テーブルフォトにおいて最高の1枚を撮るために必要なフローと、光の表現方法を教えてもらった話。

セミナー応募開始からわずか半日で補講が決定するという伝説を打ち立てたNana*(@necozalenky)氏がヒーコでは初登壇となる、「テーブルフォトデザイン」セミナーにヒーコ編集部員が心踊らせ学んできた内容を、レポートしたいと思います!

綿密に作り込まれたテーブルフォトの数々はどのようにして生まれたのか、がっつりと学ばせていただきましたのでそちらの様子をお伝えします!!

テーブルフォトにおいて最高の1枚を撮るために必要なフローと、光の表現方法を教えてもらった話。

セミナー開始!

テーブルフォト

セミナー会場を見渡してみると様々な層の人たちが来ていることに気がつきます。Nana*氏の人気もそうですが、テーブルフォトへの関心の高さも伺えます!

テーブルフォトとスナップ写真の違い

まずはじめに、同じ料理撮影においても“テーブルフォト”と“スナップ写真”の違いとはなんだろうという部分に焦点を当てていきます。そういえば今まで2つの違いについて意識したことはありませんでした…。

スナップ写真は目の前にあるものを撮影したものであり、テーブルフォトは被写体を中心に全てを作り上げることなのだそうです。つまりテーブルフォトとはその状況に合わせて撮るのではなく、被写体に合わせてより魅力的になるように条件を整えるというのがまず基本的な考え方ということですね!「テーブルにあるものを撮る」=「テーブルフォト」ではないのです、びっくりです!

大切なのはその目的

テーブルフォトを撮る先には必ず目的が存在します。食品や、お店のPRであったり、商品を買ってもらったりと、写真を見ている相手に魅力が伝わるようにということが大前提です。想いを伝えるために被写体や周りの環境、小物を含めてデザインしていくことが大事なんですね!

最高の1枚を撮るために必要なフロー

想いが伝わるテーブルフォトを撮るためには、撮影が始まる前の準備にも力を入れます。セミナーではそのワークフローを説明をしてくださいましたが、これがとても細分化されていて、テーブルフォトに必要な要素はたくさんあるんだなぁと驚きました。

テーブルフォトはゴールから始まる

たくさんやることがあって迷っちゃうよ〜となりそうなんですが、Nana*氏はまず「ゴールから考える」のだそうです。ゴールを先に決めておくことで方向性を絞ることができますし、まず何をするべきなのかがわかりやすくなるのだそうです。これはテーブルフォトだけではなく、他の撮影や普段の生活に活かせちゃうかも?

ゴールを目指す失敗には価値がある

ゴールを先に設定しそこに向かっていくことには、迷うことが少なくなること以外に、失敗に価値を持たせることにも一役買っているのだそうです。

何も考えずになんとなくやってみて失敗するよりも、自分が考え抜いた結果失敗した方が次に活かしやすいということですね。もはや人生に活きてきそうな話です。テーブルフォトは人生の縮図なのかも…?

まず始めにすることは?

テーブルフォト

多くのワークフローの中でまず最初にすることは情報収集(インプット)なのだそうです。ゴールを決めて方向性が決まったら、必要な情報をひたすら集めていき、この段階でイメージを固めてしまうようですね!

「テーブルフォトってどうやって撮ったらいいのかわからないんです…。」という悩みを抱えている方の多くはこの情報収集によるインプット不足のパターンが多いのだそうです。日頃から「いいね!」と思った写真や作品はいつでも見返せるような状態にしておくと、いざという時に役に立ってくれるのではないでしょうか!

イメージを可視化するために

テーブルフォト
インプットが完了し、イメージを固めていく段階でNana*氏はよくメモに被写体の絵や全体図を作り可視化するのだそうです。メインの被写体のイメージは細かく描き、全体図は小物も含めて配置がわかりやすいように作成されていました。

「こんな汚い絵なんですが…」と言ってプロジェクターに映し出されていた絵はめちゃめちゃ上手で、「いやいや十二分に美味しそうなパフェですやん」とつい口に出てしまいましたが、事前の段階でここまでイメージを固めてから撮影に臨むことができたら不安要素も少なくなりそうですね!

美味しそう・美しいとは

テーブルフォトで想いを伝えるということは、相手にどれだけ美味しそう・美しいと思ってもらうことができるかが重要ですが、2つとも明確な数字には表すことはできません。しかし、それらを構築するいくつかの要素があり、その要素を理解することで美味しそう・美しいを論理的に作り上げることができるようになるんですって!

被写体に与える様々な要素

テーブルフォトは周囲の環境からも影響を受けてしまうようです。周りの環境を理解し、被写体に与える影響を考えた上で光をコントロールすることで、より伝えたいことが伝わる写真になるということですね。

テーブルフォトとはその全てを作り上げることと冒頭でも話していましたが、フレーム外のことまで考えて撮影に臨んでいるとは…。まさにあっぱれです!

RAW現像でも美味しさは戻らない

イメージに適さない光の条件で撮った写真は、RAW現像をもってしても違和感のある写真になってしまいます。実際の例を本セミナーでは紹介していただきましたが、確かにあれはどれだけ頑張ってもダメかもしれない…。

同じセットで光の方向による違いを実演!

いよいよセミナーも大詰め!実際にNana*氏がテーブル上に作り上げたものを光の方向のみを変えながら撮っていき、その変化をリアルタイムで見ることができるというとっても贅沢な企画です!

普段は自然光で撮影しているNana*氏ですが、今回は光の方向のみを変えることで被写体に与える印象が変わることをわかりやすくするために、普段は使わないライトを使っての撮影をしたとのことです。そこまで考えて普段使っていないものにチャレンジするとは…覚悟が違います!

ここでもやっぱりゴールを先に考える

セミナー会場という限られた環境ではありますが、ここでもまずはゴールを先に考えてそのイメージに向かうために必要な要素を構築していきます。

今回の被写体は真っ赤なチェリーがふんだんに乗せられたパンケーキ。色合いも素敵でパンケーキが重なっているので立体感も出していきたいところですが…。果たしてNana*氏はどのような光を選択するのでしょうか…!

1枚撮ってみて

テーブルフォト
まずは1枚パシャリ!とっても美味しそうなパンケーキが画面に映し出されました!これが本物のテーブルフォトか…すごいなぁ…。なんて思っていたら、なにやらチェリーの色合いや影の具合を気にしている様子。え?これで完成ではないんですか!?

若干の光の違いで変わる「美味しそう」

その後光源を少しずつ移しながら撮影をしていきます。その都度チェリーの色合いが良くなりどんどん美味しそうになっていきます!まだまだ美味しくなるのか…このパンケーキは…!!

その後、ちょうど良い光だと判断されたところで一度撮影は終了!見事に美味しそうなパンケーキのできあがりです!(味に変化はないはずですが、格段に美味しそうに見えました!)

セミナー終了!

2時間半ほどのセミナーもあっという間に感じる程大切な物がぎゅっと詰まったセミナーでした!

テーブルの上に広がる小さな世界そのものを作る魔法のようなテーブルフォトの世界、存分に満喫させていただきました…!

まとめ

今回のまとめ

  • テーブルフォトとは全てを作り上げるもの
  • 伝えたい想いをイメージする
  • ゴールから考えてみよう
  • イメージが固まるまで情報収集をする
  • 適さない光で撮ったものは、RAW現像でも美味しさが戻らない
  • 撮れたものをよりよくするために試行錯誤する

余談ではありますが

テーブルフォト

実演写真で背景に使われていたコンクリート調のベニヤ板も実はNana*氏のお手製です!「ちょうど良い色のグレーがなかったので作りました」とのことなのですが、足りないものがあれば作ってでも用意するその姿勢は本当に見習いたいものです。

テーブルフォトQ&Aを限定公開!

今回のセミナーで行われた質疑応答の内容と、ハッシュタグ「#ヒーコイベント」に寄せられた質問に対するNana*氏の回答をヒーコ公式LINEで限定公開しています!気になる方は是非!それでは!

現在、質問は締め切っております。
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