初心者カメラマンからの脱却 | 趣味の写真撮影が仕事になっていくまで。

いつもコラムやチュートリアルばかりなので、少し昔話をしたい。そんないまを生きるゆるふわ体現者、あきりん @crypingraphyです。

あきりんの作り方

時に忘れがちだけど、誰でも何でも、初めた時はみんな初心者。
自分には、もはや初心者ですらない時代がありました。
ただカメラを持っているだけという状態。

今でこそ写真をこれだけやっているけども、自分はそこまで歴史があるわけでもなければ、ついこの間までは初心者。
あの気持ちが微かでも残っているうちに何回かにわけて書き連ねておこうと思う。
いま写真をはじめていて、思い悩んでいる人に向けて。

Be XICOのエピソード II でも少し触れられていましたが、自分が写真をはじめてから今日までにはもう色々なことがあって、その歴史の中を振り返ると、「自分がカメラを買ったこと」と今のように「写真をやっている」間には大きな隔たりがあるんですね。

プロカメラマンの初カメラと理由を大公開! | YOSSHA 第二回

YOSSHA

好きでもない旅行のために買ったカメラ

いまでこそ、基本的に週末は家に引きこもって仕事か撮影という日々だけども、30代も手前になり
周りはどんどん結婚していく中で取り残されたオレは、暇で仕方がなかった。
英語の勉強をしたり、ひたすら映画を観たり本を読んだりしつつも、心は乾ききっていた。

あの頃は、「誰か俺の中に風を通してくれないか」と暴れまわっていた坂本ジュリエッタの気持ちが少しわかった。

退屈なのに、何もしない時間というのを極端に嫌う人間なので平日夜も週末も、毎日毎日、何かしら予定をいれては飲みに行ったり遊びに行ったりという日々。
何か新しい価値観や人生の楽しみ方を知りたくて、興味のない事を片っ端から攻めて行った。
歌舞伎町のロックバーに通ったり、合コンに行ったり、カフェ会なんてのものに参加したり。

旅行もその一つ。とにかく自分の価値観を変えてくれるようなレアポケモンを探すことだけに日々、命を燃焼させていた。
旅先でただ歩くのも性に合わないので、カメラでも持って記録を残そうと、写真を撮っていた程度。
写真を撮る為に出掛けるなんていう発想そのものがなかったし、写真を趣味にするためでもなかった。
税金対策の一貫のようなものですね。

しかし結局、目的が叶ったかはわかりませんが、その写真から賞をもらえたりして今「退屈しない日々」に至るんですが、本当に受賞なんていうのはたまたまで。

はっきり行ってラッキーでしかないんですよ。他の写真なんて今見返すのもおぞましいくらいなので。

写真表現というものを知る。

最初は自分の場合、あくまで撮ったモノを自分の中で美化したいという以上のものはなく、
撮るために出掛けるということは殆どなかった。
たまにカメラを持ってる友達をあつめて新宿御苑でブーメランをするくらい(もはやカメラ関係ない)

そんな中、日本で知り合い仲良くなったアメリカ人に、「ロサンゼルスに遊びに来い」と言われ、遊びに行く機会があったんですね。

Herb Rittsとの出会い。

herb-ritts

その時、現地のGetty Centerで観た Herb Ritts展というものに、何故か衝撃をうけた。
「価値観が変わった」と思った。
突然、探し求めていた自分の心揺さぶる何かに意図せず出会えたのです。

それは写真がすごく良かったとか、そういう類の話ではなく、「当時の自分の心境」や「タイミング」なんかが全て、まるで歯車が噛み合ったように合致して、「あ、写真で表現しても良いんだ」という発想と心がようやく並んだ。

それまでは、「撮れたモノを美化したい」だけだったものが「撮りたいものを撮る為に出掛ける」という発想につながった。

考えてみれば、世の中には素晴らしい写真があって、それを街中や駅の構内、雑誌などでオレは少なからず見ていたのに、「これは写真を仕事にしている人たちが一生懸命やって作ったものだから自分がその世界に足を踏み入れるなんて恐れ多い」という考えが枷になっていた。

しかしその枷が、そのとき外れたと思う。
趣味ですらなかった写真が、趣味になる為の第一歩が、ここではじまったのです。
だから、これが起源。

と言っても、そこから写真を撮りはじめるまでにはまた時間がかかるんだけども、あの出会いがなければ今はないと思う。
実際のところ今のように人を撮ったり、写真を撮りに出掛けるようになるまでは一年以上かかっていて。
それなのに、あのときハッとした気持ちは今でもふと思い出す。

きっかけが必要

趣味から写真をはじめる人にとっては、それが純度100%の情熱を注ぐ対象になるにはきっと各々キッカケがあって、きっと今写真を趣味や仕事にしている人にも、何かがあるんだと思います。それが例え偶然だとしても。

幼虫時代のあきりん写真

頭からカムジャンタンかぶりたいくらい恥ずかしいけど、当時の自分の写真を載せておきます。

見せるのも恥ずかしい、センサーのゴミすらとれてないし。
Photoshopとかいじりはじめたりして、色々遊んでいたのが懐かしいな。
レタッチし直したいけどまあこんな時期もありましたということで。

そして今

何でこんなことになってしまったのだろう。と自分でも思う。
こんなにたくさんの人と出会って、毎日でも撮っていたいと思うときすらある。
ロサンゼルスの写真を見返しても人なんて殆ど写っていないのに。

次回は、人物を撮りはじめるまでを書こうかな。つづく。

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