スマホ現像派の僕が、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って今までの作品を編集しなおしてみた

はじめまして。フォトグラファーの嵐田大志(@Taishi_Arashida)です。都市光景やファミリーフォトをメインに撮影しており、国内外の雑誌やWebメディアへの写真提供をおこなっています。

秘密にしているわけでもないのですが、実は僕、普段の写真編集の8割以上をスマートフォンでの作業で完結させています…。フォトグラファーの皆様に叱られてしまいそうなのですが、このスタイルに落ち着いたのも、ちゃん理由があります。

写真を見るとき、世の中の多くの人が”何”で見ているでしょうか?それは紙でもパソコンでもなく、スマートフォンなんです。そのため、スマートフォンで写真の編集も行うのが、実際に見てもらうときに一番近い状態だと思っており、このスタイルに辿りつきました。また元々若干のズボラな性格もあり、撮影した後に編集するとき、パソコンを開くのが億劫になりがちで、気が付けば寝転がってスマホで編集するスタイルが定着してしまったのも多少あります(笑)

今回そんな僕に、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cの使用感をお伝えする記事を執筆してほしいとご連絡をいただきました。

「カラーマネジメントされたモニターを使わないと…」と思いながらも、長年スマートフォンでの編集が定着してしまったフォトグラファーだからこその目線で、使用感のレビューができればと思います。

スマホ現像派の僕が、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って今までの作品を編集しなおしてみた

今回BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使用させていただくにあたり、僕の中で検証してみたいことが2つあります。それは「スマートフォンとカラーマネジメントモニターでは、どれだけ編集の仕上がりに違いが生じるか」ということと、「仕上がりの違いは、スマートフォンの画面を通しても分かるものなのか」ということ。

今までに僕がスマートフォンで編集した写真をご紹介しながら検証していこうと思います。

届いたBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cに触れてみて

大きさに衝撃

写真を比較する前に、まずはセットアップ。届いたBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを組み立てていきます。

開封して最初に感じたこと、それはモニターの大きさでした。BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cは27型のモニターです。普段僕が使っている16インチのノートパソコンと比べると、3倍近くの面積になります。スマートフォンと比較すると、なんと25倍…!27型のモニターと分かっていたものの、実際に触れると大きさに衝撃を受けました。

「作業をするとどんなに違うんだろう」と弾む心を抑えながら、組み立て作業をはじめていきます。箱から部品を取り出して、説明書通りにすすめていけば、僕の場合15分程度で完了しました。

面倒な設定は不要

組み立てが完成したモニターにノートパソコンをつないで電源を入れれば、すぐにパソコンの画面がモニターに表示されます。ソフトをダウンロードして設定する、といったちょびっと面倒くさい設定は不要です。

また、USB-Type Cのケーブルをつなぐと、モニターからノートパソコンへ給電が始まります。なんとモニターとノートパソコンをつなげば充電切れの心配いらず。組み立てからここまで、ユーザーが嬉しいと思うポイントが続きますね。

使ってみた第一印象

ノートパソコンをつないだら、早速写真を見ていきます。

まず最初に感じたことは、写真の見え方が全く違うこと。普段編集しているスマートフォンよりも画面のサイズが約25倍大きいと、こうも違うのか!というくらい違いました。(同じ作品を映画館のスクリーンと自宅のテレビで観ても、皆様体感が異なると思いますが、まさにその感覚です。)

また、4Kの解像度・画面の隅々までムラのない表示も相まって、今まで幾度となく見てきたおなじみの自分の写真たちが、ものすごく新鮮に目に映ります。BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cには付属品として遮光フードもあるのですが、環境光やを写り込みを排除してくれるので、クリアな見え方に一役買ってくれています。

冒頭でお伝えしたように、写真は同じ写真でもどのプラットフォームで見るのか(雑誌などの紙媒体か、パソコンでみるのか、スマートフォンで見るのか等)によって最適な表現があり、プラットフォームによって見え方が異なると常々思ってきました。そしてBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cは異次元の見え方でした。薄い膜が1枚剥がれ落ちたような…そんな臨場感のある再現なのです。使い始めは写真をずっと鑑賞していたくなり、おかげでなかなか編集作業に取り掛かれなくなっていました(笑)

今までスマートフォンで編集した作品たち

ここからBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って編集作業にとりかかります。

と、その前に、今までスマートフォンで編集した作品を紹介させてください。

僕はフィルムライクな色調、絵作りが好きで、普段はスマートフォン版のLightroomやVSCOで編集することが多いです。今回ご紹介する写真も、実際にこれらのアプリで編集をしています。

この写真たちを、今回お借りしたBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って改めて編集すると、どのように変わるのでしょうか。出来上がった写真をスマートフォンで見ても、違いを感じることができるのか…。今からワクワクしています。

「はじめてのカラーマネジメントモニターでの編集」

いよいよBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って編集スタートです。先ほどご紹介したスマートフォンで編集した写真たちを、Adobe Lightroomを使って手直ししていきます。

開始直後は、操作する手元とモニターが今まで使っていたノートパソコンの感覚と異なるために少し戸惑いましたが、30分程度作業していると次第に慣れていきました。

この段階でまず気づいたのが、Lightroomのパラメーターやトーンカーブを動かした際の画の変化が、いままでよりもビビットに感じられること。スマートフォンの画面だと、露光+0.1の違いはそこまで認識することができませんでした。しかし、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cだとこの繊細な違いを感じ取ることができるのです。

また、先ほど薄い膜が1枚剥がれ落ちたようなクリアさと述べましたが、それ故に写真によっては粗が目立つ場合もあります。スマートフォンの画面ではそれほど気にならなかったパープルフリンジや高感度ノイズなどが目につくようになりました。今まで編集できていなかった細部まで気になるようになったので、これらを丁寧に修正していきます。

「思い描いた色」との対峙

スマートフォンで編集した写真を、あらためてBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cで見て気づいたことがあります。それはスマートフォンで表示されていた色は思っている色と違ったということ。

実はいままでスマートフォンで編集した写真を紙に印刷した際に、「あれ?なんでこんなに彩度が高く印刷されるんだろう?」という疑問を抱くことがありました。というのも、スマートフォンだと忠実な色が再現されておらず、知らず知らずのうちに編集のタイミングで少し彩度を高く設定してしまっていたようです。

そのためスマートフォンで見る分にはしっくり来ていても、印刷したり違うプラットフォームで見ると、自分が描きたかった色とは少し異なる結果になってしまっていたんです。BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cを利用したことで、今まで抱いていた疑問が氷解するとともに、今まで正しいと思っていたものが崩れ落ちる感覚を覚えました。

このような経緯から、今回の編集では、色ごとに彩度を微調節することが中心となりました。

また、明暗差が大きい写真のシャドウを思い切り上げるように、大幅な調整では画質が劣化することがあります。BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cでは画質の変化がわかりやすかったため、これまで以上に「慎重かつ丁寧に」パラメーターを動かすことを心掛けました。

スマートフォン編集との比較

それでは、先ほどご紹介した写真たちをBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cで編集したものと比較検証していきます。1枚目がスマートフォンで編集したもの、2枚目がモニターで編集したものになります。

いかがでしょう?この記事を読んでくれている皆さん環境が異なるかと思いますが、写真の差は感じていただけたのではないでしょうか。

僕自身スマートフォンとパソコンぞれぞれの環境で確認しましたが、やはりBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って編集した写真のほうが全体のバランスが好ましいと感じました。

フリンジやノイズなども、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを使って編集した写真のほうが丁寧に処理できており、全体の印象がより洗練されたように感じます。神は細部に宿るとは、まさにこのことなのでしょう。

以上のことより、たとえ写真の発表の場がSNSなどスマートフォンのプラットフォームが中心であったとしても、カラーマネジメントが施されたモニターを使う意味は十分にあるな、と実感しました。例えば、SNSでの発信が軸でありつつ、年に数回程度A1サイズなど大きなサイズにプリントする機会があるような方にとっては、とても心強い相棒になるのではないでしょうか。

自分自身の写真と向き合うために

いままで様々なカメラやレンズ、各種機材を試してきた僕ですが、不思議なことにカラーマネジメントモニターについてはずっと避け続けてきていました。そこには「導入しても、きっとそんなに変わらないはず…。」という思いがあったのか、見て見ぬフリをしてきましたが…やはり百聞は一見に如かず。自分自身で実際に触れて・試してみないとわからないものですね。近年良くも悪くもスマートフォンで編集するワークフローが確立していて、新しいことをやろうという気持ちが薄れていました。そんな僕に、今回このような機会をいただけて感謝しています。また、今まで見慣れていた自分の写真を、今一度新鮮な形でみることができたのは、思いもよらない収穫でした。

新型コロナウイルスの影響で撮影に行く機会が減った方も多いかと思います。そんな時期にこそ、このBenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cを活用して、ご自身の写真と向き合うのもよいかもしれません。きっと僕のように新たな収穫があると思います。

最後に

僕が感じた最大の特徴

Adobe RGBのカバー率99%

BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cの強みは何といっても、BenQ社のAQCOLORと呼ばれる技術に裏打ちされた忠実な色再現性です。まず、Adobe RGBのカバー率が99%です。…といっても中々わからりにくいですよね。一口に色再現といっても、世の中にはいくつかの標準化された規格=色空間というものがあります。その中において最も幅広い領域の色を表現することができるのが、Adobe社が開発したAdobe RGBです。

BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cはこの広大な領域の色を99%、つまりほぼ全域をカバーしていて、それによって、繊細なニュアンスも忠実に描くことができるのです。

色空間の切り替え

さらに、ホットキーパックと呼ばれる円形のコントローラーも付属されていて、クリックひとつでAdobe RGBからsRGBという別規格への表示を切り替えたり、モノクロ表示に切り替えることができます。色空間によって表現がどのように変わるか、違いを瞬時に確認することが可能です。

厳格な色校正による、認証の取得も

また、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271CはBenQ社内での厳格な色校正に加えて、外部機関であるPantone・CalMAN(それぞれ印刷業界と放送業界で使われている)の認証を取得しています。なお、より細かく色の調整を行い方は、、BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271Cはハードウェア・キャリブレーションにも対応していますので、ご安心ください。そのほか、スペックなどの詳細は以下をご覧ください。

製品ページはこちら

BenQ 27インチ カラーマネジメントモニターSW271C 詳細

Amazon 販売ページ

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