アマチュアから転職したフリーカメラマンの一年間まとめ。作品・仕事の撮影枚数から使用機材

こんにちは、正月気分から抜け出せず今さら2017年を振り返る暴挙。執筆時現在は年末年始なのでお許し下さい。その他の記事のスケジュールを調整してどうにか一月中に割り込んでみました。昨年は、フォトグラファーとしての生活を最優先した一年間でした。ようやく一年間通してやってみたのでそのご報告です。自分で言うのもアレですが、あまり参考になる話ではないので教訓めいたものはありません。これから突如フォトグラファーとしてやっていきたいという稀有な野望を抱いた方にとっては、サンプルケースの一つくらいにはなるかもしれませんが。

書いていて、おそろしいボリュームになりつつあることを予感したので、前半戦として撮影した写真にフォーカスしたお話をしたいと思います。

はじめに

フォトグラファーとして通した一年間と書きましたが、2016年までも依頼をいただくことはありました。ただそれはそれまでの仕事にかなり無理を言っていて穴を空けていまして、2016年末にそのあたりを調整してもらい、2017年は写真を最優先に時間を投じることができた初めての一年間になりました。無理を通してくれた関係者の方々には感謝の言葉しかないです。そして2018年は、大先輩方の助言もありまして、そういった出自の話はやめにします。

ちなみに転職と書いていますが、フルタイムでフォトグラファーにコミットしているわけではありません。睡眠時間を削れば写真に費やしている時間が一番長いのは確かですが、前職のスキルで働くこともありますし、期間契約でウェブ関連のディレクションを請け負うこともありますし、写真とウェブを絡めた仕事をすることもあります。また、会社については前職の関係で設立した一人会社を利用しているので、今回起業したわけではありません。今回の趣旨とは違いますが一応誤解のないよう書いておきます。いまは幸いスタッフに恵まれています。いわば法人の主事業が写真になったというだけですね。なので自分をプロカメラマンとは名乗るのには今でも抵抗があります。なんでもいいんですけど、そもそもレッテルによる固定化が好きではありません。

ちなみに、これからフリーランスを目指そうと言う方は、保井崇志さんがnoteに掲載しているこちらの記事を参考にしてください〜。超参考になりますよ。

フリーランスフォトグラファーの教科書

保井崇志 / note

2017年の総まとめ

さて、先日、2017年に撮影した写真すべてをLightroomのカタログにいれて振り返ってみると、色々感慨深い部分もありおもしろかったので、撮影写真や使用機材について話してみようと思います。

自分は日頃、Lightroom上ではクオーターごとのカタログと、仕事用のカタログにわけているのですが、それら全てを統合したカタログを作成してみたわけです。ちなみに、こういうことを容易にできる点がLightroom最大の利点だと思っています。ワークフローについてはいずれ書けたらと思いますが、今回は割愛。

一年間で80,882枚

さて、撮影枚数ですが、仕事とそれ以外の撮影を合わせて一年間で80,882枚でした。
(画像では81,602となっていますが、レタッチした写真も含まれているので撮影枚数で言うと80,882)
月間最低3,000枚以上、目標5,000枚は撮影したいと思っていたのですが余裕で上回っていて驚きました。これに今回含まれていないフイルム撮影分や、SDカードごとクライアントに渡したケースも合わせると5,000枚近くはあがるでしょうか。まあざっくりということで。ちなみに、2016年は約40,000枚だったので倍に近いですね〜。

あとはセレクト時にレート1をつけた写真(毒にも薬にもならないカット)は物理削除しているので、それも含めると実際に撮影しているのは1万枚近くは増えると思います。しかし今回はとりあえず見えている数字ですすめましょう。

ちなみに月換算だと7,000枚くらいでしょうか。ちなみに連射をすることは殆どないので、無駄に増えているということもなく、これまでの自分と比べると一体そんなに何を撮ったんだ?という感覚です。いわゆる作品撮りは、2016年と比べて少なくしていたのですが、仕事分が純増というかんじでした。これが一般的な商業フォトグラファーにとって多いのか少ないのかはわかりませんし、この枚数だったからなんだというわけでもないのですが笑

実際にフルタイムでフォトグラファーをされていたり、ウェディングやスナップを撮られている方はもっと多いと思います。やはり個人的には昨年と比較した時の差がおもしろいですね。

撮影した写真の内訳

もっとも撮影枚数の多かったカメラは、Sony α7R II


23,936枚でソニーのα7R IIでした。
カメラを10台近く持っているわけですが、その1/4というのは驚異的ですね。
これは仕事で多用していたので、納得の結果です。
もしくは、日頃スナップで使用しているLeica Qが一番かなとも一瞬思ったのですが、そうでもなかったですね。
Leica Qの12,130枚に比べておよそ倍近い数字でした。

ソニーでは、Sony α7 IIとα7R IIを昨年の冬までは同時に使用していました。レンズを付け替える時間が惜しいので、両方にそれぞれレンズをつけて撮影するような使い方が多かったですね。

いまはα7R IIIに乗り換えています。α7R IIIも、購入から一ヶ月ちょっとの使用で6,866枚撮影しているので、ソニーに染まってますね笑

もっとも撮影枚数の多かったレンズは、Leica Summilux 50mm F1.4 ASPH


11,902枚で、Leica Summilux 50mm F1.4 ASPHでした。
これはLeica M typ 262につけっぱなしのレンズなのですが、仕事でも人物を撮る際はもっとも使用していたので納得です。
ソニーの場合は、FE 50mm F1.4 ZAとFE 85mm F1.4 GM、そしてFE 90mm Macro F2.8 G OSSやCarl Zeiss Batisシリーズなどつけかえているので。

ちなみに、Leica Q(レンズ一体型)の撮影枚数が12,130枚なので、実際はもっとも多いのですが交換式ではないので今回は外します。

使用したレンズ第二位は、Sony FE 85mm F1.4 GM

次にSony FE 85mm F1.4 GMでした。
仕事で撮影する際には、Leica M typ 262 + Leica Summilux 50mm F1.4と、Sony α7R II + Sony FE 85mm F1.4 GMを机に並べて必要な画角に合わせて使い分けることが多いので、妥当な結果だなとは思います。
逆に作品撮影ではあまり使用していないかもしれません。

以前にレビューもしましたが、本当に良いレンズですねこれは。

使用したレンズ第三位は、Sony FE 50mm F1.4 ZA

次にSony FE 50mm F1.4 ZAでした。
これはオートフォーカスに頼りたい時なんかに使用することが多かったですね。
仕事で大変お世話になりました。

LeicaのSummiluxと撮り比べるために使用したり、店舗の内観をスナップ的に撮影する時なんかが多かった気がします。

使用したレンズ第四位は、Sony FE 90mm Macro G OSS

これは6,003枚でした。参考写真を掲載したいところなのですが、仕事の写真ばかりで公開できないのが残念です。95%はスチールライフや料理撮影での使用でした。

マクロレンズはやはり、それを求められるケースで使用することが多いですね。ポートレートにももう少し取り入れたい所ですが。

写真について

使用したカメラの総数は16台

これは自分が所有しているものだけではなく、カメラ雑誌などのお仕事でカメラをお借りしての撮影が多かったので、それで増えている感じですね。実際にはSony α7シリーズを三種。Nikon D810。Leica M typ 262とM9-P、Leica Qの7台です。正確には年末付近に、Sigma のQuattro Hが加わったので8台ですね。これにフィルムカメラ3台を含めた11台でしょうか。あれ、あんまり変わらないや。

正直カメラが好きなわけではないというか、わりと何でも良いのですが、なんでも良すぎて逆に多いのかもしれません。強いこだわりがあるわけでは全くありません。

今年は色々とカメラの違いを試してみたいという部分もあったので、複数台使えたのは良かったです。ハード側の違いもそうですが、例えRAWデータであってもその違いが大きかった点はかなり勉強になりました。最終的には、いくつかうって自分なりのシステムを組む予定ですが、いまは色々試し中です。

でも、いまは先日仕事で使用したOlymups OM-D E-M1 Mark IIがすごく良かったので買おうか悩んでいるくらいです。

使用したレンズの総数は38本

これもカメラ同様に、レンズ指定のレビューやタイアップ系の仕事が多かったのでまあこんなものなのかな?という感じです。普段の仕事では自分のを使用するのですが、たまに手持ちにない時はレンズをレンタルすることもあるので。また、タムロンさんからお借りしているレンズなどが重なって一気に増えた感じですね。このあたりもとくにこだわりはありません。

ちなみに自分の所有機材については、個人サイトに掲載しているので興味のある方はこちらを是非。

Akiomi Kuroda Photography

artratio.net

構図の内訳

構図についてですが、これは

  • 横構図:55,695
  • 縦構図:25,900

という結果でした。

スナップで撮影しているものは横構図のみだったので、なるほどという感じです。人物を撮影する際は縦構図で撮影しなければならないケースが多かったので、例年に比べて縦が多かったように思います。これまで趣味で撮影していた際は、ウェブでの使用を考えて親和性の高い横構図が多かったのですが、急激に縦構図が増えました。

仕上げた写真について

レタッチした写真は720枚

レタッチと言っていますが、Photoshopを使用して一枚ずつ編集した写真の枚数です。PSDファイルの数ですね。
仕事とプライベートを合わせて、Photoshopまで移行してレタッチした写真は720枚でした。
ちなみに2016年の写真は、まだ未仕上げのものもありますが、それでも1,377枚はレタッチできていたのでだいぶ減りましたね…。

仕事では時間の関係でレタッチャーの方に投げてしまうケースが多かったので仕方ないですが、個人的な作品でもまだセレクトしか終わっていないものがあるので時間を捻出したいところです。

セレクトした写真は20,776枚

アタリデータとして渡したり、個人作品ではこれはレタッチしても良いなと思える写真では、20,776枚ありました。

  • 作品撮影の関係者に渡すデータ。
  • クライアントにアタリとして送るデータ。
  • 日頃のスナップ写真

このあたりが含まれています。

これは自分のワークフローの話ですが、ここから更に個別にレタッチしたい写真を更にセレクトしてPhotoshopで作業しています。
そこまでのセレクトは50%程度しか終わっていませんが、2,364枚ありました。
おそらく全てセレクトすると5,000枚くらいにはなると思います。

レタッチ時間の見積もり

実際にはそこから更に落とすので3,000枚くらいかなあ。今年は作品撮影が少なかったのでもう少し減るかもしれません。一枚に対するレタッチは平均すると5~15分程度と記憶しています。間をとって10分くらいでしょうかこれを3,000枚にかけるとすると、大体500時間。

つまり、一日10時間作業をするとして50日間ほど家に引きこもり作業をし続ければ全て完了するわけですね。

不可能なのは確定的に明らか……!!!!!!!!!!!!!!!

自分で考えて絶望してきました。これに加えてRAW現像もシーンごとにあるわけだから、、、二ヶ月はこもる必要がある…何か根本的に見直さなければいけない気がしてきました。1,000枚程度にします。それなら一ヶ月の隠居生活でなんとか。誰か僕に13ヶ月ください。

逆に考えれば、720枚のPSDがあるということは120時間程度はレタッチに費やせたわけですね。旅行や飲みに行くことも減り、殆ど遊ぶことなく、色恋沙汰に惑わされることもなく、家に引きこもり我武者羅に過ごした一年間だったのでこの少なさでも仕方ないかもしれません。空いた時間はヒーコの運営・執筆やら、書籍の案件などでパソコンとにらめっこだったので、仕方ないですね。昨年の前半は展示の企画などもやっていたのでそれもあるかもしれません。とは言え特に遊びたいとかいう気持ちも少なくなってきたお年頃なのでそこは問題ないのですが、せっかく撮って仕上げられないのは苦しい思いです。それよりも優先すべき事があるので仕方ないのですが。このあたりをコントロールする力と決断も2018年は意識していきたいです。

レタッチに費やせた時間の推移

  • 2017年のレタッチ枚数は、720枚。120時間
  • 2016年のレタッチ枚数は、1,377枚。230時間
  • 2015年のレタッチ枚数は、2,812枚。500時間

年々劇的に下がってきていますね笑
2018年はこの推移だと60時間!!!笑
さすがに仕事がそれだと回らないので、作品撮りの回数が減るだけになりそうですが。

ほんと自分で計算していて、我が人生を憂い始めました。

どおりでおいしいものを食べるくらいしかテンションのあがる日が訪れないと不思議に思っていたところだ。

ということで、次回は使用機材それぞれについて書いてみたいと思います。

Pocket
LINEで送る

0 replies on “アマチュアから転職したフリーカメラマンの一年間まとめ。作品・仕事の撮影枚数から使用機材”