シンプル、ゆえに効果的!風景写真に自然な立体感を出すレタッチ方法

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皆さん、こんにちは。長瀬正太(@ShotaNagase)です。

いよいよ巷では梅や河津桜などの写真がちらほらと見られるようになってきましたね。
地元群馬ではまだまだ山は冬景色ですが、私は森の木々が一気に芽吹いて緑が広がっていく光景も四季の移ろいが感じられて大好きなので今から楽しみにしています。

さて、そんな光景を追いかけて風景撮影に出掛ける方の中でも、現場では「すごいのが撮れたぞ!」
と感動したのに家で確認したら予想以上にのっぺりと平坦だった。と感じた事がある方も多いのではないでしょうか。

・・・私はよく感じます(泣)

そこで今回は風景写真に自然な立体感を出すレタッチをご紹介しようと思います!

準備

すぐにレタッチしないで時間を置く。

風景撮影は良い光景に出会えた時ほど撮影時の興奮が大きく、
五感(温度・自然の音・香り・立体感・動感など)で感じたイメージが頭の中で膨らんでいる事が多いです。
その興奮冷めやらぬまますぐにレタッチを行うとやりすぎてしまう事もしばしば・・・。

ですから、私の場合は写真を一週間ほど寝かしておき、その心理状態をフラットにしてからレタッチするように心掛けています。

ただ、やはりちゃんと撮れていたかなぁとどうしても気になってしまうので帰宅後に「ピント・ブレ・構図」のチェックだけはキチンとします。
帰ってきてから失敗に気付いても後の祭りなんですけどね(涙

少しアンダーな写真を選択。

このレタッチでは太陽がある方向の空や陽の光が当たっている部分は白飛びしやすくなります。
ですから、暗部を持ち上げるレタッチの方が有利になりますので少しアンダー露出な撮影を心掛ける事をオススメします。

また、このようなレタッチを前提とした場合、アンダー方向の露出ブラケティングも有効と言えるでしょう。

はじめに

立体感を出す為に必要な事。

立体感を出す為のポイントは、画像内の光の明暗差です。
ですから、画像内の明るい所をより明るくし暗い所をより暗くして明暗差をはっきりさせると立体感が出てきます。

今回のレタッチでもその辺りを重点的にコントロールしているので意識しながら読んでみて下さい。

Adobe Camera Rawでの補正

今回レタッチする写真がこちら。

今回はこの写真を使いどのようにレタッチして立体感を出すのか。をご説明します。

元々、東(左)からの斜光によって良い感じに立体感が出ていますが私が受けた現場でのイメージには少し遠いです。
ここにまず初めはAdobe Camera Rawでの基本補正にて立体感を補っていきます。

レタッチステータス

こちらが今回の基本補正ステータスです。
各項目の値は、あくまでこの写真と表現したい印象に合わせて設定した値になります。
これから書くような意図に合わせて、ご自身が現像したい写真をすることが大切です。

それでは、各項目をどのような意図をもって動かしているのかを確認していきましょう。

|ホワイトバランス NikonD800E「晴天」
|露光量0.00
|コントラスト+28
|ハイライト+10
|シャドウ+49
|白レベル+28
|黒レベル-17
|明瞭度0
|自然な彩度0
|彩度-15

各項目の意図

コントラスト

この写真はそのままだと少し眠い感じがしたのでコントラストをプラスして立体感を演出しました。
今回はレタッチ効果が分かりやすくなるよう強めに+28としました。

(レタッチ全般で言えることですが、補正量の検討がつかない場合は一度ステータスを大きく上げたり下げたりして変化の度合いを見つつ好みに合わせて微調整しましょう。)

光のコントロール

ハイライトを上げると中間部より明るい部分がより明るくなります。

この写真の場合は日向にある緑部分にあたります。
この部分は後ほど焼き込みを行う部位が重なるので+10と弱めの補正としています。

次に、白レベルを上げるとヒストグラム右端の明るい部分がより明るくなります。

今回は白飛びを誘発しないように注意しつつ強めの補正をかけました。
その結果として全体的に発色も良くなり選択したアンダーな写真のやや濁ったような印象がスッキリとしました。

影のコントロール

シャドウを下げると中間部より暗めの部分がより暗くなります。

この写真では「木々同士の作る影とその映り込み」がシャドウ部分に当たります。
この部分を暗くすれば奥行きが出るのでシャドウは-49という強めな補正としました。

次に、黒レベルを下げるとヒストグラムの左端の暗い部分がより暗くなります。

この写真ではディープシャドウ部分全体を暗くする為に-17としました。

これら2つのステータスをマイナス補正する事で今回の写真の暗い部分をより暗くしています。

ですが、いずれも選ぶ写真のヒストグラム分布や撮影後の露光量の調整幅によっては黒潰れを誘発することがあります。
ヒストグラムを良く見ながら黒潰れしないように補正することを心掛けましょう。

※黒潰れを演出として使う場合はまた別です。

彩度の調整

基本補正の最後に、画像全体の色の濃さをみて彩度の調整を行います。
コントラストをプラス補正した事で色味がはっきりとしたことと白レベルのプラス補正によって発色が良くなっているので彩度が補正前よりも濃いと感じるかと思います。

ですので、私の場合はこの時点で濃くなったと感じる分をマイナス補正します。

CameraRawで出来る簡易的「焼き込み/覆い焼き」

今回はさらに、補正ブラシを使って簡単に出来る焼き込み/覆い焼きも行ってみましょう!

補正ブラシ(露光量-)で焼き込み

まず、写真を3次元的に見て奥に凹んで欲しい箇所を部分的に暗くします。
コントラストやシャドウの調整は画像全体に影響を与えますが、補正ブラシなら必要な箇所だけ処理出来るのがポイントです。

今回の写真ではさらなる影の強調と写真上部にある森の部分を凹ませて奥行きを作りました。


※赤く塗られた部分が露光量-0.3されています。また、上部森部分は2度ブラシを入れています。

補正ブラシ(露光量+)で覆い焼き

次に、明るくする場合も同様に写真を3次元的に見て手前に出てきて欲しい箇所を部分的に明るくします。

今回の写真では画像下1/3の所にある下草は元々強く光っているのでそのままに、それ以外の明るい部分が手前に盛り上がって見えるように覆い焼きをしています。
また、下草の中でも一番右側は地形上大きく影になっているので、その部分が余り目立たないように明るくしています。

完成!

※真ん中のタブを左右に動かすとレタッチ前(左)とレタッチ後(右)の比較が出来ます。

以上が普段私が自然な立体感を出したい時に行っているレタッチとなります。
今回のレタッチのお陰で、光が際立ち影が奥行きを作り、私が現場で受けたイメージにより近づいた1枚となりました。

このテクニックは効果の大きさもさることながらRAW現像時にAdobe Camera RawやLightroomなどで気軽に出来る内容なのでオススメです。

また、風景写真の中でも、朝夕の斜光で捉えた写真、霧の中や雲海などの自然現象を活かした写真などに適していると思います。

逆に、なるべく静かな雰囲気を出したい写真や一面の雪景色などのシンプルな主題の写真には適さない場合もあるのでお気を付け下さい。

それでは皆さん「撮影時の感動を伝えたい!」というとっておきの1枚に是非お試しになってみて下さい。

それでは、また。

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