はじめまして、子ども写真家の髙橋ユカコです!写真の講師や出張カメラマンとしてぼちぼち仕事をいただきつつ、子どもの世界をテーマにした写真を撮影しています。こちらではヒーコの写真に魅せられてうずうずしている初心者の方が、1日も早く目指す写真にたどり着くお手伝いができたらと思ってます。
カメラ初心者にオススメ!簡単に「構図」を意識する方法
ヒーコに魅せられた初心者のあなたへ
デジタルカメラが主流の今は、撮った写真をすぐに見られるし、撮り方の情報も無限にある時代。たとえあなたが今日初めてカメラを買ったとしても、一年後にはプロのような写真を撮ることもできるかもしれません。点ではなく線で学ぶことが初心者卒業への近道。分かりやすくをモットーに、写真用語には注釈を入れながら、本質的なことへも踏み込んで書いていきますので、ついてきてもらえたらうれしいです。
今回は写真の上達に欠かせない、構図の簡単な作り方をご紹介します。
写真の上達に欠かせない構図とは
カメラ初心者と写真が上手い人は何が違うのでしょうか。差がつく要因は色々ありますが、私は第一に「構図」だと思います。
構図とは、どこにどんなものが配置されているのかという画面構成のことです。同じものを撮るにしても、構図次第で印象は大きく変わります。自分が「撮りたい!」と感じた魅力をちゃんと伝えられる構図を選べているか否か、それが初心者と上級者の写真の差となっているのです。
構図の上達の近道は、いろんな構図で撮ってみること。他の構図と比べて、どう変わったのか、印象の違いを実際に味わってみることです。
ここで問題になるのが、初心者の場合、なんとなくの場所から撮りはじめ、偏りのある構図のまま撮り終わりがちになってしまうことです。右に立ったら、ずっと右から撮っていたり、近づいたら近づきっぱなしだったり。これでは、後から比較しようにも、難しいですよね。
撮り初めの起点を決める
そこで私は「撮り初めの起点」を決めることを推奨します。
それは一体なにかというと、構図の試行錯誤の起点となるカメラ位置のことです。この記事ではホームポジションという私が命名した造語で書きますが、これも専門用語では全く無いですし呼び方はなんでもOKです。重要なのは、撮り初めの起点を決めること。それを毎回意識することで、バランスよくいろんな構図が撮れるようになります。
具体的な特徴
ホームポジションの具体的な特徴は、
- 被写体(※撮る対象のこと)の真正面
- 被写体とカメラの高さが同じ
- 被写体全体が余裕を持ってフレームに収まっている
- 見た目に近い範囲が写るレンズで撮影していること
の、以上4点。要はニュートラルに写る位置のことです。
ここから撮りはじめると、「アップにしたら印象的になった」とか、「少し上から撮ったらイメージに近づいた」など、構図ごとの印象の違いがハッキリ見えるようになります。これがホームポジションの効果です。
ホームポジションを使った撮影方法
「いいな」と思った場所でまず撮影
「いいな」と思った場所でまず撮影。上手くいったならそれでOK。「何か違うな」と思ったら、ホームポジションへ移動。
広い範囲が写らない状態にする
ズームレンズなら、ちょっとズームして、あまり広い範囲が写らない状態(※)にする。それで全体が収まらなくなったら、被写体から離れる。※センサーサイズがAPS-Cなら、焦点距離が35mm程度。焦点距離は、撮影中の液晶画面に「○○mm」と表示されています。
「足りない」ところを足す
撮った画像を見て、「足りない」と思うところがあれば、カメラの高さや構図、相手との距離、レンズの画角を変える(広角にしたり望遠にしたりする)ことで「足して」いく。同時に、画面内のいらないものを「引いて」いく。
変化を確認してイメージに近づける
変化を確認しながら、イメージに近づけていく。混乱してきたら、ホームポジションへ行ってリセットする。
試行錯誤の例
試行錯誤の一例としてはこんな感じです。
作例1
ホームポジションから撮影。ちなみにこれは長女がソファーカバーに穴を開けてしまったときの写真です。
作例2
穴から覗く目を強調するために、もっと寄ってみました。
作例3
俯瞰で撮影。被写体後ろの余計な情報を減らしたいので、イスに乗りました。子どもはじっとしていないので、被写体の状態に合わせて構図を変更。この後、次女が乱入して終了。
ベストショット
ちなみに、このシーンでのベストショットは、作例3の流れで撮ったわたしのウェブサイト(http://neotenylab.com)のメイン画像です。写真は最終的に天地を逆にしました。子どものいたずらって親としては悲劇でもあるんですけど、写真的には最高においしいんですよね。スナップ的な撮影の場合、こんな感じで追い込んでいくと限られたチャンスを無駄なくカメラに残せてお得かと思います。
ホームポジションで、ニュートラルな状態を意識しよう
カメラを始めたばかりだと、どんな構図がベストなのか、その場での判断は難しいかもしれません。それでもたくさん撮っておけば、あとからじっくり見比べる事もできます。ホームポジションを起点に、近づいたり離れたり、カメラの高さを変えたりして、様々な角度からたくさん写真を撮ってみてください。
自分が好きな構図、見逃しがちな視点など、新たな発見がたくさんあるはずです。こうした発見を次に活かしましょう。
大切なのは、何がニュートラルな状態かが分かっていること。しっかりとアングルや構図の効果を体得することで、次第にイメージにあったポジショニングを早く見つけられるようになると思います。ぜひ活用してくださいね!