このほど2020年初となるヒーコイベント、『いま話しておきたい「ボク、私のPCとの付き合い方」』を開催しました!今回のイベントは、ヒーコとマウスコンピューターとのタイアップイベントとして、今やフォトグラファーにとってなくてはならないPC(パソコン)の存在にフォーカスした機会となりました。
イベントでは、3名のフォトグラファーに登壇いただき、それぞれのPCとの付き合い方をセミナーやトークショーを交えてご紹介いただきました。そこで本日は、100名以上を動員し満員御礼となった本イベントの講演内容を一部お届けします!
SNSで躍動する次世代フォトグラファーが物語る!クリエイティブを高めるPCの必要性
「 私ならではの写真にするためのポイント 」 / もろんのん氏
セミナー1人目の登壇者は、トラベルフォトグラファーもろんのん(@moron_non)氏。
その作品性は、明るくポップで可愛らしい世界観がとても印象的です。SNS総フォロワー数は約9万人。今回のイベントでは、セミナーとトークショーに登壇いただきました。
PC使用のワークフロー
もろんのん氏のPC使用は、主に仕事案件によるレタッチ時に使用する機会が多いそうです。デジタル一眼レフカメラで撮影後のPCを活用したワークフローは以下の通りです。
レタッチは魅せたいものを魅せるために
もろんのん氏がレタッチをする上で大切にしていることは、魅せたいものを魅せるというポイントです。その写真の好きなところにフォーカスして、レタッチでよりアクセントをつけて印象的な一枚に仕上げているそうです。
PCを使用してのレタッチだからこそ、そのアクセント加減にこだわり抜くことができますよね!

色と明るさを調整する
魅せたいものを魅せるために具体的に行なっているレタッチの方法としては、色と明るさの調整をされています。
例えば、ポートレートであれば肌の色に注目して、一番モデルさんが魅力的に見える色・明るさに調整していきます。そして、画面全体の色の配置を意識しつつ、色が与える印象を意図的に取り入れてレタッチしていくそうです。色を調整することは、SNSでの視認性を高めることにも効果的な面があるため、作品をどのようにアウトプットするかを意識してレタッチを行うことが、とても重要だと説いてくれていました。
- PCは主に仕事案件時のレタッチ作業で使用している
- レタッチは魅せたいものを魅せるために行なっている
- 色と明るさの調整をレタッチの主体としている
- 色が与える印象を意図的に取り入れ、視認性を高める効果へと繋げている
「 いいね!な写真にするためのポイント 」 / SHOHKI ENO氏
セミナー2人目の登壇者は、フォトグラファーSHOHKI ENO(@eeeno1218)氏。
グラフィックデザインの知識を写真に活用しつつ、スナップショット・風景・ポートレートを中心にユニークな視点で切り取ることを得意とされています。今回のイベントでは、もろんのん氏同様、セミナーとトークショーに登壇いただいました。
PC使用のワークフロー
ENO氏のPC使用は、作品や仕事案件に関わらず、主にレタッチ作業や写真管理などのためにPCを必須で活用されています。デジタル一眼レフカメラで撮影後のPCを活用したワークフローは以下の通りです。
見せたいものを引き立たせるための構図作り
ENO氏がレタッチをする上で大切にされていることは、見せたいものを引き立たせるための構図作りがポイントの一つに上げられるそうです。その構図作りには、1ミリ単位で修正を繰り返すこだわりを持たれており、構図が及ぼす写真への影響力を深く認識されているようでした。
その一方で印象的だったのは、構図作りのファーストステップにおいて、アウトプットは意識せず、自身が思ったイメージを優先されているということでした。あくまで撮影時のイメージを大切にするというフォトグラファーとしてのこだわりを垣間見た印象的な瞬間でした!

時には写真と距離を取ることも大事
また、レタッチを進めていく中で、「ここで完了」というフィニッシュポイントがわからなくなることも時々あると話されていました。
そんなときは写真と距離を取ることを試みるそうです。物理的・精神的に一度写真との距離を置くことで、客観的に写真を見る視点が備わるようになると説かれていました。レタッチで迷ったときにこそ意図的にそうした時間を作ることは、効果的なようです。
- PCの使用は、レタッチと写真管理
- レタッチは撮影時のイメージを優先する
- 構図はレタッチで1ミリ単位で追い込む
- レタッチが完結できないときは、写真との距離を一旦置く
クリエイティブを高めるフォトグラファーPCとは?
トークショー
トークショーは、「クリエイティブを高めるフォトグラファーPCとは?」をテーマに展開されました。登壇者はもろんのん氏、ENO氏に加えて、クリエイティブ・コンサルタントとして活躍中の市川渚(@nagiko726)氏を迎えて行われました。
市川氏はファッションやラグジュアリーに精通したクリエイティブ・コンサルタントとしてだけでなく、ジャーナリスト、フォトグラファー、モデルなどマルチな活躍をされています。
SNSからプロフォトグラファーへ
トークショーの中でも一際盛り上がりを見せていたのが、「SNSを始めた当初の写真と現在の写真を比較する」という場面でした。その変化に驚きを感じることと同時に、この比較は携帯からPCへと本格的なレタッチに移行していったプロセスを雄弁に物語っており、フォトグラファーにとっての写真表現領域拡大は、PC使用が必要不可欠なものと強く印象付けられたシーンでもありました。
もろんのん氏の場合

もろんのん氏は当時一眼レフではなく、スマートフォンのフィルターアプリを使用して撮影をしており、当時の流行を伺うことができます。また、比較対象となる現在の写真を見ると、驚くほどの変化を感じる作品となっていますよね。これは表現を探求していった結果、レタッチはスマートフォンからPCへと変わり、それが自身の一つのスタンダードとなっていったことが伺えます。
ENO氏の場合

ENO氏はSNSを始めた当初から一眼レフを使用していたこともあり、作風の違いこそありますが、そこにはすでにその作家性の面影を感じることができます。一方で、注目すべき点は当時も現在もPCによるレタッチを行なっていることです。ここにも写真表現にPC使用が大きく関わっていることは明確で、フォトグラファーにとって、そのクリエイティブ性を高めるためにはPCの存在が必要不可欠であることが伺えます。
自身に合ったPCをセレクトすること
登壇者3名からしきりに声に上がっていたのは、近年のスマートフォンの進化が著しく高い機能性を持ち合わせていることでした。それはスマートフォンのカメラ性能だけではなく、アプリの進化による編集技術の向上もあげられます。その一方で、やはり表現を突き詰めることや多くの写真を管理することを考えると、PCのない未来もまた想像できないという声もありました。そして、今後より一層必要となってくることは、自身のクリエイティブを高めることに繋がるPCをセレクトするということでした。
もろんのん氏からは今後個人で発信していく際に、その情報量の多さが特徴の一つでもある動画表現にもチャレンジしていきたいというお話がありました。時代の変化とともに、現代のフォトグラファー像もなお多様な変化を見せていることは周知の通りではありますが、PCが新しい領域に進むためにより一層必要なツールとなることは間違いなさそうです。
- SNSをきっかけに写真を始めた人が表現を追求した先に、スマートフォンからPCレタッチへと移行した人が多くいた
- 写真表現領域拡大には、PCは必要不可欠な存在
- クリエイティブ性を高めるために自身に合ったPCをセレクトすることが重要
- 動画領域においてもPCは必要なツールであることの再認識
クリエイターPC「DAIV」について
「SNSがあったから、“ファインダー越し” の世界は広がった。」と題し、SNS⽂脈でフォトグラファーとしての⾃分のキャリアを切り開いてきた4名をピックアップ。フォトグラファー黒田明臣氏(PORTRAIT)、クロカワリュート氏(ADVERTISING)、高橋伸哉氏(SNAP)、6151氏(SCENE)。
写真のクオリティはもちろんのこと、見せ方や伝え方、SNS時代のフォトグラファーとして今求められているのは、総合的な「編集力」。みなさまの 「♯MYEDIT」を込めたとっておきの写真を募集中。
・応募期間:2020年1月24日(金)~2020年3月1日(日)