • Godox AD200pro

アクセサリー

  • アンブレラ 150cm
  • アンブレラ 110cm
  • ソフトボックス オクタ 120cm

スタジオ撮影のメリット

スタジオ撮影のメリットしては、ライティングをしっかりと考えることによって、天候、時間帯が関係なくなるところです。

光にはざっくり2種類「硬い光」と「柔らかい光」があります。

硬い光

硬い光

例えば、日中の雲ひとつない青空で直射日光が当たる場面だと影がはっきり出るかと思います。それがいわゆる「硬い光」です。

柔らかい光

柔らかい光

しかしそこに雲がかかることによって、太陽光が雲によってディフューズ(光が拡散されること)されて影がなくなる、もしくは影がぼやけていきます。それがつまり「柔らかい光」です。

光の調整が可能

ライティングでは、アクセサリーを装着したり、光の当て方によってコントロールすることができます。

遮光して環境光の入らないスタジオでこのことを理解してライティングに挑めば、雨の日でも晴れた日のような光が作れますし、夜でも朝方の柔らかい光を再現できます。

スタジオ選びで気を付けているポイント

「スタジオレンタルして撮影したいけど、どう選んでいいかわからない」という声をよく聞くので、自分なりのスタジオを選ぶ際に基準にしていることを何点か挙げてみます。

自然光・遮光に注目

実際に撮影する際、自然光をメインに撮影する場合も多くあります。そういった時には何時にどの程度の光がスタジオ内に入ってくるのかを調べて選ぶことが多いです。

以下2枚の写真は、同じ日の同じスタジオで自然光にて撮影したものです。時間帯によって入ってくる光を把握しておくことで、より最適な光で撮影することが出来ます。

また、完全にライティングで光を作る際には、この自然光が不要になる場合もあるので、その際に遮光カーテンや暗幕などで自然光を入ってこないようにし「全暗」を作れるかもスタジオの選考基準にしています。

ライティング機材や小物の有無

ここもスタジオを選ぶ際に重要な要素になります。ライティング機材に関しては自分で持ち込むことも多いのですが、スタジオによっては機材を一式レンタルしてくれるところもあり、その場合はカメラだけ持ち込めば撮影することができます。その他にも、人物の全身などでも使える大きなレフ板(カポック)や椅子代わりにも使えるサイコロといったスタジオではよく使われる白い立方体もあったりします。

備品であると嬉しいのが、ブロワー(送風機)。これは撮影の際にモデルの髪や衣服などに動きをつけることが出来るのでおすすめです。

上の写真のようにブロワーを入れることによって写真に動きがつき、空いている余白を埋めることも出来るのが見て取れるかと思います。

スタジオ選びで注意したいこと

スタジオを借りる際に撮影場所として使える広さ、引きの距離はかなり重要になります。

実際に入ってみると引きができるスペースが足りずに全身の撮影が出来ないなんてこともハウススタジオだとたまにあります。

スタジオのホームページ等にサイズや内観が載っているところも多いので、必ず確認したほうがいいでしょう。

撮影の際に気を付けているポイント

自分1人の作品撮りではない

スタジオというのは関係なく前提としての話になりますが、私自身撮影をする際にヘアメイクやスタイリストの方とご一緒することがほとんどです。モデルの方は勿論のこと全員で作品を作り上げているので、自分1人ではなく他の方の意見も聞きながら撮影しています。

過去に似たような撮影をしていないか

撮影を重ねていくと以前に撮影した写真と全く同じようなものがあり、後からもっとこうしておけばよかったなと思うこともあります。

毎回撮影の度に次回への課題を見つけるのはとても大切なことなのですが、折角の作品撮りなので、過去にやったことのないライティング等をするようにしています。

作品撮りは極端に言うといくらでも失敗出来るものなので、そこから学びを得るために、新しいことに挑戦しています。

作品撮りのこだわり

作品撮りでは肌の質感、衣装のディテール、メイクの色味をより綺麗に見えるようにいつも試行錯誤しながら撮影してます。

例えばこの写真では肌の質感、衣装の色味、生地のディテールを引き立たせるために硬めの光でライティングしています。

このように何を見せたいのか、どういった世界観にしたいのかを軸に撮影しています。

そのためにも事前の方向性やコンセプトをしっかりと組むことを意識しています。撮影中もその軸がぶれないようにコンセプトにあった参考資料を準備して確認しながら撮影をおこなっているほどです。

アドリブで撮影することも多いですが、まずは事前に撮ろうと決めたものを撮影してから残りの時間でいろいろ変えて撮影することで、必ず押さえたいものがちゃんと押さえられて、かつチャレンジもできるといった良いスタイルになっています。

今後取り組みたい撮影

今後はより世界観にこだわった撮影もしていきたいです。例えば1960年代のテイストで撮影するのであれば衣装やメイクは勿論のこと、セットを作り込んでの撮影もしていきたいと考えています。

小物一つ一つからこだわることによって、より作品としての厚みを持たせることも出来るので、その辺りも積極的に取り入れて撮影していきたいところです。

スタジオ作品撮りまとめ

いかがだったでしょうか。

私は、カメラマンとして活動していく上で作品撮りは必須だと思っています。スタジオやロケなどそれぞれの作品撮りがあると思いますが、スタジオでの撮影をしたことのない方には是非挑戦してもらいたいです。

実際にストロボに触れることで、写真の表現の幅も広がり、新たな発見も多くあると思います。私自身もこの作品撮りはずっと続けていきますので、ぜひ今後も見ていただけると嬉しいです。

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