初めまして。おうちでフリーランスフォトグラファーをしている HANA(@hanayuri34)です。
Instagramでライフスタイルを中心にインテリアやコーヒー、植物、アウトドアなどの情報発信をしており、さらに昨年から動画制作に興味を持ち、YouTuberとしても活動しています。
私は美大を卒業後、インテリアショップ、花屋、アクセサリー作家など、自分の好きな事を仕事にしてきました。そして、その経験がテーブルフォトやブツ撮りに活かされていると考えています。
今回はその経験を活かした物撮りで役立つプロップ(小道具)選びや配置のテクニックをご紹介します。
オシャレに魅せる物撮り!センスが問われるプロップ選びのポイント
黄金比を用いる被写体の配置方法
テーブルフォトや、ブツ撮りで抑えておきたいポイントは『光』、『構図』、『色』、『プロップ選び』など沢山ありますが、ここでご紹介したいテクニックは『被写体の配置方法』についてです。
こちらはテーブルフォトだけでなく、インテリアのディスプレイやフラワーアレンジ、料理の盛り付けなどにも活かせるテクニックです。
黄金比とは
黄金比(黄金分割)とは人が見たときに美しく感じる比率の一つで『絶対比率』とも言われています。おおよその数値比率では1:1.618(約5:8)となっています。
古くから建築物や美術作品、自然界においては花や貝殻、種の並び方などに黄金比率が見られ、ロゴやクレジットカード、名刺など身近な物も含め多くの分野で取り入れられている安定した比率とも言われています。
写真では、主に風景写真などの構図(位置)の決め方としてよく黄金比が使われていますが、この黄金比を面積としてブツ撮りに取り入れることで、バランスの取れた写真を撮ることができます。
ここでわかりやすく黄金比を使って3つのグループ分けをします。
日本フラワーデザインより
①主なグループ 「8」
中心軸を決め、中心軸から外したところに一番大きなグループ①を置きます。写真に占める比率としては「8」とします。
②対抗するグループ 「5」
配置としては主なグループの一番遠くに配置しバランスを取ります。写真に占める比率としては「5」とします。
③寄り添うグループ 「3」
主なグループに寄り添うようにレイアウトされたサブのグループです。写真に占める比率としては「3」とします。
黄金比の参考例
黄金比の分かりやすくなるように、写真の中に三角形をいれてみました。プロップのサイズもあるので、面積の比率は目安でご参考にしてください。
このように正三角形に配置するのではなく、黄金比を使って不等辺三角形や二等辺三角形の配置するとリズミカルに見えます。逆に、プロップを均等に置くと動きが無くなりリズミカルに見えません。
同じサイズのプロップを使う場合は、高低差や奥行きを意識して配置するとバランス良く配置することが出来ます。そこで便利なのは本やコンポート皿など段付けできるアイテムです。
高低差の変化をつけて空間にリズムを出し、全体としてバランスを取ることが出来ます。
テーブルフォトでテイスト別オススメのプロップ
続いてテイスト別でおすすめなプロップをご紹介します。
テイストとは「ナチュラル」、「クラシック」、「ノスタルジック」、「ポップ」、「フェミニン」、「アンティーク」など様々ですが、簡単に取り入れられるプロップとして私は普段からペン・メガネ・ノート・布など、数種類常備し、撮影に取り入れています。
例えば、ペンひとつ取ってもボールペン、万年筆、カラーペン、ガラスペン、ローラーボール、鉛筆など色々な選択肢があり、価格も抑えられ、数百円から入手することが出来ます。
これらはテイストやカラー、季節、シーンなど表現する際に取り入れやすいプロップで、オススメなアイテムです。
左:アンティーク、右:クラシック
少し印象の違うアイテムを普段から選んでみると、さまざまなシーンのテーブルフォトで活躍できます。お買い物される際は是非意識して選んでみてください。
テーマとストーリーで決めるプロップ選びのポイント
撮影をする際に重要なのがまずテーマやストーリーを考えることです。ここで何を伝えたいのか、テーマを明確にしているとプロップ選びで迷いにくくなります。
例えば、テーマとしては「アンティーク」にするか「クラシック」にするのかなど、具体的にテーマ選定を行います。今回は「ナチュラル」をテーマに置き、紹介していきたいと思います。
テーマが決まったら次にストーリーを考えます。こちらの写真撮影の際に考えたストーリーは「カフェで仕事をしながらランチタイム」でした。
ここで、私はカフェで使用されているような余白を取れる大きめなお皿を選び、ゆとりある時間や空間を演出しました。
こちらのお皿は普段から使用している『iittala』のTeema 26cmプレートで、今回は白いお皿を使用しています。白いお皿は、どのようなテーマ設定においても使用しやすいアイテムとして気に入っており、プロップ選びに迷うときに重宝しています。
また、私はキャラクターものやブランド名が入っているものは雰囲気を損ねる場合があるので、極力避けて選んでいます。
次にテーブルの上に置いてあるノートとペンも「仕事」を演出するために配置しました。
メインはパスタなのでノートやペンはフェードアウトさせてさりげなく配置しています。椅子の上には女性らしい膝掛けを添え、季節感も伝わるようにしています。このように季節ものを入れ込むことで、今回の撮影では肌寒い季節を演出できます。
ラグ、膝掛け、家具、お皿など、全てのプロップを3、4色に抑えるとまとまりのある一枚に仕上げられます。
カラーコーディネートの配色時の黄金比率
配置の黄金比について前述しましたが、次はカラー配色の黄金比率について説明します。
カラー配色の黄金比率は、ベースカラー70:アソートカラー25:アクセントカラー5で示され、インテリア、フラワーコーディネート、ウェブサイトなど様々なシーンで活用できるテクニックです。
大体の目安ですが、今回はテーブルやお皿のホワイト色をベースカラーとし、ラグや床、椅子のブラウン色をアソートカラー、ペンとカトラリーのブラックをアクセントカラーに設定しました。
ベースカラーとアクセントカラー明度や彩度の差が大きい組み合わせにすると全体がまとまって見えます。
このように色の組み合わせでもプロップ選びに活用することができます。
こだわりのインテリアショップの見つけかた
私はプロップをインターネットで購入する事もありますが、素材感など直接手にとって見たいので、インテリアショップなど直接足を運んで調達しています。
元々、インテリアショップ店員だったこともあり、普段からインテリアショップ巡りが好きで、「このインテリアショップは間違いない」と信頼しているお店をピックアップしています。
私が選ぶインテリアショップの共通しているポイントは、素材感のあるものを取り扱っているお店で、テーブルや椅子など一枚板の無垢の木で作られているなど、家具にこだわりの強いお店は、雑貨にもこだわりを持っている印象があります。
最後に、私が普段からプロップの購入をしているインテリアショップを以下に紹介します。関西圏が多くなりますが、ネット販売もされているのでチェックしてみてください。
- 70B 京都
- ACTUS
- ANTRY 大阪
- CRASH GATE
- IDEE
- TRAUK 大阪
- Zara Home
まとめ
プロップの選び方まとめ
- 配置は黄金比率を取り入れる
- 不等辺三角形や二等辺三角形に配置する
- 普段使用している小物でもテイストやカラー、季節、シーンを演出できる
- まずテーマやストーリーを考える
- カラー配色の黄金比率を取り入れる
- 普段から信頼できるインテリアショップをピックアップしておく
HANA氏のYouTubeはこちらから
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