こんにちは。朱門(@shumonphoto)です。自分は普段はLightroomやPhotoshopを使って、風景写真を仕上げることが多いのですが、今回はLuminarという、かなり強力で便利なRAW現像・写真編集ツールを使ってみました。さっそくLuminarで色々試してみたので、ご紹介したいと思います!
Luminar 2018徹底図解!
Luminar 2018とは
LuminarというRAW現像・写真編集ソフトをご存知でしょうか? 以前はMacphunという名前でMac専用の写真編集ソフトとして販売されていたので、Macユーザーの方は使ったことがある方もいるかもしれないですね。
私もMacユーザーなので、Macphun時代に一度試しに使用したことがありました。当時のMacphunの印象としては、なんでもできるオールインワンな現像・編集ソフトという感じで便利な反面、複雑なことができず、処理速度的にもっさりしてるかなぁ?と感じてしまい、その後はあまり使うことがなかったのですが、そのMacphunが Win/Mac両対応になり、さらに処理速度も以前よりも大幅に高速化され、かつ、プリセットやフィルター機能等が大幅に充実したのが、Luminar 2018です。
ついオールインワンの写真編集ソフトと聞くと、初心者向けの簡易的なものなのかな?と思いがちですが、このLuminar 2018は初心者から上級者まで幅広く使える機能が満載でびっくりします。
初心者でも簡単に難しい調整をしなくても写真を仕上げることができる強力なプリセットや、さらに細かく調整したい人のためにLightroomやCamera RAWとほぼ同等のRAW現像調整はもちろんのこと、表現力を高める様々な独自フィルターも豊富に揃っているようです。
ではさっそく、Luminar 2018の特徴的な機能を使ってみますね。
60種類以上の強力なプリセット
Luminarの一番の特徴はなんといっても、予め用意されている60種類以上の豊富なプリセットですね。様々なスタイルのプリセットからお好みのものを選んで適用するだけで、写真を簡単に仕上げることができてしまいます。
もちろん、プリインストールされたプリセット以外にも様々なLuminar用プリセットをWebなどからダウンロードして追加することもできますし、自分で微調整したプリセットを保存して再利用することも簡単にできてしまいます。
まずはプリセットを1つ試してみます。
写真にプリセットを適用する
プリセットを使うには、画面右上のプリセットボタンをクリックし、画面下部にプリセットパネルを表示させます。
次にプリセットカテゴリーから、好きなカテゴリーを選びます。今回使用する写真は風景写真なのでOutdoorカテゴリを選択してみます。
あとは、プリセットパネルに表示されたサムネイルを参考にお好みのプリセットをクリックし適用するだけです。
試しに、まずはAuto Smart Enhancerプリセットを適用してみます。
プリセット適用前と適用後の比較は、画面上部のクイックレビュー(目玉のマーク)や、その隣の比較機能で確認することができます。
このAuto Smart Enhancerを適用すると、全体的に低コントラストで眠かった印象の写真に対して、ややコントラストが増し、またシャドーを持ち上げることで、メリハリのある印象になりました。
もはやこれだけでも十分なんですが、せっかくなので別のプリセットも試してみます。
次にDaydreamsプリセットを適用してみます。
さきほどよりも彩度とコントラストが更に増し、また全体的にソフトなぼかし効果が付加されているような印象になりました。
メリハリがあるので、SNS等で目を惹くような仕上がりですね。
プリセットの適用度合いを変える
プリセットによる調整度合いがちょっとやり過ぎかなぁ?なんて感じた場合はプリセットの適用度合いを調整することで、抑え気味にすること可能です。
さきほどの Daydreamsプリセットに対して適用量を調整してみます。
ここでは、調整量を40にしてみました。実は調整量100の状態はやり過ぎじゃないかなぁ?という印象があったのですが、40くらいにしてみると彩度やコントラストのバランスも良くなりました。
複数のプリセットを重ねる
さらにプリセットの応用例として、複数のプリセットを適用する方法を紹介します。
まずは、Daydreamsプリセットを適用量40の状態にしておき、次に画面右下にある「オーバーレイプリセット」ボタンをクリックします。
すると、Daydreamsプリセットが適用された状態 (適用量40)で、また別のプリセットを選択することが可能になります。
ここでは、TravelプリセットカテゴリーにあるWarm Sunsetプリセットを重ねて適用することで太陽の部分の暖かみを増してみたいと思います。
同様にカテゴリーボタンを押して、Travelカテゴリーを選択します。
次に、Warm Sunsetプリセットを適用量 40で適用します。
Warm Sunsetプリセットを付加したことで、太陽の光がより強調されるような表現になりますね。
プリセットをベースに微調整する
様々なプリセットを複数重ねていく方法でも、あらゆる表現が可能になるのですが、さらに微調整をしたいという場合は、プリセット自体を調整することもできてしまいます。
細かい調整内容は後述するフィルターの調整方法と同じなので割愛しますが、以下の手順でプリセットを調整し、保存することができます。
2. 右上のサイドパネルボタンを押し、サイドパネルを表示する。
3. サイドパネルにある、各種フィルターの調整パラメータを使って微調整する。
4. サイドパネルの一番下にある、フィルタープリセット保存ボタンを押し、変更後のプリセットを保存する。
こうして保存したカスタムプリセットはプリセットカテゴリーにあるユーザープリセットカテゴリから選択し使用することが出来るようになります。
フィルター機能
Luminarには強力なフィルター機能が多数用意されており、これらのフィルターを使用することで、Lightroom等の他のRAW現像ソフトと同様に各種調整パラメータを一つずつ調整しながら仕上げることも可能なんです。
勘が鋭い方は薄々気がついていると思いますが、プリセットは予め各種フィルターの調整値と組み合わせを決めて保存したものってことですね。
フィルターを使用するには、サイドパネルを表示させた状態でワークスペースを選択するか、ワークスペースに不足しているフィルターは「フィルターを加える」ボタンで追加することも可能です。
では、さっそく代表的なフィルターを紹介していきます。
RAW現像フィルター
もっともベーシックなRAW現像の各種パラメータを調整するためのフィルターですね。一般的なRAW現像ソフトと同様に、ホワイトバランス、露出、コントラスト、ハイライト、シャドー、白レベル、黒レベル、明瞭度の各種パラメータ調整とレンズ補正、画像の変形が可能です。
LightroomやCamera RAWを使い慣れていれば、おなじみの調整項目ですね。
AIで自動補正!驚異の人工知能搭載フィルター
Accent AIフィルター
多々あるLuminarのフィルターの中で、個人的に最も強力なフィルターだと思ったのが、このAccent AIフィルターです。
このフィルターはAIにより自動的に最適な調整が行われるため、RAW現像が苦手な人でも簡単にオリジナリティを残しつつ、ほどよいバランスの調整を行うことができてしまいます。
半信半疑で適用してみると、おそらく自分でもこんな感じに調整するだろうと思う露出やコントラストに仕上げてくれました。
これはほんとに驚きです!!
いわゆる海外風な現像・レタッチがワンクリックでできてしまう。しかも違和感がないなんて。。
このAccent AIフィルターをベースにオリジナルプリセットを作っておけば、作業効率がぐんと上がり、時間短縮ができそうです。
あまりに驚異的なので、Accent AIフィルターの適用前・後の例を貼っておきますね。






みなさんも是非一度試してみてください!
霞の軽減 フィルター
風景写真の場合、割と頻繁に使うことも多い、霞の軽減フィルター機能もあります。
さきほどのRAW現像フィルターとAccent AIフィルターを使って調整した写真に対して、この霞の低減フィルターを適用量50で適用してみます。


全体的に白っぽく霞がかかっていたのが、すっきりとしまった感じになったのが分かりますね!
緑樹の増強
このフィルターを使うと、自然風景に多い葉っぱなどの緑の色を調整し、より生き生きとした雰囲気を出すことができます。
同様に同じ写真に対して、この緑樹の増強フィルターを適用してみます。


オートン効果
シャープさを保ちつつ、全体的に柔らかいトーンに仕上げられるオートン効果です。ヒーコ読者には聞き覚えがあるのではないでしょうか(笑)。
これもLuminarには予めフィルターとして用意されているので、以前のヒーコの記事で説明したようなPhotoshopでの面倒な手順を省くことができます。
オートン効果フィルターでは仕上がりのタイプが2種類選ぶことができ、それぞれソフト、明るさ、コントラスト、彩度を微調整することができます。
試しにタイプ1のオートン効果を適用量70で適用してみました。


スプリットトーン
明部と暗部をそれぞれ異なるトーンニングにすることで雰囲気のある写真に仕上げるためのツールです。Lightroomなどでは馴染みがある機能ですね。
これもLuminarにはフィルターとして用意されています。
このスプリットトーンフィルターを使って、明るいところはやや黄色っぽく、暗いところは青っぽい感じになるようにパラメータを調整してみました。


高度なコントラスト
ハイライト・中間階調・シャドーのそれぞれの階調別にコントラストを調整するためのフィルターです。
階調別にコントラストを調整することで、メリハリのある雰囲気に仕上げることができます。
ハイライト=12, 中間階調=30, シャドー =12として適用してみます。


微妙な変化ですが、特に紅葉や苔の部分がよりグッと強調された感じに仕上がっています。
その他のフィルターと部分適用
ここで紹介したフィルター以外にも、よく使うフィルターとして、トーンカーブ、HSLなどのベーシックなものから、ドラマチックフィルターや、光芒を作ってしまう特殊なフィルターまで様々なフィルターが用意されています。
また、それぞれのフィルターはブラシや放射状/段階マスク、輝度マスクを使って部分的に適用することもできます。また、Photoshopのレイヤーのようにブレンド方法を変更することもできます。
レイヤー
LuminarにはPhotoshopのようなレイヤー機能も備わっており、簡単に複数の異なる画像を重ね合わせることもできてしまいます。
今回は試しに自分のシグネチャロゴを重ねてみたいと思います。
まずは、サイドパネルの右上にある+(プラス)ボタンを押し、新規画像レイヤーを追加します。画像はシグネチャロゴ画像を選択します。
次にツールボタンで開いた画像の大きさと位置を調整します。
このままですと、ロゴの文字が黒色で映えないので、トーンカーブフィルターを使って白黒反転します。
このロゴのレイヤーが選択された状態のまま、トーンカーブフィルターを追加します。
次に、レイヤーのモードを「比較(明)」に変更します。
こうすることで、背景の黒が透過し、白い文字だけが上に重なった状態になります。
最後にレイヤーの透明度を調整します。
完成です。
- 新規画像レイヤーを追加
- +(プラス)ボタン
- ツールボタン
- トーンカーブフィルターを追加
- レイヤーのモードを変更
- レイヤーの透明度を変更
プラグイン
LightroomやPhotoshopなどからLuminarを利用するためのプラグインが用意されています。
インストール方法
プラグインをインストールするのは簡単で、「Luminar 2018」メニューから「プラグインをインストール」を選択し、
表示されたダイアログからインストールしたいプラグインのインストールボタンを押すだけです。
Lightroomプラグイン
Lightroom Classic CCからLuminarを起動し、Luminarでの調整を反映する方法は以下のとおりです。
まず、LightroomでLuminarの調整をしたい画像を選択します。その状態で、現像モジュールを選択し、「写真」「他のツールで編集」「Luminar 2018」を選択します。
すると、編集する対象を選択するダイアログが表示されますので、用途にあった編集方法を選択します。
Luminarが起動するので、これまで説明した方法で写真を編集します。最後に右上の適用ボタンを押すことで、編集内容が適用された写真がLightroom上の写真にも反映された状態で、Luminarが終了します。
Photoshopプラグイン
Photoshop CCからLuminarを起動し、Luminarでの調整を反映する方法です。
まず、PhotoshopでLuminarの調整を適用したいレイヤーを選択します。その状態で、「フィルター」「Luminar 2018」を選択します。
同様にLuminar上で写真を編集し、最後に右上の適用ボタンを押すことで、Luminarでの編集内容がPhotoshop上のレイヤーに適用されます。
保存・書き出し方法
Luminarファイルの保存
Luminarでの編集内容を保存する方法は簡単です。「ファイル」「保存」を選択します。
保存先とファイル名を入力する画面が表示されるので、ファイル名等を入力し保存します。
また続きから編集したい場合は保存した .lmnrファイルを開けば編集を継続することができます。簡単ですね!
TIFF, JPEGへの書き出し
編集が完了した写真をTIFF形式やJPEG形式で保存する方法も簡単です。
「ファイル」「エクスポート」を選択します。
次に、ファイルの保存先とファイル形式やサイズ、色空間などを選択する画面が表示されますので、保存したい形式を設定し保存するだけです。
まとめ
今回、ざっとLuminar 2018の主要な機能を中心に試してみました。
実は使う前は、これほどまでに使えるソフトとは期待していなかったというのが正直なところです(笑)。というのも、以前使ったことのあるMacphunの印象で先入観を持っていたのかも。。
実際に使ってみて分かったことは、LuminarのRAW現像・レタッチ機能だけで十分ハイクオリティな作品に仕上げることが出来るということ。
豊富なプリセットでお手軽に仕上げられることや、Luminarにしかない特殊なフィルター機能もLuminarを使う魅力の一つですね。
特にAccent AIフィルターの凄さには驚きです。とりあえずまずはAccent AIフィルターで全体のバランスを整えてから、それをベースに仕上げるというフローにすることで、レタッチ作業が大幅に効率化されそうです。
さらにLightroom,Photoshopプラグインのおかげで、今までのLightroomとPhotoshopを使った現像ワークフローを維持したまま、Lightroomでカタログ管理、Luminarで画像調整する使い方やPhotoshopをメインに使いながら一部 Luminarのフィルター効果を適用するなんて使い方も自由自在にできちゃいます。
写真作品の表現の幅を広げるという意味でも、今後はLuminarも使い込んでどんどん活用していこうと思います。
それでは、また。