プロカメラマンが早稲田大学写真部にきいてみた!学生が思うデジタルとフィルムの違いやカメラへの思いとは?キャンパスの写真家たちに迫る。

前回に引き続き早稲田大学写真部で活動する部員たちに、今回は活動場所や写真との向き合い方について浅岡省一(@shoichi_asaoka)氏とすーちゃん(@iamnildotcom)が対談形式でお届けします。

前回の記事はこちら

キャンパスの写真家たちに迫る!早稲田大学写真部の展示から読み取る、学生写真の「いま」

早稲田大学写真部にきいてみた!学生が思うデジタルとフィルムの違いやカメラへの思いとは?キャンパスの写真家たちに迫る。

登場人物

インタビュアー

浅岡省一

浅岡省一(@shoichi_asaoka)。人物や商品等の広告撮影を得意とするプロフォトグラファー。夕景/夜景/雨景とモデルを絡めた作品撮りを行っており、独特の感性で光と空気感を表現する写真は多くのファンを魅了する。カメラ雑誌への寄稿や書籍の執筆、セミナー講師など守備範囲は多彩。お菓子と甘いモノ大好き。

すーちゃん

すーちゃん(@iamnildotcom)。XICOの賑やかし担当スタッフ。カメラマンとして生きていくべく日々修行中。四六時中食べ物の事を考えている自称少食のフードファイター。

早稲田大学写真部 部員

松本 雛

松本 雛。早稲田大学写真部 幹事長を務める。一枚一枚を丁寧に撮ることを大事にしている。使用するカメラは【デジタル】CanonEOS6D【フィルム】Nikon F4,Pentax SP,Autoboy,OLYMPUSPENEE3など、撮影によって使い分けている。空を撮った写真を中学の友達に褒められてからカメラをはじめる。

髙橋 正虎

髙橋 正虎。早稲田大学4年生。写真部所属。神奈川県から学校までの通学路でも欠かさずカメラを持ち歩きスナップ写真を撮り歩く毎日。使用するカメラはSONY α7R II ILCE-7RM2。花と夕焼けが撮りたくてカメラをはじめる。

Instagram:@faucontiger
渡邉 涼太

渡邉 涼太。早稲田大学3年生。写真部 副幹事長を務める。機械として、レリーズやフォーカシングの動作、各部の造形が好き。“カッコいいと思ったものをカッコよく”撮れるように心がけており、モータースポーツやその他動きモノの写真を中心に撮影。使用するカメラはNikon D4Sなど。もともと電車や飛行機を撮りたくて高校生の頃に一眼レフを購入した。

写真部の拠点や活動について

今回インタビューする写真部の3人
[すーちゃん]

前回に引き続き、早稲田大学写真部で活動する部員たちにお話を伺いたいと思います。

今回は活動場所や写真との向き合い方について聞いていきたいです!

[浅岡]

松本さん、高橋さん、そして今回初登場の写真部副幹事長の渡邉さん、宜しくお願いします〜。

[松本氏、高橋氏、渡邉氏]

よろしくお願いします!

[すーちゃん]

早速ですが、「面白い」らしいという噂の部室にお邪魔したいです♫

[浅岡]

気になるね(笑)

[松本]

わかりました(笑) それでは、部室にご案内しますね!

部室に直撃!

[松本]

ここが部室です(ドアを開けながら)

[すーちゃん]

なんじゃこりゃあ!!

[浅岡]

わ〜!これは…まさに写真部の部室って感じだね(笑) 写真の量がすごい。

[松本]

いつもこんな感じで集まっています^^

紛れ込む浅岡省一氏
[すーちゃん]

へ〜!これが青春…眩しい…!色々と興味深すぎるので部室内を探らせてください。

[松本]

是非是非(笑)

マル秘ノート発見!?

[すーちゃん]

これは!部のマル秘ノートってやつですか!

[松本]

あ、これは…一応部室のノートですが、ほとんど皆の落書きノートです(笑)

[浅岡]

微笑ましい(笑)

いまどきのネガ確認の方法

[高橋]

そうそう、フィルムは松本が結構撮っていて何か、その見かたがあったよね?

[松本]

あ、これ自分が撮ったフィルムなんですけど…(本棚からファイリングを取り出す)

[すーちゃん]

分厚い!こんなに大量のフィルムを見たのは初めてかもしれないです(笑)

[松本]

これをいつも携帯の「フラッシュライト Ω」というアプリで液晶画面全体をライトにし、フィルムを透かせて確認するんです。

[すーちゃん]

へ〜、そんなアプリがあるんですね!便利!

[浅岡]

若い子の知恵だね〜。

フィルムとデジタルの使い分け

[浅岡]

松本さんは、フィルムのみで撮られているんですか?

[松本]

いえ、一応デジタルも使ってます。フィルムがメインですが。

元々は写真が撮りたくて最初はミラーレス一眼レフから始めたんです。使ってみて、あんまり枚数を撮る事が私には向いていないなぁと思って。それで、一枚一枚を丁寧に撮ろうと思いフィルムを使うようになりました。

松本雛氏の作品
[浅岡]

デジタルを使うときはどんな時で、どうやって使い分けてるのかな?

[松本]

なんというか、「撮影するぞ」って時はCanonEOS6Dといった大きいカメラを使います。例えば、ヘアメイクをやっている子からその作品の撮影をお願いされた時とかですね。友達とのご飯や学校に行っている時の瞬間を切り取るとなるとコンパクトなフィルムカメラを持っていく、というような感じで使い分けていますね。

[浅岡]

なるほど。それはわかりやすい使い分けだね。データが優先か、友達が気負わなかったり自分の持ち歩きやすさだったりが大事かという違いかな。

[すーちゃん]

確かに、データがすぐ必要だったり、すぐ画像の確認が出来たり、枚数が欲しい人のためにはデジタルの方が良い気がしますね。フィルムの方が撮る枚数も限られている分一枚一枚大切にシャッターを押せる、という事ですかね。私はフィルムを使っていませんがなんとなく松本さんの言っている事は分かる気がします!

カメラを使う理由

[浅岡]

松本さんは1枚1枚を大事にしたいという想いからフィルムカメラを使っている、という事は分かりましたが、高橋さん、渡邉さんはどういった理由で今のカメラを使っているんですか?

髙橋正虎氏の場合

[高橋]

僕は今SONY α7R II ILCE-7RM2を使っていますが、結構枚数重視でしたね。その理由は、大学に入ってこのサークルに入部した当時「お前の写真は下手くそだ」って言われて、枚数だけ負けないようにしよう!と思い1日100枚撮ろうと決めてました。カメラを選ぶ基準は、数値よりも自分が良いなあ!と思える写真家の方が使っているカメラに注力していますね。

髙橋正虎氏の作品
[すーちゃん]

前回も軽く触れてましたが、今の写真があるのは努力の賜物なんですね〜。

渡邉涼太氏の場合

[渡邉]

僕は、飛行機や電車を撮りたくてカメラを始めました。普段カメラを持ち歩いて何でも撮るというよりは、どこか出かけた時とかに「撮るぞ」というスイッチを入れて撮影する感じです。例えば、車も好きなのでサーキットに行った時のレース写真とかも撮りますね。最初カメラを買いに行った時に店員に勧められてNikonのカメラを買い、その後もずっとNikonのカメラを使っています。カメラは基本、ネットやSNSでスペック等を調べて選んでますね。

渡邉涼太氏の作品
[浅岡]

なるほど、それぞれ写真を撮るスタンスが違っていて面白いですね。渡邉さんは写真を何用にと思って撮っているんですか?

[渡邉]

ネットにアップするか、写真部の展示用ですね。最近は展示用に、写真をネットにアップするのは出し渋っています(笑)

[すーちゃん]

人の目に触れる機会があるから、写真を撮る事に繋がっているんですね!

写真が人の目に触れる事について

[浅岡]

三人とも、撮った写真を「人に見せたい!」という気持ちはありますか?

[渡邉]

僕はあまり無いですね。

[高橋]

人に写真を見てもらいたいですし、僕は写真を見てもらうのに手段は選ばないですね。Twitterでも展示でも、関係なく写真を出します。チャンスがあれば個展もしてみたいとも考えています。プリントも好きですし。でも、まずは見て・知ってもらいたいという気持ちです。そうしないと展示にも来てもらえないと思うので。ただ、ネットで貰う写真へのコメントは薄いなあとは思います。「いいね」だけではなく、写真を見た人と直接話せる方がアドバイスだったりとか沢山の意見を聞く事ができるので、プラスアルファがあるとは思いますね。

[松本]

写真を見てもらいたいという気持ちはあります。ですが、その方法については最近考えています。というのも私は最近、写真をネットにアップして多くの人に見てもらう事はなんだか違うなあと思い始めているからです。3月に友達と吉祥寺で写真展をやったのですが、プリントした写真をちゃんと見てくれた人から直接意見を聞く事一番良いなと思ったんです。写真を見る媒体としてインスタやツイッターでパパッと見て「はい終わり」とその数秒で流されてしまうのが惜しいなと感じてしまって。写真はやっぱりじっくり見て欲しい、紙で直接見て欲しいという想いがありますね。

松本雛氏 3月に友達と開催した写真展

[すーちゃん]

皆さん全然意見が違いますね!直接見て貰うのがベストだけど直接写真を見に来て貰うには認知を広めないといけない、そのためにはSNSを活用した方がいいでしょうし、ジレンマが生まれますね。高橋さんのなんでもチャレンジしようっていう姿勢は個人的に同感ですね〜。

[浅岡]

皆しっかり自分の意見を持っていてとても良いと思います!

印刷用紙がたくさん!

プリント作品

[浅岡]

紙が好きという先ほどの話の通り、部室には紙がたくさん(笑) 前回プリンターが部室にあると聞きましたが、印刷紙は皆それぞれ自分のを用意してるんですね〜。

[すーちゃん]

あ、本当ですね!名前が貼ってある。

[高橋]

そうですね。部のプリンターが使えるので何枚も何枚もいつも納得がいくまで刷り続けてます(笑)

部活動について

[浅岡]

さて、かなり色々と三人の「写真との向き合い方」について聞いて来ましたが、部活動についても伺いたいです。早稲田大学写真部は、普段どういった活動をされているんですか?

[松本]

活動は、班活、写真展、合宿の主な3つです。班活は月曜〜金曜 18:00~に行っていて、写真展は年に8回、合宿は夏に1回、全て自由参加です。全員参加は年に2回の総会のみと、部員を束縛しない自由なサークルになっています^^

「班活」とは

[すーちゃん]

聞きなれない単語が…「班活」って何ですか?

[松本]

「班活」は、平日の6限の時間帯に行われるワークショップで、曜日ごとのテーマに沿って座学や実際の撮影を通して技術の向上を目指しています。

[高橋]

展示に行ったりとかもしますね。

[すーちゃん]

ウウッ…青春…良いなあ…!!

[浅岡]

すーちゃんも入部すれば?(笑)

[すーちゃん]

え!!その手があった…!部外者ですけど、入部してもいいですか!?

[松本]

ヒーコさんならいつでも来ていただいて大丈夫ですよ♫(笑)

[すーちゃん]

わーい!じゃあ早速次回の班活から参加します!いち部員として!

[浅岡]

取材の方もよろしくね!(笑)

[松本]

お待ちしてますね♫

[すーちゃん]

松本部長!よろしくお願いします!!

詳しい部活内容

[すーちゃん]

早稲田大学写真部のチラシを頂いたので、詳しく活動内容を知りたい方はこちらをご参考に♫

早稲田大学写真部 公式サイト

早稲田大学写真部 公式サイトはこちらから!

早稲田大学写真部 公式サイト

Twitter(@wphoto101)でも活動を発信されています♫

おまけ

[すーちゃん]

あ!部室にフォトテクニック デジタル発見!浅岡さんがいつも出られてる雑誌ですね。

[浅岡]

今後、毎月送りますね(笑)

浅岡省一氏の撮影に対する思考法を学びたい方はこちら

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