はじめまして、都内の会社でフォトグラファーとして従事しているTanico(Tanico1996)と申します。
一眼のカメラは5年前から触るようになり、本格的に仕事として扱うようになったのは2年ほど前からです。普段は週末に「写真で遊ぶ」をモットーに趣味の創作写真を撮っており、公私共にフードフォトをメインに撮っています。
今回は普段私が行っているアイデアの見つけ方や、そのアイデアを実際にカタチにする方法などをお話します。
写真で遊ぶ!アイデアとタイトルで魅せる物撮り
「写真で遊ぶ」作品を生み出す方法
まずはじめに、私が今ままで撮影した作品と共に、アイデアがどのように作品として生み出されたか紹介させていただきます。
日常からヒントを得る
額縁世界
この写真は、勤め先の会社で手でフレームを作って悩んでいる人を見かけた時、「風景写真のなかにフレームを落とし込めば、面白い作品ができそう!」と思いつき、生まれたものです。
額縁の中に映る部分をはっきり写し額縁外をボカすことで、主役がより強調され、よくみる普段の風景がすこし特別な世界のように感じられます。
中を見る
この写真は、スーパーでキャベツを買うときに、どのキャベツを選べばいいか分からなくなってしまった時に「なるべく詰まっていて質のいいものを選びたい、中身をみたいっ!」と思ったことがきっかけで撮りました。野菜や果物を切っていないものと切ったもの別々に分けて撮影し、Photoshopで組み合わせた加工をしています。
身の回りのものや日常でみかけるものにヒントは必ず隠れているので、よく周りを観察してみると良いと思います。
写真に文字をいれて表現する
逆説じゃんけん
写真の中に直接文字をいれることで、写真に込めた思いや意味を見る人により分かりやすく伝える手助けになります。
この写真では、紙がパーではさみがチョキ、石はグーという補足説明の文字をいれただけでなく、効果音も追加することで、写真の臨場感を表現することができました。
作品から影響を受け自分の作品にする
ほんとうのすがた
アイデアをミュージックビデオやSF映画、美術品を見たインスピレーションを自分で咀嚼し、組み換えてオリジナルの作品に仕上げる場合もあります。
これは映画で主人公が鏡を見てメイクして変わっていくシーンを観た時にひらめいた写真です。自分が食べていたポップコーンを重ね合わせて「ポップコーンのビフォーアフター」を写したら面白そうと思い、作品に仕上げました。
ダジャレなどを使った言葉遊び
おにぎり
これは、おにぎりの”おに”を、”鬼”と掛け合わせて撮影した作品です。おにぎりの写真をシャドウがくっきり出るよう撮影し、後から角の形をした型紙をおにぎりにつけて再度撮影し、Photoshopで合成しました。
「ふとんがふっとんだ」や「れもんのいれもん」など、思わずクスっとなってしまうようなダジャレを具現化してみたいなと常に考えており、簡単かつ分かりやすくて馴染みのあるものを題材にすることもあります。
ストロボを使った撮影技法を取り入れる
ふりかけの子
この4枚の写真は、購入したふりかけの商品名が人の名前みたいだなと気づいたことがきっかけで撮影しました。撮影の際にストロボを使い、陰影をしっかりと出し、平面置きではないことでシンプルなものでも見ばえするようにしました。
ライティングのテクニックなどの撮影技法を取り入れることで、光を使った表現方法を身につけることができ、多くの発想に結びつきます。「ストロボかぁ…難しいし、使いたくないなあ」と思ってる人がいたら騙されたと思って一度でも使っていただけたらと思います。
浮かんできたアイデアを具現化する方法
私は、頭から生み出したアイデアを具現化するために、よく絵コンテを作成してから撮影に望みます。ライティングなどの配置はあまりはっきりとは決めず、作品の85%くらいは絵を描いてどのように撮るか決めています。
頭で思い浮かべたものをそのまま実現することが難しい場合は、自分が分かればどんなに汚くてもいいので、まずは絵に描いて可視化することが一番いい練習になると思います。
ストロボの位置はこの時点では正確に決めず、おおよその場所に置くことをイメージしてみるといいかもしれません。
さらに私の場合、写真に関する基本な知識を身につけていたおかげで頭の中で思い浮かべているアイデアをより具現化しやすくなりました。ISOやF値、シャッタースピードのメリットとデメリットなどの知識を得ることで、自分に何ができるか分かり、そこからアイデアが生まれることもあるので、身につけておくといいでしょう。
作品のおもしろさを伝えるタイトルの重要性
私は、写真だけで面白さを表現するだけでなく、作品にタイトルを付けて多くの人が直感的に面白いと思える作品を表現することを大切にしています。
特にタイトルを先に決めてから写真を撮るなどの決まりはなく、写真を撮った後にタイトルをつけたり、写真を撮る前の段階でタイトルが思い浮かび、それに基づいて作品を撮ることもあります。
さらに、私がタイトルを作る時は短文でわかりやすく、見る人が「どういうこと?」と思わせないような文章を意識して作成します。
例としてあげると、この写真は、”触れてはいけないもの”という意味の例えで使われるパンドラの箱を、パンとどら焼きを使って表現しています。”パンどらの箱”というタイトルがあるだけで、上の写真だけを見ただけではピンとこなかった人も「なるほど!」と意味を理解する手助けになります。
物撮りを楽しむオススメ卓上キット
最後に、私が普段の撮影で使用しているセットを紹介させていただきます。もしもストロボがない場合は、太陽光が左右どちらからか入る窓があれば問題ありません。
- ストロボ2灯
- ソフトボックス2つ
- レフ板
- 大きめのケント紙(背景用)
- 三脚
- 小道具
元々私は太陽光のみで撮影をしていましたが、太陽光だけでは季節によって太陽の入り方がよく変わり、思い通りに光が入らず撮りたい写真がきちんと撮れないと頭を悩ませていました。
ストロボとソフトボックスを購入してからは、朝昼晩どんな季節でも同じ太陽光と似た光をいつでも表現することができ、表現の幅がぐっと広がりました。今では撮影をする時はほぼ必ずストロボを使うようになっています。
また、ストロボで光の当て方を学ぶことで、先程紹介した「おにぎり」のように影で魅せる作品ができたり、外で撮影するときに太陽光をどこに当てたら良いか理解できるようになるのでストロボは私にとって必要不可欠な存在になりました。
ちなみに、私の撮影ではよく背景紙や撮影用の食器、針金やタコ糸などの小道具を使っていて、材料はホームセンターや100円ショップなどで購入しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
物撮りに限らず、写真を撮るときはとにかく自分が楽しいと思えるものから始めてみましょう。写真ではないものからもインプットができるように、頭の中で常に変換する力を身につけておくと、普段の生活がより楽しくなると思います。
そして、作品にタイトルをつけてあげることで、自然とその作品に愛着が湧き、撮影したときの思いが記憶にしっかりと残るのでおすすめです。是非、ご自身の作品にタイトルという名前をつけてあげてください。
少しでも多くの方が、写真で遊ぶきっかけを得ることができればと思います。
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