キャンパスの写真家がアツイ!早稲田祭展に行ってみたらプロカメラマンも驚くクオリティだった件

早稲田大学の学園祭 早稲田祭2018で行われているという早稲田大学写真部の「早稲田祭展」へ、ヒーコでも人気のフォトグラファー浅岡省一(@shoichi_asaoka)氏と声出し担当のすーちゃん(@iamnildotcom)が、キャンパスの写真家たちの作品を見て・感じて・聞いた内容をお届けしていきます!

キャンパスの写真家がアツイ!早稲田祭展に行ってみたらプロカメラマンも驚くクオリティだった件

今回のインタビュアー

浅岡省一

浅岡省一(@shoichi_asaoka)。人物や商品等の広告撮影を得意とするプロフォトグラファー。夕景/夜景/雨景とモデルを絡めた作品撮りを行っており、独特の感性で光と空気感を表現する写真は多くのファンを魅了する。カメラ雑誌への寄稿や書籍の執筆、セミナー講師など守備範囲は多彩。お菓子と甘いモノ大好き。

すーちゃん

すーちゃん(@iamnildotcom)。XICOの賑やかし担当スタッフ。カメラマンとして生きていくべく日々修行中。四六時中食べ物の事を考えている自称少食のフードファイター。

早稲田大学 戸山キャンパスへ!

[すーちゃん]

やって来ましたね!早稲田大学 戸山キャンパス!校内に踏み込んだ瞬間、学園祭という名の青春が眼前に広がって眩しい!

[浅岡]

早速早稲田大学写真部の展示会場へ向かおう。

[すーちゃん]

あれ?ちょっと待ってください。

[すーちゃん]

やばい!ラーメンがある!!ちょっくら行ってきます!!

[浅岡]

いや取材が先でしょ!(汗)

なんとか誘惑にも耐え、向かうは早稲田大学写真部「早稲田祭展」。

早稲田祭展、到着!

早稲田祭展、会場へ到着!早稲田写真部 幹事長の松本氏が出迎えてくれました。

[すーちゃん]

こんにちはー!お久しぶりです!春季展以来ですね。よろしくお願いします!

[松本]

お久しぶりです!早稲田祭展へお越しいただきありがとうございます。

[浅岡]

よろしくお願いします〜。この早稲田祭展はどのくらいの規模の展示なのかな?

[松本]

作品は90点、参加人数は53名です。

[浅岡]

多いね〜!

早稲田祭展について

[浅岡]

そもそも、早稲田祭展ってどういう展示なんだろう?

[松本]

早稲田祭展は、一年の中で最も大規模な展示です。通常、学生会館でやっている展示をキャンパス内で行うことができ、早稲田祭自体の来場者もとても多いため、様々な人に見てもらうことができます。

[浅岡]

うんうん。

[松本]

そのため、部員の中でも早稲田祭展近くになると自然と熱が入り、現像や装丁などをしています。部室のプリンターやパソコン(現像ソフト使用)の機材予約も普段はほとんどいっぱいにならないのですが、直前は学生会館が開いている時間すべて埋まってしまい、フル稼働しています。出展者・出展点数も一年の中で最大になります。

[すーちゃん]

おお〜!燃えますね!

[浅岡]

展示のテーマみたいなものは、あるのかな?

[松本]

展示のテーマは、(毎年ですが)特に設けていません。各々出展したい作品を自由に展示することができます。一見まとまりがないようにも見えますが、テーマに縛られず様々な作品をご覧いただけるので、「いろいろな作品が見られてよかった」との声をいただくこともあります。

[浅岡]

テーマを設けないことで、部員それぞれが自由に写真を出せるような環境なんだね〜。自由でもある分、写真を出す側はとても考えそうだね!

[すーちゃん]

確かに、自由な分何を出そうかメチャメチャ悩みそうです。それでは早速、展示を見にいきますか!

[松本]

ごゆっくりご覧ください^^

気になった作品

友人の素顔を切り取ったポートレート作品

Photo.松本雛/裸の眼差し
Instagram:@_7him
個人HP:https://matsuhi.wixsite.com/living
[すーちゃん]

わ!すごい良い表情!!!

[松本]

ありがとうございます。

[すーちゃん]

松本さんが撮影されてる作品なんですね!相手のリラックスした空気感が伝わるというか、なんとも言い難い絶妙な表情ですね。その横の写真が思い切り引いた写真なのも面白いです!この作品に込めた想いや制作理由はどういったものなんですか?

[松本]

「脱ぐ」というテーマがふと浮かんだので、それを作品化しようと思い、すべての写真を今回の展示に向けて撮り下ろし、暗室で手焼きプリントをしました。

作品に込めた想いは、

わたしはあなたと親しい(と思っている)関係ですが、会うときには化粧をする、身なりを整える。あなたがあなたの暮らす街で、どんな生活を送り、どんな空気に触れて、どんなふうに過ごしているか、そんなことは知らないなと感じました。わたしたちの間の関係性の中で、そういうものを全部取り払って、カメラを通して向かい合ってみたいなと思いました。

というものです。

[すーちゃん]

友人の素顔みたいなところに踏み込んだ作品だったんですね!どういったようにそれをご友人に伝えて撮影したんでしょうか?

[松本]

具体的には、

  • あなたが暮らしたり、あなたにとって一番思い入れのある街に私が訪れる
  • すっぴんで、普段の格好で
  • 一枚だけ写真を撮らせてほしい

というお願いをしました。

[すーちゃん]

ふむふむ。すっぴんは結構女性だとハードルが高い感じがしますが、それは親しい関係だからこそお願いできた事なんでしょうね!とても丁寧に撮影されている感じが伝わってきます。この作品で難しかった点などはありましたか?

[松本]

難しかったのは…久しぶりの暗室プリントでうまく焼けなかったかなと思います。特にネガに傷が入ってしまった作品を出すか出さないかはすごく悩みました。

[すーちゃん]

手焼きはやった事無いですが、繊細な作業なんだろうなとお察しします。撮って終わりじゃ無いところがまた写真の難しさを感じますね!

車のレース写真

Photo.渡邉涼太/Suzuka Summer -2017 to 2018-
[すーちゃん]

この写真…絶対、渡邉さんの作品ですよね…!

[浅岡]

うん。間違いないだろうね(笑) 以前の写真部部室 取材時から作品が一切ぶれていない。

幻想的な風景写真

Photo.馬源/中国·重慶·渝州半島
Instagram:fmaimarmae
[すーちゃん]

近未来都市感!!かっこいい!!

[浅岡]

なんだか絶景旅フォトグラファーを彷彿とさせるような写真だね。

モノクロのスナップ写真

Photo.鹿本魁人/Fight against hate speech
Instagram:kaitoshikamoto
[浅岡]

緊迫感のある写真だね。

[すーちゃん]

花柄の服がキュートです。

大迫力の鳥

Photo.笠井 拓実/焔
[すーちゃん]

確実に目に入ってくる写真が…!

[浅岡]

もうこの一角はこの写真しか見えないね(笑) 赤い布の面積が左右で違うのはきっと計算に違いない。

[すーちゃん]

…そうなんですかね?

レベルの高いブックの数々

[すーちゃん]

皆レベル高いですね〜。

[浅岡]

だね。本もしっかり装丁したり作り込んでるね!

[すーちゃん]

iPhoneXで撮影したものでまとめたブックもありますね!おもしろ!写真うま!

photo.髙橋正虎/iPhoneX
Instagram:@faucontiger
[浅岡]

前回の春季展でも出してた高橋君だよね、もう見なくても上手いの分かるよ(笑)

photo.星野雄飛/Meet Timor 2
[すーちゃん]

写真上手いし製本超ちゃんとしてる。レベル高…。

[松本]

あ、その作品を撮影している星野さんは、先日SDGs学生フォトコンテスト2018で大賞(外務大臣賞)を受賞していました。

[すーちゃん]

え!!!!外務大臣賞ってよく分からないけどすごい!

[浅岡]

ほえ〜〜〜〜。

浅岡省一氏の作品講評!

[すーちゃん]

せっかくなので、浅岡氏に作品を講評して頂こうと思うんですが、講評されたい!と言う猛者はいらっしゃいますか?

[松本]

声をかけてみたら、2名いたので順番にお願いします!

[浅岡]

おっしゃー!

和紙に印刷した薔薇

Photo.野口大輔/透 ~すい~
[浅岡]

綺麗。うまい。特に言うことはありません!

[すーちゃん]

えーーーッ

[野口]

そんな(笑)

[浅岡]

構図もいいね。あと、展示作品で和紙を選んだのは面白い。普通光沢紙に走ると思うんだよね。薔薇には何か思い入れがあるの?

[野口]

いや、思い入れというか…薔薇を撮るのが好きなんですよね。普段はスナップ写真を撮ることが多いです。

[浅岡]

普段撮っているスナップ写真は展示しようと思わなかったんだ?

[野口]

沢山撮影したスナップ写真の中から一枚選ぶというのが大変なので…。

[浅岡]

それは勿体無い。これ!っていう良いの一枚バンと出して欲しいな。そのために撮れるしね。上手いからぜひ次は挑戦してみて欲しい。

ブック作品
[野口]

スナップ写真はブックで出しました。

[浅岡]

優しい性格が出ている感じがするね!

雰囲気のあるスナップ作品

Photo.髙橋維花/ポートフォリオ抜粋
[浅岡]

構図も色も良いね!普段からカメラ持って一日撮り歩いてるの?

[高橋]

そうですね、カメラを持ち歩いて…

[浅岡]

絶対そうだと思った!(笑)いつも持ってないと撮れないような瞬間とか狙ってる感じするもんなあ。見ているところも良いし、切り方も良い。

[高橋]

ありがとうございます。

[すーちゃん]

浅岡さん的にお気に入りの作品一枚選ぶとしたらどれですか?

Photo.髙橋維花
[浅岡]

これかな!ドラマもあるし、SNSでもいいねが沢山つきそう(笑)

投票人気作品

[浅岡]

来場者の中で一番人気だった作品とかってわかるのかな?

[松本]

はい、わかりますよ!来場者アンケートを取っています。

[すーちゃん]

じゃあ、上位5名ほどご紹介頂いてもいいですか!

[松本]

わかりました。793名の方のアンケート回答で投票が多かった上位5名をご紹介しますね。

瀬川将也氏の作品

一般投票:6位/3位
作品タイトル:山間の輝きに魅せられて/空と海を分ける道
撮影者:瀬川将也
作品への想い:より多くの人に自分の作品を見てもらいたい
上手くいった点:風景のなかで強調したい部分をうまく表せた点
早稲田祭展で嬉しかった事:今回初めて入賞したことで、より多くの方からコメントを頂いたり、部員からも「おめでとう」と入賞を祝ってもらえた。
[すーちゃん]

懐かしさが込み上げてくるような、双方オレンジが効いていますね!

木下英理子氏の作品

一般投票:4位
作品タイトル:ひるさがり。
撮影者:木下英理子
作品への想い:今年の夏にイタリアのブラーノ島に行った時に撮影した。観光地然とした島だったが、そこで洗濯物を干し裸足で道を歩く現地のおばさんがいた。観光のため訪れた異国で、そこでも当たり前に日々の生活が営まれていることを面白いと感じ、この写真を撮った。
上手くいった/難しかった点:全体の色使いは上手くいったと思う。光と影のバランスを取ることが難しかった。
早稲田祭展に参加してみて感じたこと:早稲田祭展は展示される作品が多い。その中で埋もれない、出来れば少しでも印象に残る作品を作りたいと思っていた。
[浅岡]

色が綺麗。

黒谷 涼氏の作品

一般投票:5位/2位
作品タイトル:なし
撮影者:黒谷 涼
作品への想い:綺麗な風景が好き
上手くいった/難しかった点:赤道儀なしで割と天の川が出せた/ノイズ処理、特に前景
早稲田祭展で大変だったこと:不器用なのでノリパネ切りが汚くなってしまった
[浅岡]

おお!がっつり風景を撮った写真もレベルが高い。

猪股 大輝氏の作品

一般投票、写真部内投票1位
作品タイトル:(何も書かず空白のまま展示)
撮影者:猪股 大輝
作品への想い:作品の前に立った時に、心がざわつくような、落ち着くような、様々な感情が去来するような作品にしたかった。空白のままのキャプションは、鑑賞者が様々な解釈を行えるように、そして絵全体の「空白」のイメージを汚さないために付した。
上手くいった/難しかった点:なるべく絵全体の構成を単純化したかったため、若干写り込んでしまった水平線や山の影を消すなどの現像作業を行った。また色味、露出などについても、なるべく静かな雰囲気を連想させるような青色を求めて調整を行った。ただし、現像の過程でグラデーションを維持するのが難しく、トーンジャンプが起こってしまった。
早稲田祭展で嬉しかった事:展示前は部のプリンターを沢山の人が使うため、限られた時間で制作を行う必要があった点が難しかった。
部内最大の展示会なので、多くの感想をもらうことができた点が嬉しかった
[すーちゃん]

この写真、かっこいいなー!!一番人気なのも頷けますね。

[浅岡]

上手いね〜。

ポストカードやジンも販売

[松本]

ポストカードやジンも、展示入り口前で販売しています。

[すーちゃん]

へー!ジン素敵ですね〜。文章と組み写真に惹きつけらます。

[松本]

ありがとうございます。一冊一冊手作りで作ってます。

[すーちゃん]

大変!展示作品が手焼きだったり、ジンも手作りで、手が凝ってますね〜。売れ行きはどうですか?

[松本]

売れ行きだと、猪股(ポストカード)・私(ポストカード&ジン)が上位を締めていますね。

[すーちゃん]

おお!結構売れる人は集中するんですね!

過去の早稲田祭展と比べて

[浅岡]

一通り見終わったかな…!

[すーちゃん]

かなりのボリュームでしたね!ブックもいっぱいあったし、どれも見応えある作品ばかりでしたね〜!かなり長く展示会場に滞在しちゃいました。

[松本]

お疲れ様です(笑)

[浅岡]

今回の早稲田祭展しか僕らは見てないわけだけど、過去の展示と違うとか変わったと感じる点はあるのかな?

[松本]

特に大きく変化したことはないと思います。ただ、OBの方や先輩方と「組写真が増えた気がする」という話はしました。自分の班活で組写真についてやったり、cotenを利用してブックっぽく作ってみたり、ということをしてきたので、それが影響していたら嬉しいなと思います。その活動と直接関係しているかはわかりませんが…(笑)

[浅岡]

きっと関係してるね!草の根活動が実を結んだかな。

[松本]

あと、今回ブックがすごく多かったです。自分の写真をポートフォリオ形式でまとめるひと、旅行や旅先で撮った写真を一冊にまとめるひと、など様々でした。

[すーちゃん]

確かにブック沢山ありましたね〜!

[松本]

壁に写真を展示するだけでなく、ブックにすると自分の作品をより客観的に見られるので良いなと思います。

あとは、例年と比べて入りやすい雰囲気が作れていたように思えます(「写真展やってますー」という声かけなど)。ただ、全体的に言えるのはやはり部員それぞれが自分の好きな作品を展示しているということですね。

[浅岡]

写真展のあり方としては色々方法はあると思うけど、皆それぞれの集大成を好きに出せるという場所があるのは貴重だね。

[すーちゃん]

全員の作品をご紹介できないのが残念ですが、半端じゃない熱量の展示だと感じました!

[浅岡]

絶対俺らより、部員の人達の方が写真好きだよね。

[すーちゃん]

ですね〜〜〜!(汗) 写真が好き!って想いがとっても伝わります。今日は、展示最中のお忙しい中、ありがとうございました。

[浅岡]

良かったです!ありがとうございました。

[松本]

こちらこそ、ありがとうございました!

展示風景

早稲田大学写真部 公式サイト

早稲田大学写真部 公式サイトはこちらから!

早稲田大学写真部 公式サイト

Twitter(@wphoto101)でも活動を発信されています♫

今回のまとめ

  • 早稲田祭展2018の作品数は90点、参加人数は53名
  • デジタル、フィルム、iPhoneと多種多様な展示作品が勢揃いだった
  • 全体的に作品のレベルが高い
  • ブックの製本までちゃんと作り込んでいる人が多かった
  • ブックの数が多くてブック祭りだった
  • ぶっちゃけ講評必要ないレベルだった
  • スナップ写真を撮る人が圧倒的に多い

浅岡親方が選ぶ一枚!

ページトップで使用している写真は、浅岡親方にチョイスして頂きました!iPhoneXで撮った写真をブックにまとめた、新時代らしさを感じる作品ですね♫

おまけ

早稲田大学写真部の早稲田展を取材後、スナップ写真撮影担当で来てくれたヒーコスタッフのMAIとすーちゃんで学園祭を満喫しました。美味しかったです。

春季展レポートはこちら

キャンパスの写真家たちに迫る!早稲田大学写真部の展示から読み取る、プロカメラマンが感じた学生写真の「いま」

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