スナップ撮影で意識したい6つの関係性

こんにちはフォトグラファーの岩田量自(@Blueeeees)、通称ジョニーです。

僕はスナップ撮影の時に「ファインダー内に映るものの関係性」を意識して撮っています。

最近それを強く思うようになったきっかけは、「絵を見る技術」という本。その中に「絵の見方を知っている人は、目立つ箇所だけではなく、それと背景との「関係性」を意識して見ている」という一説があり、これは写真にも通ずると感じたのです。

今回は、そんな僕がここ最近のスナップ撮影で意識していることを作例とともに紹介していきたいと思います。

スナップ撮影で意識したい6つの関係性

はじめに

何かを撮影する際、撮りたい被写体だけを写すことは基本的にはできません。そのため、被写体と背景、被写体とそれを引き立てる別の被写体など必ず何かしらの関係性が生じます。この関係性を考えることが撮影する際にとても重要なんですよね。

写真に写っているものの関係性には

  1. 光と影(明るい、暗い)
  2. スケール(大きい、小さい)
  3. リズム(間隔)
  4. 色(補色、類似色)

などがあります。

これらの関係をはっきりさせることで写真の意図が見る人に伝わりやすくなりますし、関係性を意識することで所謂”映える”場所やモノに頼らない写真が撮れる様になると思います。

これらにフォーカスして撮影した写真を交えながら、写真に潜んだ意図を説明していきます。一つでもスナップ撮影する時のヒントになれば嬉しいです。

光と影

光と影の関係性は多くの方が意識されていることだと思います。光と影の差を極端にする=対比させてコントラストを強めることで、画面の要素を際立たせることができます。この2枚の写真は「図と地」を意識して影の中に光を入れることで被写体を際立たせました。

都市部ではビルの隙間から見える空や差し込む光が面白い形を作り出すので、その形を強調するためにコントラストを強くすることが多いです。

スケール

都市風景や建築と絡めて人を撮る時はスケール(大きい、小さい)の関係性を意識しています。建物と人間の持つそれぞれのスケールを対比させることで建物や空間の大きさを強調することができます。この写真で人が全く写っていないと建物がどの位の高さなのか認識することは難しいと思います。

そこで、普段から見慣れていてサイズ感が分かるものを、画面内に入れて対比させることがポイントです。これは都市風景に限らず、広大な風景の中に人がいる場面にも通ずることだと思います。また、全体的に無彩色の建物だったところを、赤い傘が入ることで色の対比が生まれ、アクセントを加えることができています。

広告写真に注目

大きく引き伸ばされた広告写真は通行人と並べることでスケール感の違いを強く表現できるもってこいの要素です。スケールだけではな広告に写った人の視線の先に通行人がいるなど関係性のバリエーションはいくつも作りだせるので、オススメの構成要素です。

リズム

街の中には等間隔に配置されたものが多くあるので、リズムは比較的簡単に作りやすい関係性の1つです。

等間隔のリズムを作る

この写真における関係性はスカイツリーと手前の木々、青空と手前の木々の2つがあります。等間隔に並ぶ木々の真ん中にスカイツリーをいれることで等間隔のリズムを活かしています。また、スカイツリーを軸にして左右が対称になっているので美しく安定して見えます。画面の下にビルが写っていましたがこの写真においては必要がない(=他のものとの明確な関係性を作れない)ので16:9の比率にトリミングしました。

色彩の面で言うと、青空と木々の色が補色の関係になっていてお互いの色を引き立てあっています。

距離感でリズムをつくる

この写真では自分、通行人、看板の関係性を意識して撮影しました。自分=全景、通行人=中景、看板=遠景という3つの距離の関係性によって、手前~奥のリズムが生まれます。28mmのレンズでは体に近いものを画角にいれることで、自分の立ち位置を伝えることができます。

色彩の面では自分の傘と通行人の傘、看板の色が類似の関係になっているので全体的にまとまった印象に感じませんか?例えば通行人の傘が黒だったり、透明なビニール傘だったりすると印象は全く違ってきます。看板のモデルが片足を上げて倒れそうになっていたので、上げた足の下に通行人の傘が来る構図にして傘で転びそうになった感じを出すことでストーリー性を演出しました。

先ほどよりさらに情報量を増やしたのがこちらです。

街路樹の剪定をしている人、駐禁の取締りをしている警察、それを見ている手前の男性、奥の談笑している男性2人と視線があちこちに移動しますよね。少し複雑ではありますが、画面の上下左右にバランスよく配置することでリズムを出しています。また、道路の向こうで起きていることを見ている手前の男性は撮影している自分のメタファー となり、自分との関係性も生まれています。

類似の関係性

横断歩道のラインとカラーコーンやストライプのシャツのラインが揃って同化していたり、ぴったりと揃っていなくても類似の関係性を意識することで視覚的な面白さがグッと引き立ちます。

道路標識は歩行者との類似の関係性が作りやすく活用できる可能性は高いと思います。画面上の左が明るく右が暗く視線が明るい方へ持っていかれるので、左右のバランスを取るために右側に大きな横断禁止の道路標識、左側に小さな通行を配置して撮影しました。

街中には様々な色が溢れかえっているので、散漫な雰囲気になってしまいがちですが、逆にしっかりと意識して整理することで色を活かした写真にすることができます。

アクセントカラーを入れる

青々とした中に一つだけ赤く染まったもみじに見えますが、実は奥にも2,3枚あるんです。紅一点を意識していたので他の赤いもみじが映らないアングルを探して撮影した1枚です。この写真の様に背景と補色の関係にある色を入れたり、無彩色の中に原色を入れたりとアクセントカラーを入れることで被写体を際立たせることができます。

雨の日の傘を狙う

雨の日はカラフルな傘を活かして撮影するチャンスです。反対側の道路の人の傘はグレーですが、服が黄色いことで面積も大きくなり際立っています。画面上にあるのは色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローに近い色ばかりなので色彩面でバランスが取れています。

色の関係だけではなく、これまでに紹介してきた関係性と組み合わせることをオススメします。

被写体が持つイメージ

この写真でKUMONの前を通り過ぎるのが例えばサラリーマンだったらどうでしょう?写真の“面白み”は感じないと思います。KUMONの持つイメージはサラリーマンよりも小学生の方が結びつきやすいですよね。KUMONと小学生の間で双方向にイメージの行き来ができる関係性があることが重要です。

その他にも2台の自転車には線対称の関係にあり、その真ん中に小学生の黄色い帽子が来ることで色の3原色が綺麗なバランスで画面を安定させていることもポイントです。

予想外を意識する

普通であればファミリーマートの前に停車しているのは同社のトラックのはずですが、セブンイレブンのトラックという対比の関係性がこの写真の“面白さ”です。普通では考えづらい、想定外のことが起きている状況に気付けるかどうかは、観察の目を持って歩くことが必要です。

まとめ

  • 光と影の差を極端にして、コントラストを強める
  • スケールを対比させることで建物や空間の大きさを強調する
  • 広告写真は通行人とのスケール感を表現できる
  • 等間隔を撮影すると左右対称になり、美しく安定して見える
  • 全景、中景、遠景という3つの距離の関係性を意識する
  • 類似の関係性を意識することで視覚的な面白さが出る
  • 色に意識して整理することで色を活かした写真が撮れる
  • 雨の日は傘の色に注目する
  • 被写体が持つイメージから関係性を引き出す
  • 予想外なことに気づける観察の目を持って歩くことが重要

さいごに

これまでご紹介してきた様に写真の構成要素の関係性を考えて撮影することで、写真の意図が明確になり、見る側にもその意図が伝わりやすくなります。

今回ご紹介した内容がこれからの撮影の参考になれば幸いです。

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