ライティング撮影のスタートアップガイド!3要素を押さえて法則をマスターしよう

こんにちは、黒田明臣(@crypingraphy)です。今回は、ライティング初心者の方が混乱しがちな3つの要素についてお話したいと思います。ライティングに慣れている人は無意識に意識しているポイントです。自分がライティングを組む際に常に意識している3つの要素と、その要素を元にしたセッティングについて紹介したいと思います。

本記事は、ヒーコオリジナルEC販売ショップ ヒコマート 商品の内容を一部特別に公開しています。

ライティングのセットアップを決める3つの要素とは?

M:Sakiko Takizawa(Number Eight) HM:Yanagi / Profoto B10

はじめに

ライティングをともなう撮影の際、撮りたいイメージに対してどこからセッティングを組めばいいのか、どのように撮影していけば良いかが掴めず、試行錯誤を重ねている方も多いのではないでしょうか。どうだろう。少なくとも、そういう相談をうけることは多々あります。

ライティングは制約との戦い

特に、仕事でも作品制作でも、ライティングを使う場合には、いくつかの制約をうけることが多いです。

  • 機材による制限
  • 撮影場所による制限
  • 被写体による制限

狭い室内で被写体と充分な距離を保てなかったり、ライティング機材の光量が限られていたり、ライティング時には撮影以外の要素についても考えを巡らせないといけないことが多いんですよね。しかしライティングのアプローチも多数あるため、その中から適切なセッティングを見つけるのは途方も無い行為のように感じます。

これから説明する3つの要素を念頭において、自分の環境・状況と照らし合わせれば、どのような場面でもできることできないことの範囲を明確に理解することが可能です。ライティングを構成するにあたって理解しておくべき、もっともシンプルな原理だとも考えています。

ライティングがわからないという方の話を深堀りしてみると、この原理がイメージできていないことに起因していることも少なくありません。

ライティングの軸となる3つの要素

本題です。自分がライティングのセットを組み立てる時には、必ず以下の三要素を軸に、最適解は何かと考えています。

光量、距離、範囲

ライティングの軸となる3つの要素

これらの要素は、それぞれ独立した要素というよりも、図のように三すくみのような状態になっています。つまり、それぞれが睨み合っていて、関係性を持っています。この図では、それぞれの要素が定性的な牽制関係をもっていることを示しています。

そして撮影時の制約に依存してくる項目でもあります。

つまり、光量の低いライトしかもっていない場合には、必然的に距離と範囲は限られてくるし、撮影場所に起因してライトの設置場所が限られてくるようであれば、必然的に光量と範囲が決まってくるし、撮影したい範囲が決まっていれば必然的に光量やライトの設置場所が決まってくる。つまり、この三要素というのは、それぞれが牽制関係を持っていることを端的に示しています。言ってしまえばこれだけです。

あっけないほどシンプルですよね?

こうして表現してみるとあまりにも当たり前なのですが、このようにシンプルに理解することで初心者の方であればあるほど、右も左も分からない状態でうまれた疑問から解放されるのではないでしょうか

もう少し詳しくそれぞれの要素を解説してみます。

3つの要素を考えてみる

M : Aoi Mizuki HM Konatsu(CAMERART) / Nissin MG10

ここからはそれぞれの要素の捉え方と三すくみがどういうことか詳しく見ていきましょう。

光量

光量は、その名の通りライト機材の明るさのことです。使うライト機材によって光量は違ってきますが、その光は無限ではありません。使う機材ごとに光量の範囲は決まっています。

例えば、自分が日頃使っているストロボは、バッテリー式で250W〜500Wであることが多いです。お持ちの機材は人それぞれだと思いますが、必要とする光量が決まった時点で他の要素に依存関係が生まれます。

最初に制約についても触れましたが、機材による制約がこの光量の部分にあたります。初めて購入したスピードライトは、この半分の光量もなかっただろうと思います。ライト機材もストロボ、スピードライト、モノブロック、ジェネレーターなど様々です。加えて、ここにソフトボックスやアンブレラなどのアクセサリを加えると、その時々によって撮影時の光量条件が決まります。

この制限された範囲の中で、どこまで自由に撮影ができるのか、どのようなイメージで撮影をすべきかを考える必要があります。

Profoto B10(250Ws)(1)とPropfoto D1 500 Air(500Ws) (2)

範囲

この範囲というのは、照射範囲のことを示しています。つまり、自分が光を写したい範囲のことです。照射範囲によって、写る光のイメージも変わります。

また、被写体にライトが近づけば照射範囲は狭くなりますし、ライトが遠くなれば遠くなるほど照射範囲は広くなります。つまり距離にも依存関係があるということです。他にも、ソフトボックスなどのアクセサリーによっても照射範囲は変化していきます。

ポートレートで言えば、全身を撮りたいのか、バストアップを撮りたいのか、ビューティーカットを撮りたいのかで変わってくるわけですね。

写したいイメージや構図によって照射範囲は異なります。そのため、事前にどういった構図で撮影をしたいのか考えることも重要です。

照射範囲が広い全体写真(1)と照射範囲が狭いバストアアップ写真(2)

距離

ここでいう距離とは、被写体とライトとの距離のことです。この要素は撮影する環境によって左右されるところが大きいです。

撮影場所はが狭いと二者の距離に大きく制限が出ますし、反対に広い時は距離を自由に設定することができます。

狭い空間での撮影(1)と十分に広い空間での撮影(2)

距離が遠いということはその分、大きな光量を必要としますし、照射範囲は必然的に大きくなってしまいます。

要素をもとにセットアップを考える

要素の関係性と具体例

例えば、撮影する環境が狭い場合、必然的に被写体とライトの距離は近くなります。それにあわせて、照射範囲であったり、使える光量についても制限が生じてきますよね。これがそれぞれの要素が三すくみで強く関係性を持っているということです。

三すくみの関係でそれぞれの要素が決まってくるところを、図を用いてもう少し詳しく説明します。

光量が少ない場合

例えば機材の関係で使う光量が限られている場合。

光量が少ない場合
光量がこのライン上の☆の位置くらいだとして考えてみましょう。

光量が少ない場合の各要素

光量の☆位置を軸として小さい円を描くと、このように距離と範囲についても必然的にあまり大きくできないことがわかります。つまり、この円の中くらいのボリューム感でセッティングを組んで、写したいイメージに近づけていかなくてはなりません。

逆に言えば、光量が☆くらいの位置なのに照射範囲をすごく広げることはできないということですし、被写体とライトの距離を離すこともできないということです。

距離が広く取れる場合

距離が広くとれる場合に関しても考え方は同じです。

距離が広く取れる場合

大きいスタジオや屋外でのライティングなど、被写体との距離を大きく撮りたいケースもあると思います。広角よりのレンズを使っているので画角が広くなっている場合や、単純に全身を写したい場合などは距離をとりますよね。

距離が広く取れる場合の各要素

この場合も、距離を軸にして各要素が図のように円を描くため、この中で適切なセッティングを考えることができます。広い部屋でライトと被写体の距離が十分に取れる場合に距離を離してみるとします。そうすると、必然的に光量が必要なことと、照射範囲が広くなってしまうことがわかります。これはつまり、例えば画角が小さくても照射範囲が大きいために室内のいろいろな壁に反射して直接ライトからあたっている光以外の影響をうけてしまうことを示唆しています。

ライティングを決める全てのカギ

例を見ていただいてわかる通り、3つの要素のうち1つでも決まってくれば必然的に全ての要素が決まってきます。自分が撮影する中で可能なセッティングが見えてくれば、そこからセットを組むのは難しい話ではありません。

自分が使える機材の中で光量はどれくらいあるのか、撮影する環境でどこまで距離を取ることができるのか、自分が撮影したい構図に必要な照射範囲はどれくらいなのかを最初にしっかりと考えること、この3つを頭の中にしっかりと描く必要があります。その上で、全体のバランスを見ながら、イメージしている写真に近づけることが大切です。

まとめ

こんな悩みが解決できる

ライティング初心者に知ってもらいたい3つの要素、このシンプルな要素を正しく理解することで、以下のような悩みから解放されるのではないかと期待しています。

というのも、これら3つの要素に関わる課題にぶつかったときに、アクセサリーやカメラの設定で解決しようと考える人が比較的多いように思います。シンプルにまずはこれら3つの要素を適切に設定できているかというのを振り返ってみてはいかがでしょうか。元も子もないことを言えば、光量が小さいストロボ機材しかないけども、距離を離して照射範囲を広くしたいというのは無理だということです。

まずはこの3つの要素で考えた上で、カメラの設定でISOをあげたりシャッタースピードを遅くしたり、アクセサリーを変更したりといった選択肢が生まれてきます。

  • ストロボ機材の光量が足りないときのアプローチをどうすればよいのかわからない
  • 全身を撮りたいときのアプローチをどうすればよいのかわからない
  • 大人数を撮影したい時にどうすればよいのかわからない
  • 狭い場所でライティングを組む時に気をつける要素がわからない
  • 撮影する範囲は狭くてよいのだけど、光があたりすぎてしまう

ライティング初心者は押さえておきたい

ライティングのポイント

  • ライティングを組み立てるには「光量」「照射範囲」「距離」の3つの要素で構成される
  • 1つの要素が決まると、他の2つもその要素に合わせて制限が決まる
  • 3つの要素のバランスを見て写したいものを組み立てていく

もしも、すごく広いスタジオで、ライティングの機材も十分にあって、全身の撮影など広い範囲を撮る、という自由度の高い環境で撮影できるのであればそれほどハッピーなことはありません。しかし、その環境を用意するには膨大な費用がかかりますし、かなり限られたシチュエーションとなると思います。自分も仕事でそういう環境を得られたらかなりラッキーだと思うことが多いです。

撮影を行う場合、ほとんどは何かしらが限られた環境で行われると思います。描きたい図に近づけるために大きな助けとなるのがこの3つの要素です。セッティングを考える際に、持っている機材や撮影する環境を把握してバランスを見ながら組み立てることができるようになれば、スムーズに撮影にとりかかることができるでしょう。

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