はじめまして。フォトグラファーのWATARU YONEDA(@wataru_yoneda.photography)です。ファッション写真とポートレートを中心に撮影しており、フォトグラファーの傍ら映像ディレクターとしても活動しています。
突然ですが、皆さんは作業したり写真を見るとき、モニターを使っていますか?
ヒーコを読んでいる多くの方は、写真が好きだったり、ご自身で撮影される方が多いのではないでしょうか。僕もその一人です。そして写真に関わる僕たちはカメラに触れて撮影するだけでなく、編集作業でパソコンとにらめっこする時間も少なくないと思います。カメラだけではなく、モニターもかなり重要となってくるかと思いますので、僕はモニターのクオリティも大事にしています。
今回は、BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cというモニターを使用する機会に恵まれましたので、このモニターならではの魅力を、ヒーコ読者の皆さんにご紹介させていただきます。
写真家がカラーマネージメントモニターへ力を入れるべき理由!プロフォトグラファーのBenQ SW271C 実機レビュー
圧倒的に繊細で、美しい描写力
まずはなんといっても、4K UHDの圧倒的に繊細で美しい描写力。
テレビは4Kだけど、モニターはフルハイビジョンを使っている。そんな方もまだまだ多いのではないでしょうか。実際にプロ仕様のモニターも、現状としてはフルハイビジョンが多い印象をもっています。
そんな中、BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cは4K UHDのため、レタッチの際など、今まで見えにくかったものがしっかりと見えて、とても繊細に描写されました。そのおかげで、モデルの肌などを今まで以上に正確にレタッチを追い込めます。
そしてBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cの色深度は10bitです。8bitモニターと比べるとはるかに広い諧調表示でとても美しいです。コントラスト比は1,000対1なので深い黒を表現することも可能です。このように、細かい部分までしっかり見えるからこそ、より繊細な作業を実現させてくれると感じました。
唯一のデメリットをあげるとすれば、ついついレタッチを追い込んでやってしまうことです(笑)。
画面サイズが27型だからこその、作業効率向上
さらに作業していて気づいたのが、モニターサイズの恩恵です。今まで拡大表示にすると見える部分がごく一部になってしまっていたのですが、モニター自体が大きいことで同じ拡大率でも広範囲で画像が表示されるようになりました。ノートパソコンで拡大表示すると、その部分しか見えず「周りはどうなっているんだろう…」という状態になりやすかったのが、BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cを使うことで解消される感覚です。
そのおかげで写真をセレクトするときのピントチェックもやりやすくなったり、テザリング撮影時(撮影した写真をリアルタイムで確認しながらの撮影)のプレビュー確認の利便性も上がりました。
画面の縦使用が最推しポイント
BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cを使って、僕が最も推したいポイントは画面の縦使用です。
冒頭でもお伝えした通り、僕はモデルなどポートレート撮影がメインで、ファッションカタログや雑誌に掲載される写真の場合は、写真を縦で撮影することが非常に多いです。ポートレート撮影をする方は、同じように縦で撮影する機会が多いのではないでしょうか。
ところが、テザリング撮影するときのプレビューや、レタッチするときに使うモニターは横使用の場合がほとんどです。
横画面の場合、縦画像のプレビューが小さい
ご覧いただいてわかるように、写真の表示が小さくなってしまいます。せっかくの27型のモニターサイズを持て余しています。また、例えばレタッチするとき、顔の確認をする際は顔だけ拡大表示して編集し、都度全体表示に戻しながら全体的なバランスを確認し…という繰り返しで作業効率が少し悪いと感じていました。
縦画面での縦画像表示が見やすい
しかしモニターを縦使用すると、一目瞭然!
画面表示比較


圧倒的に写真表示サイズの違いがわかると思います。拡大表示しないでも広範囲に表示されるので、大画面で写真の全体的なバランスを見ながら細かく肌処理などができるようになりました。
もちろんほかのモニターも縦使用はできるものは多いと思います。しかしBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cは回転機能がついているので、簡単にクルっと回ることができます。場面に応じて使い分けたい僕にとっては、この機動性の高さに助けられました。
実際にテザリング撮影で使ってみた様子
今回の記事を執筆するにあたり、モニターを縦に使用して、実際にテザリング撮影をおこなってきました。プライベートな作品で花を被写体にしてスタジオ撮影した様子となります。
今回の撮影でもモニターを縦で使用することによって、撮ったばかりの写真がモニターいっぱいに確認できるのが、写真をみていただけるとお分かりになると思います。
このように画面いっぱいに確認できることにより、準備段階からたくさんのメリットに気づきました。それはライティングの確認が、今までより遥かに見やすくなったこと。光質の硬さ・柔らかさ、花びらのような小さな被写体でもハイライト・シャドー部分の明暗差などの諧調もとても確認しやすくなりました。
ほかにも、小さいサイズの表示では気づかなかった余分な映り込みや背景のムラにも気づきやすくなったため、今まで以上にライティングをこだわって組むことが出来るようになります。
撮影の前にこうした些細な点に気づくことが出来ると、メインライトをソフトボックスから銀傘に変えたり、グリッドをエフェクトで入れてみたりと、以前に比べてライティングのクオリティーをグッと上げることが出来たように感じます。
ほかにも、モデル撮影の際にもBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cを使ってテザリング撮影をおこなったのですが、ヘアメイクさんやスタイリストさんにも好評いただきました。
先ほどの花の撮影と同じく、準備段階から大きい画面で見ることができ、肌の質感・リップの色味などを本番撮影前に確認できるため、メイク直しの際も容易になります。また、モデル撮影の場合はサイズ調整のため洋服の背中をピンでつまんだりしているので、その映り込みを事前に回避したり、洋服についた小さなゴミなどを事前に気づくこともできました。このような小さな積み重ねで写真のクオリティはどんどん上がっていくのです。
縦使用で利用できるモニターフード
僕がBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cを使ってみて、最も推したいポイントとしてモニターの縦使用についてお話させていただきましたが、実は縦使用でモニターフードが利用できるのも、とっても嬉しいポイントでした。
縦使用は先ほどもお話しした通り、BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cでないモニターでも利用することは可能です。しかし、縦使用しているときにもモニターフードが利用できるというのは、僕の知る限りBenQ社製だけでした。ほかのメーカーですと、あくまで横使用で使うために作られているため、縦使用で無理やり利用すると、このように不格好な感じになってしまいます。
モニターフードが僕らフォトグラファーにとって何故大切なのか。それは、画面に入る余計な光を遮断し、映りこみも防いで画面を見やすくしてくれます。繊細な描写や、忠実な色を再現する必要のある写真用のモニターには、モニターフードが必須アイテムになると僕は思っています。
今まで縦位置でも利用できるモニターフードを散々探しましたが、サードパーティー製品でも縦位置使用のモニターフードは見つけられませんでした。そのため、このBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cで縦位置でもモニターフードが使えた時の感動は忘れられません。
色を忠実に再現するための、7つの各種機能
最後にご紹介したいのは、写真に触れる方の多くがこだわっているであろう、色表現について。BenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cはプロに必要とされる、カラーマネジメントモニターとしての機能が充実していました。たくさんあるので、箇条書きですがご紹介させてください。
- 忠実な色表現を実現するAQCOLOR技術が搭載 ※AQCOLORとは正確性を意味する「Accuracy」と「Color」から生まれたBenQの造語です。
- 色空間はAdobe RGBを99%カバー
- IPSモニターのため、正面以外の角度から見ても変わらない見え方
- 反射せず環境光の影響を受けにくい、ノングレアモニター
- 多彩な映像表示
- USB Cポートを搭載しており、60Wの充電可能
- ハードウェアキャリブレーションへの対応
またサイズも27インチの画面は、昨今主流になりつつあるテレワークでも活用できるサイズです。日本のオフィスでは24インチまたは27インチがよく使われているそうで、モニターを使用されている方であれば、慣れ親しんだサイズ感だと思います。
モニターの購入に悩んでいる方は、候補の1つにBenQ 27型カラーマネジメントモニターSW271Cを検討してみてはいかがですか?
Creative director&Styling:Yann Le Goec
Model:MIOKO(NUMBER EIGHT)
Hair&Make up:Moeka Kanehara(Jari,inc.)