前回の自然光編に対して、今回はストロボ編としてやります。
こんにちは、あきりん @crypingraphyです。
ストロボとは何か、なんて事は知りたければいくらでもネット上に文献はあるので
そういう事はしません。この記事で説明したいのは、自分がストロボライティングをはじめるにあたり
情報が不足していて実践しなければわからなかったようなことです。
ですが、まず何故ストロボなのか、どうして決めたのか、という事だけは書いておきます。
スピードライトを使ってみよう!
自然光について
何故ストロボなのか
ようは、何故モノブロックではなくスピードライト(ストロボ)なのかということですね。
自分がライティングをはじめたのは昨年の3月です。広告やファッションのような写真を何故
自分は撮れないのだろう?どうしたらいいのだろう?と考えていたところ、ライティングが
足りていないのかもしれないと、薄々気づいたのでした。
しかし、当時はライティングがその答えなのかもわかっておらず、いきなりモノブロックを
購入するのはハードルが高かったので、ストロボを一つ購入して試してみました。
それでレフ板を駆使してやってみると、ビンゴだったんですね。はい、正解と。
これがその時の写真です。
初めてのライティングにしては上出来じゃないですかね汗
これが撮れてしまったことで、逆に言うと
「モノブロックに比べて安価なストロボでも撮れる」
という事もわかってしまったのです。
スタジオワークよりもロケーション撮影がメインの自分にとっては、電池駆動で持ち運びもしやすい
ストロボに心が傾くのは当然のことでした。そうして二灯のストロボ追加して三灯体制で今はやっています。
モノブロックが欲しいなと思うこともありますが、今のところ満足しています。
ストロボの選び方
ストロボの選び方には、いくつかあるのですが、自分が重視する要素として以下があります。
- ガイドナンバー
- チャージ
- 耐久性
- 付属機能
ガイドナンバー
ガイドナンバーとは。
http://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/24/02.html
フラッシュ撮影では、被写体にフラッシュの光が当たることで被写体を明るく写します。
ただし、内蔵フラッシュで被写体を明るくできる距離は限られています。
フラッシュで被写体を明るく写すことができる距離は、フラッシュの発光量(ガイドナンバー)によって変わります。
ガイドナンバーが大きいほど、より遠くの被写体を適正露出で撮影できます。
ということで、この値が大きいほど光が強いのです。
大は小を兼ねるということで、この値は大きければ大きいほど良いです。
かといって、ガイドナンバーの大きさだけをみて、耐久性やその他の機能を蔑ろにすることはおすすめできません。
また、モノブロックは、光量がストロボよりも高いです。
チャージ
チャージとは、何かというと、ストロボというのはあまりフル発光の連写に向いていません。
一度フル発光すると、もう一度可能になるまで数秒かかるんですね。
その速度は、当然はやければ早いほど良いので、そのことです。
購入する際には、この点も確認するようにするとよいですね。
また、メーカーによってはパワーパックといって、チャージを早くする為の
バッテリーのようなものを用意してくれていたりもするので、そういうチャージ対策が
可能なメーカーにしておくと、色々と捗ると思います。
モノブロックは、このチャージ時間が早いというのも特徴です。
耐久性
これは防塵防滴性ではないですが、単純にその個体としての耐久性能です。
ストロボというのは、基本的に消耗品らしくてですね、いつか使えなくらしいんです。
なので、そのストロボ自体が故障も少なく信頼できる製品であるという事は非常に大事です。
自分は一度、あるストロボを落としてしまった事があります。
ちょっと土の上に落ちた程度なのですが、その場で使えなくなりました。死亡です。
そこで今使っているストロボに買い換えたのですが、これは全然だいじょうぶです。
それでも一度アスファルトとこんにちはした時は死亡しましたが、基本的に丈夫です。
機能
例えば、FPやTTL機能などストロボに備えられている機能は多々ありますが、
自分はTTLを一切使いません。FP発光も使わないので、正直一切機能は求めていません笑
なので、逆に変な機能をたくさん積んでいて、そのために高額になっているようなものは避けます。
特に、TTL機能を強化しているような製品というのは、逆に自分には向かないと考えます。
使用ストロボ
Nissin i866 Mark II
自分が現在、使用している三灯のストロボは、全てこちらの商品です。
http://www.nissin-japan.com/di866mkii.html
ニッシンデジタルのi866 Mark II。これはガイドナンバーが40(35mm / ISO100)もあり
純正34のガイドナンバーを半額以下で遥かに越える光量なんですよ。(Nikon比較)
しかも、先ほど例に出した耐久性も兼ねていて、全然丈夫なんです。
(当然、大切に扱いましょう。自分は扱いが鬼すぎるだけです。)
同社には、MG8000という、i866 Mark IIと同じ性能でありながら
チャージに特化したという製品もあるのですが、自分はあまり連写をしないのと
存在を知らずに、i866 Mark IIを購入してしまった経緯もあり、こちらを利用しています。
また、同社にはチャージを早くするパワーパックも用意されており、本格的に使用する事になっても問題ありません。
http://www.nissin-japan.com/powerpack_ps8.html
まあ自分は、上にも書いたように、ライティング時には、撮るべき写真が決まっていることが基準なので
あまり連写する事がなく、チャージがそこまで必要でないという事もあり、いまのところ持っていません。
ですが、まあいずれ買うでしょう。
とにかくおすすめのストロボです。
オフカメラライティング
Nissin i866 Mark II, Cactus V6使用。
例えば、この写真もオフカメラライティングです。
せっかくストロボを三台買っても、当然、カメラに三台取り付けることはできません。
カメラ上部にあるクリップオンには、一つしか付けられないですね。
クリップオンと言うくらいですから、「オン」カメラなんです。
で、逆にカメラから離してストロボライティングする事を、「オフカメラ」とか言います。
つまり、自分がやっている事や、今話していたことは全て「オフカメラライティング」を前提にしています。
イルコ(https://www.facebook.com/ilko.allexandroff.photography/)
浅岡さん(https://www.facebook.com/shoichi.photo/)で
両名が、オフカメラライティング、ストロビストとして有名ですよね。
オフカメラの為に
では、オフカメラをする為にはどうしたらよいかというと、方法はいくつかあります。
・赤外線
・無線
・光
カメラにフラッシュが内蔵されている場合であれば、カメラの内蔵フラッシュに連動させて
オフカメラストロボを発行させるという手段もありますが、距離が遠いと連動できなかったり
物陰に隠れているストロボは反応しなかったりします。
大抵、撮影時にストロボ自体は見せたくないわけで、物陰に隠すのが常なので、
これはあまりおすすめできません。
Cactus V6
Image Vision社が代理販売している Cactus V6というワイヤレスフラッシュトランシーバーがおすすめです。
http://www.imagevision.jp/products/cactusv6.html
TTLを使わないので、自分の場合はストロボごとに強さを調整する必要があるのですが、
これをカメラに一つ、各ストロボに一つずつつけると、カメラ側で移動せずに光量を調整できるのです。
こんな良い話はないということで、真っ先に購入しました。
しかもメーカー指定がないので、これだけ購入すれば大丈夫です。
それまでは、YOUGNUOの製品を使っていました。
http://www.amazon.co.jp/Yongnuo-YN-622C-Wireless-Trigger-TTLワイヤレスフラッシュトリガー/dp/B0090WRW78/ref=sr_1_8?s=electronics&ie=UTF8&qid=1447322066&sr=1-8&keywords=yongnuo
光の種類
さて、ここからが本題です。
前回、自然後編(https://www.artratio.net/gears/2015/11/1708)で光の硬さ/柔らかさについては話しました。
この法則は、ストロボライティングであっても変わりません。
ですが、まず第一にストロボ直当てというのは、非常に硬いです。
これはiPhoneや写ルンですなどのフラッシュを想像してもらえるとわかりやすいと思います。
それはそれで味もあるんですが、例えばそれでは先ほど示したサンプルのような柔らかさはでません。
ストロボをせっかく使うからには、硬すぎず、且つハイライトが印象的に残るようなライティングをしたいですよね。
特に、自分のライティングというのは、決して暗いから使うというわけではありません。
自分のライティングをコントロールする為に使うのです。
光と影を創造するために使っているので、硬さ/柔らかさもイメージできなければいけないですね。
そしてその為に、一番大切な事はですよ
「完成図を想像しておく」ということです。
何にでもライティングしたら良いというわけではないですよ。
味噌汁にマヨネーズは駄目ですからね。
柔らかさ
Nissin i866 Mark II, Yongnuo RF603, Umbrella 60
例えばこの写真の光が柔らかいのは、バウンスさせているからです。
先ほど上に書いたように、ストロボの直接光というのは硬いです。
ですので、基本的には、それより柔らかくしていおくという事が大事です。
柔らかくする為には、大きく分けて二つの方法があり
・バウンス
・ディフューズ
です。
バウンスというのは、反射させて光を弱めるという事ですね。
これはレフ板と同じ原理です。自然光編で説明しましたね。
ディフューズというのは、紗幕と言われるような白い布などを間において
光を通過させて弱めるということです。
反射ではなく、間に障害物をおくことで弱めるということですね、でもその障害は透過性のものでなければなりません。
光の拡散
Nissin i866 Mark II x2, Yongnuo RF603, Softbox 60 x 2
これは光の柔らかさがどれだけあるかという事に通じます。
基本的に、光の面が広ければ広いほど、柔らかいです。
つまり、レフ板が大きければ大きいほど反射光は柔らかくなり
ソフトボックスであれば、ボックスの面積が大きければ大きいほど柔らかい。
直進性
光というのは、理科の授業で習ったと思いますが、オレは全然覚えていません。
いま一度かろうじて思い出すと、光は光源から放射状に広がっていくんですよ。
つまり、ドラゴンボールでいうところのかめはめ波のようなモノです。
それと比較して、広がりをもたずに直進すること、指向性をもっている光もあります。
どういうことなのかというと、そうです、例えば魔貫光殺砲です。
現実の例でいうと、舞台のスポットライトなどですね。
極端な例ですが、全身を撮る際に、顔にだけ光を強く当てたい。
なんて時にはこの魔貫光殺砲が大事なんです。
Nissin i866 Mark II, Cactus V6, Softbox 60.
例えばこの写真で、肌の一部だけハイライトが強くでていますが、このあたりは直進性によるものなんですね。
光というのは、イメージしづらいですが、
一秒間あれば地球を七周半する速度があります。
つまり、だいたい意識した時には個人差はありますが大体地球七周してるってことです。
ですが、これについては、ストロボ時のシャッタースピードも負けていません。1/160秒とかですからね
光に地球七周させる隙を与えないわけです。
と考えると、水や風の流れのように、意識可能な物体として捉えることができるわけです。
まあ、気持ちの問題なんですけど。
ちょっと話が逸れましたが、直進性というのは、魔貫光殺砲ということなんです。
ピッコロ最高ということなんです。
例えば、君といるだけで、心が強くなれること
以上を踏まえて、例を挙げます。
とにかく柔らかい光が欲しい時
- バウンスさせて柔らかくする。
- ディフューズさせて柔らかくする。
- 光の面を大きくして柔らかくする。
柔らかく陰影をつけたい時
- 光の直進性を求める。
ん?これだけじゃ抽象的過ぎてよくわからない。
ような気がする。そうですよね。すみません。
そもそもどうやってバウンスさせるの?
ディフューズってなんだよ。という声が聞こえてきそうです。
ということで、次回は具体的にどういう機材を使えばよいかという事を紹介します。
※本記事は、過去記事のアップデート版です。