SNS出身フォトグラファーが考える、BenQ PD2705Uを使った色にこだわるSNS写真の編集術

こんにちは!フォトグラファーの酒井貴弘(@sakaitakahiro_)です。普段はポートレートを中心に広告や雑誌などで撮影をしています。

今回はキャリブレーションモニターを使うSNS上でのメリットとAdobe Lightroomの編集についてお話しさせていただきます。

はじめに

キャリブレーションモニターについて

キャリブレーションモニターとはなんだろうという方もいると思いますが、画面で表示されるものを「正確な色」として映し出せるように画面の色を調整できるモニターのことです。写真を仕事にしているプロやデザイナーなどが使うというイメージをお持ちの方が多いと思います。実際細かい色の調整などが必要となる広告の現場では必ずと言っていいほど使われています。

しかし今や誰もが写真を撮ってSNSに写真を上げる時代。この記事を通して、写真の色について改めて考えていきます。

今回使用するモニターの詳細はこちら

SNSとキャリブレーションモニター

広告や印刷など色に関する仕事をしておらず、写真を趣味としてSNSをメインに活動されている方にとってキャリブレーションモニターは未知の世界に感じるのではないでしょうか(僕もそうでした)。SNSでの活動で色なんて関係ないのではと思われる方もいるかもしれませんが、実はスマートフォンやパソコンなど、メーカーや機種によって色の見え方には差があります。自分のモニターでは綺麗に見えても、他のモニターでは想定以上に変に表示されるなんてこともしばしば。しかし、キャリブレーションモニターを使えば一般的な基準に則した「正確な色」で編集ができるので、他のモニターで見たときに大きく崩れる心配を防ぐことができます。

カラーマネジメントモニター(BenQ PD2705U)を実際に使ってみました

自分の写真のクオリティや作業効率が上がるならモニターの導入を検討したいという方、興味はあっても購入するのを悩まれている方などにとって、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。今回はBenQのPDシリーズ PD2705Uを実際に使用し、僕がいつもLightroomで現像をする際に気を付けているポイントを紹介しながら、カラーマネジメントモニターについてお伝えいたします。

BenQ PDシリーズはSNSへの投稿にも最適!

まずはBenQ PDシリーズのご紹介です。PDシリーズはデザイナーディスプレイとも呼ばれていて、写真のプロフェッショナルではない方でも使いやすい仕様になっています。値段も上位機種と比べるとなんと半分程度で導入しやすく、それでいてsRGBとRec.709を99%カバーしているので、SNSやWEB上での写真にこだわりたい方でも十分満足してもらえるでしょう。

Mac製品の映りを再現できるM-Bookモード


またPDシリーズにはM-Bookモードという、MacBookのカラースペックをモニター上でシミュレートできる便利なモードがあります。MacBookなどノートパソコンは写真編集をするのには画面が小さく、また外付けモニターの多くはMacBookの色味を再現してくれません。そのため高解像度の大画面で色味を再現でき、写真を細部まで確認できるPD2705UのM-Bookモードはとても便利です。他にもsRGBモードや、暗い部屋での作業に最適な暗室モードなど、状況や環境に合わせた設定ができるのも魅力です。

写真編集の際に気を付けている3つのポイント

それではカラーマネジメントモニターBenQ PD2705Uを使った実際の作業風景をお見せしながら、写真の編集時に気を付けている3つのポイントについてご紹介していきます。

使って気づいた、編集のモチベーションが上がる大画面27型

実際の編集作業に入る前に、モニターを使用してみて改めて実感したことがありました。それは、画面が大きいと編集の時にモチベーションが上がるということです。自分の撮った写真が大画面で表示されるので、とても迫力がありテンションが上がります。さらに高精細の4Kのモニターで見ると、なんだかちょっと自分の写真っていいかもなんて思えちゃいました(笑)

大画面4Kモニターのメリットは細部まで見ることができるし、画面が大きいことは編集する際のモチベーションアップにも繋がります。

そんなモチベーションのアップがUSB Type-C一本とお手軽な接続で実現できるので、これはとても良いなと感じました。

Lightroom現像3つのポイント

それでは、実際に僕が編集の時に気を付けている3つのポイントをご紹介いたします。

1.階調のグラデーション

僕が編集の際に気を付けているポイントの一つ目は「階調のグラデーション」です。

シャドウからハイライトへのグラデーションがなるべく滑らかになるように気を付けていて、今回はトーンカーブを使って調整してみました。イメージとしては少しコントラストをつけるようにしつつ、階調に気を付けながら中間部を起こすようなイメージです。モニターが大きいため細かくトーンカーブをいじる事ができ、小さな色の変化も見やすく、とても調整がしやすかったです。

2.シャドウの調整

そして次に気を付けているポイントは「シャドウの調整」です。

僕はよく編集について相談をされることがあるのですが、その際にシャドウの締めすぎや起こしすぎを気にすることが多いので、このシャドウの調整が上手くいかないと写真のクオリティの低下に繋がります。僕の場合シャドウの調整の判断は髪の毛の質感で見ています。基本的には黒レベルを上げて、シャドウを少し下げながら微調整をします。こちらの調整についても4K UHDと高解像のモニターで階調の変化が見やすく、繊細なニュアンスの表現ができました。

3.グリーンの調整

最後のポイントは「グリーンの調整」 です。

僕は普段、9割近くはデジタルカメラで写真を撮っているのですが、デジタルな印象になり過ぎないように気を付けています。少しフィルム写真の特徴を参考にして、アナログ的な空気感を意識して編集することが多いのですが、デジタルの場合グリーンが色鮮やかに出過ぎてしまうという傾向があるので、グリーンの色味の調整にはいつも特に気を付けています。具体的にはHSLを使ってグリーンの彩度を少し下げることが多いので、今回も微調整をしながら参考画像のようにグリーンの彩度を下げてみました。

納得のいく色味でSNS投稿!

それでは編集した写真を実際にSNSに投稿してみます。今回はM-Bookモードで色味をプレビューしながら作った写真を、iPhoneからInstagramに投稿してみました。

PCで編集した写真をSNSに上げると色が違うというのはよくある話ですが、今回投稿した写真はモニターの見た目と多少の色の違いはあるものの、他のモニターで感じていたものほどの気になる差異はありませんでした。再現性のある基準となる色を作るためにカラーマネジメントモニターは必須ですし、正確な色で写真を表現することで、自分の納得のいく理想の写真に近づくのではないでしょうか。

まとめ

今回実際にBenQ PD2705Uを使用してみて、プロ向けのSWシリーズよりリーズナブルなのに十分満足のいく使用感で、改めて大画面4Kモニターで作業するメリットの大きさを実感しました。「細かな写真の調整」「色の再現性」「正確な色の確認」などは、大画面4Kのカラーマネジメントモニターを使わないとできない事なので、より表現の高みを目指したい方に是非オススメしたいモニターです。

今回はLightroom現像のみでしたが、細かい作業が必要となるPhotoshopでのレタッチなどの際には更に需要は高くなると思います。主にSNSでの写真活動をしている方も、今の自分の写真のクオリティを更に向上させるきっかけになると思います。

ぜひ、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

主な仕様

・27 インチ大画面、ノングレア IPS パネル採用、3辺フレームレスでスタイリッシュなデザイン
・4K UHD(3840 x 2160)の高解像度、HDR10 対応
・10-bit カラー、sRGB/Rec.709 99%カバー率
・USB Type-C 対応の接続ポートにて、65W 給電、オーディオ、映像、データ転送が可能
・暗室モード、2つのモードを同時利用できるDualView
・作業効率向上に役立つ KVM スイッチ(パソコン切り替え)機能搭載
・アイケアテクノロジー、フリッカーフリーやブルーライト軽減などにより、目の疲れやダメージを軽減

製品ページはこちら

カラーマネジメントモニター PD2705U詳細

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