はじめる前に知っておきたいフリーランスフォトグラファーの心構え

こんにちは、保井崇志(@_tuck4)です。

「フォトグラファー」ほど誰でもかんたんになれてしまう職業って他にないんじゃないでしょうか。

以前、医学生の友人と話していてビックリしたんですけど、国内の大学医学部は6年制なんですね。さらに卒業しても研修医の期間が2年間あるので、「私は医者です」といえるそのスタート地点まで、最低8年間あるわけです。

お医者さんと比べるのもあれですけど、「私はフォトグラファーです」というのは誰でも、今すぐにでもいえてしまいます。機材に関しても、例えば自分は富士フイルムのミラーレスカメラで全ての仕事の撮影をこなしていますし、昔の商業カメラマンほど高い機材スペックを求められることもありません。

誰もがフォトグラファーになれる時代。多くの才能がこの職業に集まってくるなか、まがりなりにも5年間フリーランスのフォトグラファーとして活動してきました。

そこで今回は「フリーランスフォトグラファー」について、5年前の自分自身に伝えるつもりでお届けします。

これから職業として「写真を生きる糧にしたい」という方に対しては、価値を感じてもらえる内容だと思います。なんならフォトグラファーに限らず、フリーランスで生きていく方のお役に立てればと思います。

はじめる前に知っておきたいフリーランスフォトグラファーの心構え

なぜお金を稼ぐのか?

写真を撮ることを本業にするということは、当然写真を撮ることでお金を稼がなくてはいけません。でも、お金を稼ぐこと自体が目的ではないですよね。

なぜお金を稼ぐのか?

改めて考えてみると、自分にとってお金を稼ぐことは守りの意味合いが強いです。重視するのは「やりたくないことを無理してやらなくてすむ」ということ。

もしお金がなければ、やりたくない仕事も受けなくてはいけないかもしれませんよね。不本意なギャラでも何も言えないかも。最悪の場合オーバーワークで体を壊したりして、仕事として継続していくことが出来ないかもしれません。

生活するお金の他にも、投資するお金も必要です。将来への備えはもちろん、機材を買ったり、旅に出たり、本を買ったり、写真集を読むことも大事です。

好きなことを仕事にしているので、採算度外視でやります!という態度は、長い目で見てだれも得しない結果に終わる可能性があります。あなたが才能のある人だったらなおさらです。

マーケティングの必要性

昔はプロとアマチュアには大きな差がありました。その差は具体的には機材であったり、技術、人脈などなど、いろんな要素があげられるかと思います。

いま写真業界でプロとアマの差が縮まったことは、やはりネットやSNSの影響が大きいといえます。撮影技術の情報格差がなくなり、SNSのおかげでフォトグラファーに必要とされる職能(技術に加えて、人柄や発信力なども含む)が変化しました。

このようにプロとアマの境界がなくなったいま、とても大切な能力がマーケティングです。マーケティングとは?ということなんですが、これはものを売ること、営業することではないんですね。

マーケティングとは「売る」ことではなく「売れる状態にする」ことです。提供する商品やサービスが、勝手にどんどん売れていく状態をつくりあげるための、その全ての活動がマーケティングになります。

マーケティングの最大の仕事がブランディング

「売れる状態にすること」ということで具体的には、Webサイトを充実させるとか、プロフィール写真を魅力的にするとか、SNSアカウントを開設するとか、いろいろありますが、売れる状態にすること、その最大の仕事がブランディングになります。

「ブランディング」ときくと、なんか格好つけないといけないのかな、とか考えちゃいますよね。でもブランディングって変に格好つけるとかではなく、「選ばれる必然」をつくることなんです。

いくら魅力的なWebサイトであっても、クライアントにあなたを選ぶ必然がなければ仕事は来ません。「選ばれる必然」とは他の多くのフォトグラファーとの違いとなるもの、独自性です。あなたの独自性とはなんなのか?

それを知るために一番手っ取り早いのは、あなた自身の特集記事を書いてみることです。一般紙とか、まあなんでも良いんですけど新聞記者になったつもりで、自分に取材してみましょう。

サブタイトルを考える

「なぜフォトグラファーになったのか?」「どんな写真を撮っているのか?」「写真を撮ることでどうなりたいのか?」それらのストーリーや、写真のコンセプト、活動のユニークさが他フォトグラファーとの違い、そのままブランディングになります。

ちなみに以下は「日経マガジンスタイル」という、日経新聞社が首都圏で発行するフリーマガジンにて、保井が取材を受けたときの記事です。

自分自身を紹介する短い見出し、例えば上の記事であれば「Instagramの写真が注目を集め、プロの写真家となった・・・」とありますが、それはフォトグラファーというメインタイトルのあとに続く、いわば「サブタイトル」になります。

このサブタイトルは、人によってはSNSのフォロワー数かもしれませんし、受賞した写真賞とか、出版した写真集とか様々あるでしょう。

金額の大きなお仕事の場合は、お金を出す人(会社)と、あなたを起用したいと思っている人は別人のケースが多いです。起用したい人は、お金を出す人に向けて、あなたについての説明をしたり資料を作ったりします。ここで魅力的な「サブタイトル」があるかどうかは、その結果を左右する大きな基準となります。

あと、記事では「街中に”物語”のあるシーンを探し出す」とありますが、自分自身を取材することで、自らの写真のコンセプトを客観的に見ることも大事ですよね。

SNSのフォロワー数は関係ない

この記事を公開した2018年と、2020年の現在とで、若干状況は変化している気がしています。上記、マーケティングとブランディングについても、あえて残していますが、今となってはことさら意識している人も少ない感が。それだけ当たり前のことになってしまったのかもしれません。

SNSのフォロワー数は、確かに多い方がいいのだろうけど、クライアントのネットリテラシーも上がってきたので、フォロワー数よりも発信内容に重きをおいていると実感するケースが多くなりました。

継続して発信していて、作品だけでなく人柄が伝わってくるということが、信用の担保のようになっているようです。フォロワー数に関係なく「見てくれている人は見てくれている」という姿勢で、発信し続けるこですね。

むしろ経験から感じることは「Instagramとnote」「InstagramとYouTube」「TwitterとInstagram」などなど、いろんな発信方法の組み合わせが大事なんじゃないかということ。

幅広く展開していく良さを実感

実際に何度も一緒にお仕事していて「Googleで京都のフォトグラファーを検索して保井さんを知り、それ以来Instagramをずっと見ています」という方がいます。

試しにシークレットモードで「京都 フォトグラファー」で検索しても、特に保井につながらなかったので不思議だったのですが、これを画像検索にしてみると「あっ、おれいる」ってなりました。謎が解けた。

Google画像検索 : 京都 フォトグラファー

それこそ、この記事「フリーランスフォトグラファーの教科書」などは、Googleで「フリーランスフォトグラファー」と検索すると2位とか3位で出てきます。けっこう汎用的なワードでこれは大きいですね。

というわけなので、ひとつのプラットフォームだけに集中するのではなく、幅広く横展開していくのが良いんだと思います。

アンチについて

ネットで、それこそSNSで日々発信していると必ず敵対する人、いわゆるアンチがうまれます。そういったアンチには、絶対に近づいてはいけません。

アンチがいる場所は、もはや心霊現場みたいなもので、近づいて良いことは一つもありません。

たまに面白がって肝試しにおもむく人がいますが、心霊現場には心霊現場のルールやコミュニティがあると思うんですよね。それはそれで敬意を表するべきだと思います。

優しい人であればその場を浄化しようと、議論などなんらかのアクションを起こしたくなることもあるかと思います。ただ、それは往々にして徒労に終わります。

だれか有名な人の言葉だったか忘れちゃいましたけど、「必ず成功する方法はないが、必ず失敗する方法ならある。“すべての人を喜ばせようとすること”だ。」・・・これほんと同感です。

最後に

というわけで、「フリーランスフォトグラファー」というテーマでお届けしてきました。もちろん自分はプロなので、多分に我田引水があることをご了承ください。そこを差し引いて受け取っていただけたらと思います。

それでは。

続きはこちらから!

noteでは有料限定で未公開部分の記事が公開されてます!気になる方はこちらも要チェック♪

フリーランスフォトグラファーの教科書

保井崇志氏 関連記事

保井崇志 | MY PERSPECTIVE

編集視点で考える写真家の制作環境

Pocket
LINEで送る

More from Takashi Yasui Read More