こんにちは。カステラ愛好家兼フォトグラファーの杉本(@Sugimoto_Yuya_)です。
「クオリティへの道標、あなたの写真が主人公になる魔法のLightroomプリセット」と銘打って発売された黒田氏の新作プリセット。
その凄さは #あきりんプリセット のタグをTwitterやInstagramで検索するとわかると思います。
「あなたの写真を黒田氏の様な写真に変える」ではなく、「あなたらしさを主人公にしたまま、美しい仕上がりを実現する」プリセットになっていることが感じていただけると思います。
そんな待望の新作プリセットですが、二年前のプリセットに続き今回も発売のお手伝いをさせて頂きました。
じっくりガッツリプリセットに触れたので、感想を通して、徹底レビューをしていきます。
プリセットを活用した写真編集レビュー
役者がテーマということで、プリセットは名優のお名前がベースになっています。プリセットに込めた想いは、黒田氏本人が書いた記事がありますので是非ご覧ください。
今回は 「Hungry Preset」と「Noble Preset」の二つのセットが用意されています。
まずはHungry Presetから。
Hungry Preset
Hungry Presetはあなたの写真を新天地に導く、写真の秘めた可能性を引き出すパッケージです。
- Day Lewis
- Nicholson
- Pitt
の三つからなるセットです。
Day Lewis


ナチュラルな色に仕上がりつつも、曇りの日の微細な光をしっかりとらえています。
黒田氏本人も全ラインナップの中で最も基本的なプリセットで、高い汎用性をもっていると語っています。
「少しドラマの足りない時に」の言葉通り、曇りの日のフラットな光でも気持ちの良いコントラストと立体感を手にすることができます。
また、黒田氏のプリセット全般に言えることですが、あらゆるパラメータを動かして緻密に組み立てるというプリセットではなく、むしろ必要最低限の工数でここにたどり着いています。
これはこのあと、僕たちプリセットの使用者が、好みの調整をプラスできる余地があることを示しています。
どこまでも写真に優しいプリセットで、迷ったらDay Lewis!というくらいに使いやすいです。
ちなみにあと一つポイントがあります、一見すると目立たないですが、この緑の色彩が絶妙にコントロールされています。緑は写真を撮る上で常に付き合う必要のある色ですが、実はコントロールが難しい色でもあると思います。
この絶妙なカラーリングはみなさんの写真をさらに輝かせる重要なアクセントになると思います。
Nicholson


Nicholsonは世界を七色に輝かせるプリセットです。光が綺麗で、淡さが表現されていますね。
黒田氏が花の中でモデルを撮影しているイメージがあまりなく、こう言ったシチュエーションは想定の範囲外だったりするのかな?と思いつつ当ててみたら一発でこうなりました。感服です。
コントラストが丁寧に調整されていて、とは言えシャドウの引き締まる部分は残っていますので、淡さとメリハリが共存してくれています。
自然の中で撮る写真は昨今特にSNSで良く見られますが、先ほどの紫陽花、こちらの桜と花の色も緑の色も、場所や花の種類、天気の影響などで様々です。
しかしハングリーに含まれる二つのプリセットはこう言った人工物の少ない、自然なものの質感も美しく表現することができる様です。
またDay LewisとNicholson、どちらもハイライトが強烈な輝きになるほど強調はされてないけれど、光をちゃんと感じることができる、抜群の塩梅を実現してます。
Pitt


Pittは今回のセットで唯一のモノクロプリセットです。
ただし、モノクロにしたいわけではなく、白黒はっきりさせたいプリセットとのことです。モノクロ事態は、白と黒で表現すれば定義として条件を満たすことは容易いですが、実際には非常に奥深い世界です。
「モノクロなんてほとんど変わらないのでは?」という人にそこ使って欲しいということで、僕はあまりモノクロ表現を日常的に行わないのですが、恐れず使ってみました。
プリセットを適用後、少しだけ露光量を下げました。
今回の全てのプリセットは露光量が調整されていないので、適用後に調整すると任意の明るさにできます。
白黒はっきりさせると書いてあったので濃いシャドウとハイライトの部分をアップにしてみました。光の当たってる部分と黒の表情が綺麗に表現されています。
そして、中間になるグレーの階調も丁寧で波間の無数にある表情もしっかり残っています。「白黒はっきり」と言いつつも、白と黒の間にある階調を損なっていないことがわかると思います。
Noble Preset
こちらは繊細な派生が用意されたパッケージです。
- Gosling
- Gosling Noble Tone
- Gosling Crazy Blue
- Gosling Blue Mania
- Malkovich
- Malkovich Yellow Monster
GoslingとMalkovichの二つのプリセットと、その派生で合計6つのプリセットがセットになっています。
Gosling


Goslingは黒田氏が究極と表現したプリセットです。非常にプリセットの適用が難しいシーンを使って試してみました。
ハイライトを中心に全体が明るくなりつつ、黒の上品な階調は秀逸です。
また、最近は様々なフィルターが流行しています。この写真も強めのクロスフィルターを使用していますが、問題なく機能しています。
写真の持つ個性が強調されつつ、無理のないコントラストでまさにシチュエーションを選ばない究極を具現化したプリセットになっています。
こちらは露光量を上げて、黒レベルを少し下げた例になりますが、直感的に調整を加えても問題ありません。濃すぎるプリセットでは、いじりすぎていて、ちょっとの調整もままならないなんてこともありますが、そう言った点も心配なく、自分でアレンジを加えることが可能です。
Gosling Noble Tone


Goslingをベースにハイライトにブルーを添えた大人なアレンジバージョンです。Goslingより少しだけ強い輝きで、上品な仕上がりになります。
緑の色を目に痛くない塩梅に整えてくれています。また空の色も濃くはないけれど、特徴的でバランスが良いです。
光の色が少し青に振れるので、夕陽の入り口の様な時間だと自然光との調和を楽しむこともでき、時間を選ばず使える頼もしさもあります。
どこかの色はもう少し濃くしたいなと思った場合もHSLで容易に調整が可能になっています。
Gosling Crazy Blue


狂気の青を表現したとの言葉通り、インパクトのある青を手に入れることができます。
元写真の状態によっては飽和もあり得ますが、それもHSLで簡単な調整が可能です。
これはHSLのブルーの輝度のみを少し上げました。この様に簡単な調整ができるので、当てた瞬間に合わなくても大丈夫です。
また、Goslingシリーズのすごい所は、基本補正がしっかり全部違います。
一個を無理くり派生させてるわけではないので、学びの部分でもとても大きいシリーズになっています。気に入ったコントラストを中心にアレンジを加えると遊べると思います。
Gosling Blue Mania


Gosling Blue Maniaは写真に潜むブルーにこだわりを。というコンセプトで空や海、気付けばそこにあるブルーを魅力的に変えてくれます。
上品で深みのあるブルーが空の抜けを強調してくれます。また、光も少し強めてくれていて、立体感の演出にも一役買ってくれるので、とても使いやすい一押しのプリセットです。
Goslingと三つの派生がありますが、どれも使いやすく仕上がっています。元々高い汎用性を、シリーズにすることで更に高めています。万能かつ攻めた表現を可能にする四つの組み合せは楽しく使えること間違いなしです。
Malkovich
Goslingをベースにシネマライクなイエローを投入したものになります。
今回も販売ページのテキストの原型を担当させて頂いたのですが僕はゆるふわポートレートの代名詞と表現させていただきました。
Goslingと比較してコントラストが柔らかいこと、カラーグレディングも特徴的でありつつナチュラルさを損なっていないことなど、とても楽しく使えます。


肌の色や髪の毛の艶感など、ものすごく綺麗に出ていますね。
また、この写真は、顔や空間に当たっている光は自然光で、オレンジの光のみが人工光のいわゆるミックス光です。
複数の光源が存在し、プリセットにとって本来は苦手な環境のはずですが、問題なく機能します。これは様々な光源を演出してきた黒田氏がなせる技なんだと思いました。
あらゆる光の性質を知っているからこそ、光の性質に対する適応力が高く、そしてそれをプリセットという形に落とし込むことが可能なんだと思います。コントラストが柔らかいので肌が綺麗に見える点も嬉しいポイントですね。
Malkovich Yellow Monster


Malkovich Yellow Monsterは、Malkovichをベースによりドラマチックな印象にするプリセットです。
朝日の輝きを更に強めつつ、シャドウの表情はしっとり残っています。
ドラマチックにしたい時に使ってみてほしいとありましたが、本当にドラマのある印象になっています。
また印象の強いイエローと相対的にシャドウにはブルーが差し込まれていて、決して均一的な印象にならず、写真本来が持ってる明暗差を主役に保ったままにしてくれるので、プリセットが支配的になることがないのもgoodなポイントです。
作品制作から仕事まで使える万能プリセットまとめ
いかがでしたでしょうか?昨今のデジタルカメラでの表現において、現像というのは切っても切れない大切な工程です。
しかしながら、無限に編集できてしまうがために、やりすぎたり、迷子になったりすることも多々あると思います。
今回の黒田氏のプリセットは、作品制作に留まらず、仕事でも使用されている実績面の信頼も高い安心安全なプリセットになっています。
プロフェッショナルがどうやって写真を仕上げているのか。本物に触れるのは学びとしての側面も大きいと思います。
また、気軽に写真を楽しみたい人にとってもスマホでパシャっと撮った写真がプロの様な仕上がりになることで写真の魅力に気付いたり、お気に入りの瞬間が更に輝いたりと、最高のフィルターとして使うことも可能です。
ぜひこのクオリティへの道標の辿り着く先の世界を体感してみてください。