内村円 | MY PERSPECTIVE

内村円

内村円

1989年生まれ。
2015年からアパレル会社に勤務し、商品撮影やモデル撮影を行う。その後フリーランスフォトグラファーとして独立し、デザイン事務所”ソノイチ”の所属カメラマンとしても活動中。

内村円| MY PERSPECTIVE

7つのキーワード

被写体

人物が主な被写体です。「馴染む」という言い方は正しくないのかもしれませんが、人物撮影が自分のスタイルに一番馴染んでいると思います。誰でも自分の中にコンプレックスを抱えている部分があると思いますが、私はそれがその人の魅力でもあると思っていて。そこをいかに引き出すことができるか、被写体になってくださる方も気づかない魅力をいかに引き出し、伸ばすことができるか考えながら撮影するのが好きですね。

幸いにも、写真を始めた頃に撮影に付き合ってくれる友人・知人が多かったので、それがここまで撮影を続ける原動力になったと思います。あとは単純に人が好きだということ。これが理由として一番大きいし大事なことかもしれません。

機材

普段よく使っているのはPENTAX67ⅡとLeica M10です。PENTAX67Ⅱは、ゴツい見た目で超重量、バカでかいシャッター音、でも写し出される画は繊細で美しい。このギャップに惹かれて使い続けてきました。Leicaはただ憧れで、勢いで買ってしまったカメラです。マニュアルフォーカス・寄れないなど、不便だと感じることは多々あります。でも撮影への気持ちを高めるのに、これ以上のカメラはないと思っています。

主に使うレンズはSMC PENTAX67 105mmF2.4とSummilux 50mm/f1.4 3rdです。狭すぎず広すぎず、撮りやすい換算50mm、あとはなるべく明るいこと、それ以外にこだわりは特にありません。自分が撮りたい写真はそれぐらいで事足りると思っています。もちろん仕事では広角レンズやズームレンズも使いますが。

コンパクトフィルムカメラも普段から持ち歩いています。オートに設定してあるのでシャッターボタンを押すだけ。構図や露出などを考えず、気楽に撮りたい時、記録や思い出に残す時に使っています。でも適当に撮ったそういう写真がグッときたりして悔しくなることもあります。

カメラ以外だと欠かせないのは原色のもの。自分で用意することもありますが、道端のカラーコーンや看板など、目に飛び込んでくる原色のものはなんでも写真の中に入れておきたいです。可愛いので。

理由

協力してくれる人が身近にいたり、活動を通じて「写真は楽しい」ということを共有できる仲間ができたり、難しいことを考えなくても良かったんだと思います。写真を始めたころ、この環境がなければ今の私はなかったかもしれません。仕事として写真を撮るようになってからは、SNSきっかけでご依頼いただくことが増え、0から1を創るより1を100にすることの方が得意な自分は「写真を撮ることで誰かの役に立てる可能性がある」と感じました。これが仕事として撮影を続けるきっかけでもあり、理由でもあります。周りの方々のおかげで写真を撮り続けていられると思うと、本当にありがたいことです。

理想

抽象的な話ですが、被写体に一歩踏み込んで撮影できる、反対に被写体から一歩引いて撮影できる、その両方が可能な写真家が理想です。人物写真のような風景写真、風景写真のような人物写真、そんな写真をいつか撮れるようになりたいと思っています。

そのための勉強は欠かさないようにしています。同時に大事なのは、情報や流行の収集は欠かさずとも、それに流されないことです。(それが今できているかと言えばNOですが……。)良いと思うものはどんどん取り入れていきたいですが、自分のスタイルは崩さないようにしたいですね。ありふれた言葉ですが、「初心忘るべからず」です。

発信

撮影することと、撮影した写真を世の中に発信することは完全にイコールではないと思います。発信することが前提の撮影もありますし、そうでない撮影もあります。主にスナップ写真は後者として撮ることが多いです。でも撮影後に時が経ってから、それこそ何十年後かに発信・発表しようと思うことがあるかも知れません。ないかも知れません。撮影した時点では、発信を前提に撮っているわけではない。そういう意味では「撮影=発信」にはならないと考えています。

でも、SNSで発信することは、私の写真に大きくつながっています。SNSがなければ、自分の写真をアップデートしていこうと思わなかったかも知れません。SNSのための写真と自分のため写真。その良いとこ取りができている写真が今の自分の写真で、好きな写真でもあります。そういった意味ではSNSという存在は大きいですし、今後も無視はできません。ただやはり、取り入れた情報を噛み砕いて自分の中で昇華しないと、それこそSNSのための撮影になってしまうので気を付けていきたいです。

仕事

綺麗事ではなく、関わる人みんなが幸せだと感じられる仕事をしたいと本気で思います。

以前、福祉のイメージを良くしたいという依頼で、パンフレットの写真撮影を行いました。福祉という言葉で画像を検索すると、車椅子・高齢者の写真やイラストがたくさん出てきますよね。必要にならないと関わらない業種で、なんとなく福祉に対するイメージは暗いです。必要になった時だけでなく、福祉を生活の一部としていくにはどうしたら良いか。そんな悩みから始まった企画でした。

「福祉を生活の一部にするためには異業種(クリエイター)との関わりが必要」という考えのもと、被写体は20代モデル、構図や色味はオリジナリティー溢れるもので撮影を行い、今までの福祉とは真逆のイメージが出来上がりました。クライアントには「面白いし新しい!思わず手に取ってみたくなる。」と喜んでいただけましたし、関わりない人にも福祉をより身近に感じてもらえるようになったと思います。

モデル・カメラマンだけでなく、美容師や菓子職人など、様々な異業種(クリエイター)が関わって創っていく福祉。クリエイターの仕事は増えていきますし、福祉のイメージもどんどん良くなっていくと思いました。

こんな「関わる人が全員幸せになる仕事」が続けられたら最高に幸せです。この想いを共有してくださる方と一緒にお仕事がしたいですね。

未来

福祉のパンフレット撮影のように「写真×〇〇」の新しいコンテンツがたくさん産まれて、私たちカメラマンも、依頼をしてくださる方や関わってくれる方も、今よりもっと楽しめるようになるんじゃないかとワクワクしています。自分の中の写真の価値観はねじ曲げずに、新しい波に適応・進化することができる人間でありたいです。

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