先日行われた、フォトグラファー鈴木悠介(@monocolors_)氏の「フォトコーディネートポートレートセミナー」に行ってきました!今回はその様子をレポートしていきたいと思います!
フォトコーディネートで写真が上達!?要素を分解して自分の表現したい世界を具現化する話
オシャレなセミナー会場!
※写真は株式会社アマナイメージズから頂きました。
スキップしながら到着した会場は、株式会社アマナイメージズの天王洲オフィスにある、「amana Square Sessionホール」!とってもオシャレな建物で、オーラが半端じゃありません…!会場内もとても綺麗でいい感じの空間にワクワクが最高潮に達します。
鈴木悠介氏(以下、鈴木氏)の講義が始まる前に、今回会場をお借りしている株式会社アマナイメージズのクリエイティブディレクター / 取締役である松野正也氏が自社で行なっているストックフォトサービスについて15分程ご紹介されていました。ストックフォトについて気になる方はページ下部のリンク先からチェックしてみてください♫
早速、講義スタート!
フォトコーディネートとは
まずはじめに、セミナーのタイトルでもある「フォトコーディネート」について、ご説明頂きました。
- フォトコーディネートとは、写真をコーディネートするという発想
- 写真を構成する要素を分解する
- 大まかに「光・色・被写体・絞り・衣装・ロケーション・カメラ・レタッチ」の8項目
というものだそうで、本セミナーでは8項目に分解した中から、パターンを体系化し、どのようにコーディネートしたかを参考写真に沿ってご紹介いただくという内容になるようです。
きっかけ
その次に、なぜフォトコーディネートという発想を持つようになったのか、というきっかけをご紹介されていました。
それは、鈴木氏が「イメージした世界観を表現したい」という思いが強かった事が発端となっているそうです。元々映画好きで、キャンディッドという被写体に気づかれる事なく自然な表情を抑える撮影方法に惹かれ今の鈴木氏のような作品になったのだとか。
フォトグラファーとして活動する前は、学生時代含め9年程アパレル業界で働き、その傍らでずっとファッション誌を見て、洋服の展示会に行くという生活を送っていたそうです。という事は、今の鈴木氏の黒に包まれたファッションセンスもそこから磨かれたものなのでしょうか。
そしてその後、アニバーサリー、結婚式、七五三といった一般の方を対象にした撮影も行うようになり、ノンフィクションのそういった光景を毎日見たというのも自然な表情やドラマを切り取るという今のスタイルに大きな影響を与えているのかもしれないとも言われていました。
なるほど!アパレル業界で働いて美的感覚を磨きながら、その後の撮影では人の人生が動くような瞬間に立ち会ってきた鈴木氏だからこそ、自然な表情や表現や感動やスタイリッシュさをおさえた作品に繋がっているんですね!
こんなことができるようになる!
そんなフォトコーディネートが出来ると、「客観的に自分の写真を見つめる」事が出来るようになるそうです!
例えば、自分の写真どこが微妙なのか分析もできるようになって、人の写真のどこが良いかかも具体的に分かるようになり、良い悪いと思う理由が明確になるんだとか!こ、これは抽象的なイメージでしか写真を見れない私にぴったりな方法です…!
理由が明確になる事により、そこ学んでトライアンドエラーを繰り返し、求める写真に近づく事が出来るので更に写真が楽しくなる。そういう意味でフォトコーディネートがオススメのようです。
全体的な撮れ高か、最高の一枚か。
「例えば撮影で撮った写真が全体的に撮れ高が良かったら楽しくなるか、この一枚が撮れたから最高の撮影になったと思うという場合か、どっちがいい?」と会場にいる全員に質問しました。
挙手制で、全体の撮れ高がいいは5分の1くらいの方が手を挙げ、一枚これ!が撮れたらいいには、ほとんどの方が挙手されていました。
そしてその回答に、「それぞれ確かにあると思うが、フォトコーディネートを通してくると全体の撮れ高が上がる、総合的にどちらも良くなる」と鈴木氏が仰っていました。フォトコーディネート、最高かよ…。
頭の中を整理するという事
今すぐ習得したい…!と思った矢先、「フォトコーディネートの発想はみんな出会っている」という一言を発されました (衝撃の事実)。
一体どういう事かというと、
感覚的なものではなく、頭の中でロジカルに整理、理解して写真に反映させるのがフォトコーディネート論。例えばあの人はセンスがある、私はない、というような「センス」は曖昧であり、もともとセンスというものを持っている人もいるとは思うが、情報の量で大きく左右される。
というものらしく、どれだけ多くの引き出しがあるかが重要なんだそうです。うまく写真が撮れなかったイコールそれはセンスが無かったで片付けるのではなく、どこが悪かったのかフォトコーディネートで解決出来るはずで、8項目が持っている要素を的確に捉えて反映させて行けるでご安心くださいというお話しでフォトコーディネートについてご説明頂き、なんだか馴染みのある単語のように思えてきました。
写真を構築する8項目の要素を分解!
光・色・被写体・絞り・衣装・ロケーション・カメラ・レタッチの8項目を更にその中で細かく分解していき、順に講義が進められていきました。その進めていく過程でとても分かりやすかったのが、カッコイイと可愛いに分けてそれに当てはまるのはどちらか、という風に8項目を紹介していたことです。
そのお陰で、カッコイイ写真ならどんな要素があってどんな要素が無いのか、逆に可愛い写真ならどうかというように見比べながら具体的に聞いていけて、今までなんとなく可愛い〜カッコイイ〜と思っていて写真が「なぜそう感じるのか」という部分についての答えあわせが出来ていったような感覚でした!
また、写真レタッチの点もさらっとながら紹介されていて、鈴木さんはそういう風に調整しているのか!と知ることが出来て嬉しかったです。一貫して、自然にやるのがイイという方向は変わっていませんでした。
一番大事なもの
話の中で、フォトコーディネート論において、「カラー」と「光と影」の優先順位は、 圧倒的に「光と影」というのがあって、これはカラー写真はまず、当然「光と影」との融合体であるというのを前置きしつつ、 「カラー」の発色具合によっては「光と影」よりも写真の印象を左右しかねる程の破壊力を持つ。と言われていたのがめちゃくちゃ大事な話だなあと思いました。
もちろん高コントラストや高彩度を否定する訳ではなく、「フォトコーディネート」では光と影を捉えることが最優先とのことでした。
後から色で写真の良し悪しを決めるんじゃなくて、撮った時点での光と影の状態ですぐにこれは良い写真だ!と判断がつくような写真を撮りたいものですね!…私は撮った時点で微妙だなって思った写真は、その後改善できたことも無いのでしみじみそう思います(泣)
フォトコーディネートのその先に
最後のまとめでは、「フォトコーディネートの発想は写真を捉える一端に過ぎない」という事も言われていて、感情に任せて撮った写真だからこそ伝わるものもある、そうした写真も大切にしていきたいと、言われていました。鈴木氏の写真に対する色んな可能性を尊重する思いが伝わりますね!
質疑応答
最後の最後は質疑応答タイムで、ポーズ指示についてや、ウェディングの写真でもフォトコーディネートは使える?など、質問されていてそれに懇切丁寧に解答されていました!
鈴木氏の人柄も垣間見える、ユーモアのある回答で笑いが起こったりと終始和やかに楽しく、あっという間に講義が終了!
今回のまとめ
写真をみて頂くと鈴木氏自身の外見からはハードボイルドさがにじみ出ていますが、内面からでる優しさと癒しの美声とでヒーリング効果を感じつつの、しっかりと骨組みが組まれたセミナーでした!!
撮影イメージを理想から現実に!
今回のセミナーを聞いて、フォトコーディネートで具体的に要素を固めて行く事が出来れば、それがイメージと現実との橋渡しにもなって撮ってみたら思ったようにならない…というような、理想と現実の距離が離れすぎているような現象にもなりにくいのかなと感じました!
フォトコーディネートは、自分が明確なイメージを持って撮影したい!というこだわりたい人にぴったりな印象です。自分のイメージがブレないためにも、また表現したいもののクオリティを上げるためにもとても大切なことが今回の講義では沢山詰まっていました。考えるだけじゃなく実際に、紙に要素を書き出してみるとまた良いかもしれませんね!
資料が超分かりやすい
あと、とにかく資料がわかりやすかったです。その資料の中で可愛いとカッコイイで要素を分類している表があるんですが、一目見るだけであ〜!これだ〜!って大声で納得するくらい分かりやすいです。お見せする事は出来ないので、またのセミナーで是非ゲットしてほしいです!
鈴木氏の今まで構築してきた感性や経験あっての作品だとも思いますが、要素を分解するということ自体は誰にでもできることだと思いますし(そう鈴木氏も仰ってるし)、その方法さえ間違えなければ間違いなく作品のクオリティがアップするだろうなと思いました。
もや〜っとしたイメージを明確化してもっと自分の思い描いたイメージを形にしてみたいという思いがメキメキと湧いてきました!良い写真を、ラッキーじゃなく、確実に毎回撮りたいものです!!(笑)
また鈴木さんのセミナーも開催するという風の噂も聞こえてきたので超絶ワクワクしながら待機します!それでは!
おまけ
今回の記事では、co1(@co1)氏が撮影したセミナー風景写真を掲載しています。その中の鈴木氏やスタッフのオフショットも雰囲気よく撮影頂いたので、おまけで公開しちゃいます♫