生活に花の彩りを。 花のある暮らしのすすめ

ヒーコ読者の皆さま、はじめまして。フォトグラファーの那須さやか(@__artbitch__)と申します。2年前に会社員から独立し、現在は関西を拠点に活動をしております。

唐突ですが、皆さまは撮影をするうえで「自分のテーマ」はありますか? 私はあります。それが、「Bitch(ビッチ)」です。名前だけ聞くと語弊を生んでしまいますが、

Beautiful, Inteligent, Talented, Creative, Honest“ 

それぞれの頭文字を取って、Bitchと呼んでいます。自分のアカウント名にも入れるくらいこの言葉が好きで、どのジャンルでもBitchをテーマに撮影を行っております。そんな私が最もBitchを感じる被写体があります。それが『花』です。

写真好きの皆さまにとっては、季節の花を撮ったり、ポートレートのプロップに使用したりと、非常に身近な被写体の一つだと思います。私にとっての花は、癒しであり、インスピレーションを掻き立てる刺激であり、絶対に欠かせない存在です。

花を単なる被写体としてでなく、生活の一部として愛でてほしい。今回はそんな思いを込めて、花のある暮らしについて語っていきたいと思います。

生活に花の彩りを。 花のある暮らしのすすめ

ドライフラワーも良いけれど、生花で生命を感じたい

花のある暮らしの魅力は何と言っても、”生命”を身近に感じさせてくれることです。

花開く前の蕾のコロンとした姿、開花した際の鮮やかな色や模様、そして落ちていく葉や花びらの切なさ。生まれてから死にゆくまでの全てが愛おしく、日々変わりゆく姿を観察することに喜びを感じます。

また、生花は暮らしの中に季節を巡らせてくれます。季節で変わる光の入り方を見て、「この時期はどこにどう置こうか?」「そのために空間をどう活かそうか?」など、インテリアにも気を使うようになりました。

なぜ私がこんなにも花好きになったのか。それは、ある写真家との出会いがきっかけでした。

ロバート・メープルソープが切り取る圧倒的な花の佇まい

私の好きな写真家の一人、ロバート・メープルソープ。率直で官能的な表現は常に議論の的で、日本では彼の写真集の輸入を禁じられる事件が起こったこともあります。

そんな彼の代表的なモチーフの一つが、花です。【Flowers】という写真集では、当時同棲をしていた恋人との生活の中にある様々な花が切り取られています。

生活に溶け込む花の佇まい、淫靡さ、官能さ。そして何より花の魅力を最大限に引き出す彼のイコノグラフィーに至高のアートを感じました。

彼の美しい花々に圧倒されて以来、花を自分の新たなアートピースとして昇華できるようになりたいと考えるようになったのです。

魅力的な花と出会える場所

ぜひ撮影したいと思える魅力的な花とはどこで出会えるのでしょう。

私は昔からスーパーや商店街にあるような花屋さんでよく花を買っていました。スーパーで売っている花を買う場合は、蕾の状態のものをお選びください。開いた綺麗な花を選びたい気持ちもわかりますが、鮮度が良くなかったり、寿命が短かったりするものが多いので、せっかく飾っても数日で枯れてしまう可能性があります。

また、様々な花が入っているアソートより、百合や芍薬など一輪でも存在感のある種類のお花がオススメです。お部屋に取り入れやすいですし、手入れもしやすいです。

あと、道の駅にはその時期の季節の花が必ずあるので、訪れる機会があればぜひ探してみてください。値段もかなりお手頃ですし、花屋さんで売っている花より野性味に溢れていて、新鮮で元気な印象があります。

ちなみに私はここ最近、兵庫県芦屋にある”CAMEL”という花屋さんで購入しています。店主のあかねさんが巡り合わせてくれる草花は、どれも今まで出会ったことのないような個性的でユニークなものが多く、CAMELへ足を運ぶ度に魅了されています。

あかねさんと花について話したり、知識を教わる時間が私の癒しで、そんな花を連れて帰ることが何よりの楽しみです。

少し毒々しい、官能的な花が好き

好きな花はたくさんありますが、個性的な色や特徴をした花がタイプです。官能さも持ち合わせ、異色を放つような花に惹かれます。

一番好きな花は蘭。胡蝶蘭が有名ですが、私が好きなのは血管のような模様をしていたり、色合いがちょっと毒々しい種類です。種類も豊富で、香りも楽しめます。

ジャーマンアイリスやアマリリスも好きです。一見どれも美しいのですが、よく見たらグロテスクだったり変なところがあるのが魅力です。

作業や納期に行き詰まっているとき、ふと部屋に飾ってある草花を眺めると、心がすっと軽くなりリラックスできます。それと同時に、インスピレーションが湧き、クリエイティブな気持ちにもなるので、つくづく花は不思議な存在だなと感じます。

花によって掻き立てられたクリエイティブ、3選

花からインスピレーションを受けて撮影した作品は数知れず。中でも以下の3つは思い入れや、好きが心底詰まっています。

①Flowers and People

「花を擬人化させたい」と思ってできた作品です。男性・女性という区別をつけず、ジェンダーレスをイメージ。擬人化させたのは、白のグロリオサというお花です。

②CAMEL’s flower

大好きなお店”CAMEL”をイメージした店主あかねさんとの作品です。色とりどりのジャーマンアイリスが光を掬うようなシーンを切り取りました。

③flower,clay,beautiful props

これもCAMELの花たちを様々な花器たちと組み合わせました。季節の生花と陶器や石など、プロップスタイリングが活きている作品となっています。

一輪の花をあなたの部屋に

花を生活に取り入れることは、心に余裕を生みます。お気にいりの花屋に出会うことや、花器を見つけることは、花を身近に生活に取り入れるきっかけになります。

花器たちはここ数年で集めるようになりました。ガラス、陶器、石など、質感が違う花器を並べることが個人的には好きです。

花がない状態でも立派なインテリアになり、眺めているだけで心が豊かになります。

束ねてある花束をそのままどさっと活けることも素敵ですが、ヒーコ読者さまには一輪ずつ飾ることを個人的にお勧めしたいです。「難しそうだし、そもそもそんなに花器を持っていない」という方は、様々なサイズのグラスを花器として使用するのもオススメです(もしくは空のラベルレスなペットボトルでもすっごく可愛いです)。

花器ではないものに、花を自由に活けてみるのも自分の心や想像力に向き合う時間になります。花選びに困ったらそのまま花屋さんにお伝えしてみても良いと思います。日常や暮らしの中に、自分が美しいと思うものを置いておくと幸福感が生まれます。

「今日はどんな花を飾ろうか?」「自分に小さなご褒美をあげよう」 そんなワクワクする花との出会いによって、皆さまの感性や美的感覚がより豊かになりますように。

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