キャンプ写真の“いろは” 魅力を伝えるための撮影ポイント

みなさん、こんにちは。エディトリアルデザイナーのsachi(@sachi.427)です。以前は「写真をデザインしたい時に気をつけたい5つのポイント」というテーマで記事を寄稿させていただきました。

今回は、私が最近はまっている「キャンプ」をテーマに、その魅力と撮影時のポイントなどをお話させていただければと思います。

お気に入りのギアたちに囲まれ珈琲を淹れているわたしです

キャンプ写真の“いろは” 魅力を伝えるための撮影ポイント

キャンプの魅力

私が本格的にキャンプを始めたのは3年前くらいのこと。小さい頃は家族と夏休みにキャンプなどをして遊んでいました。大人になってからは道具を揃えるハードルなどもあり、キャンプをする機会もなくなっていましたが、写真が好きになり、北海道の景色と人の写真をテーマに撮影をするようになってから、どんどん北海道の自然が大好きになりました。

「北海道の景色と人」をテーマに撮っている写真

その流れで「もっと外で過ごす時間を増やして自然を感じたい」「キャンプや登山をすれば、アウトドアを満喫しつつ、私が撮りたい写真が撮れるのではないか」と思ったことが始めるきっかけとなりました。

いざキャンプを始めてみると、自然の中に自分の居場所を作り上げてゆっくり過ごせることや、電波の繋がらない場所も多いため情報から離れることができることなど、多々ある魅力にどんどんと惹かれていきました。今では(デイキャンプも含めて)年間10回は行っています。

今年からは登山も始めました

ロケーション選びについて

普段写真を撮るときには「北海道の景色と人」をテーマにしているので、キャンプのときもそのテーマで写真が撮れそうなキャンプ場を選ぶことが多いです。北海道の場合、ほとんどのキャンプ場はロケーションも最高なのですが…(笑)。

その中でも、湖畔を選ぶことが多いのは、開けているため移り変わる空の表情も楽しめるからです。特に朝の湖は凪になることも多いので、絶景が見られる可能性が高いのでおススメです。凪の湖に夕焼けが綺麗に写り込んだ景色を見たときは、シャッターを切る手が止まりませんでした。また、キャンプ場に向かう道中や帰り道でも写真が撮れそうな場所を通るルートを選ぶことが多いです。

※凪:風がないため波が立っていなく、鏡のような状態になっている様子のこと

撮影するときのポイント

他のキャンパーさんやテントがなるべく映らないようにする

シーズン時のキャンプ場は、他のキャンパーさんのテントサイトとの距離が近いなんてこともしばしば。SNSなどに写真を載せることを考えれば、他のキャンパーさんが映らないようにするのは最低限のマナーですが、なるべくなら自分のテントサイトと自然だけの景色を撮りたい…。

そのために私は、以下の点を気を付けています。

  1. オフシーズンを狙う(北海道の場合7〜8月以外)
  2. 朝早くチェックインをするor翌日朝早く起きて撮影する
  3. 穴場なキャンプ場を選ぶ
  4. 人気のキャンプ場は区画サイトを予約する

景色と自分のテントの雰囲気が伝わるように引きで撮る

上の4点を狙うと、隣と距離を取りやすくなるので、引きで撮影しても自分のテントサイトと自然だけの写真を撮ることが容易になります。キャンプの醍醐味はやっぱり大自然の中で過ごすこと。それが伝わるように周りの景色もなるべくたくさん入れるように心がけています。

また、前ボケに葉っぱや地面を使うのも、遠近感が出るのでおすすめです。

余談ですが、タープに落ちる木漏れ日が大好きです。

食事のシーンは背景に緑を入れることで外で過ごしていることを伝える

外で食べる料理やおやつ、外で飲む珈琲は本当に格別です。その“いつもと違う、非日常感”は、背景になるべく外だとわかる木々の緑や、地面、植物を写り込ませることで表現することが出来ます。

絞って撮影すると、背景がごちゃついてしまい、メインの料理部分が埋もれてしまうので、わたしは開放で撮ることが多いです。半逆光で被写体の立体感を出しつつ、背景に玉ボケを狙ってみると雰囲気のある写真に仕上がります。

食べ物の写真は、真横や斜め上、俯瞰から撮ったりなど、緑がバランスよく入る構図を狙っていろんな方向から撮ります。テーブルフォトなどを撮影する場合は、基本のS字やC字構図にするのがベターです。

S字構図:S字のように、曲線を組み合わせた配置のこと。
C字構図:お皿などの円形のものの端を切ることによってCのように見せる構図のこと。

作業中の写真はマスト

普段はあまり撮る機会も少ない“何かを作業している様子”の写真。珈琲を淹れるシーンや料理のシーンを撮影する人は多いかもしれませんが、キャンプでの作業の様子は、どれも絵になるから不思議です。焚き火の準備シーン、食材をカットしているシーン、ご飯を炊く前のシーンなど…。何気ない瞬間を写すことで、キャンプのわくわく感がより伝わる写真になると思います。

私の場合は、記録写真の雰囲気にならないように、手元にクローズアップしたり、人の顔をなるべく写さないようにしています。人の表情が写っていなくても、その場を想像できたり思い返せる、そんな写真を目指しています。

景色と人だけの写真も忘れない

テントサイトから少し離れると、景色と人だけの写真を狙えることも。思わぬ絶景に出会えることもあるので、散歩するときはカメラを忘れずに持ち歩きます。いつもの撮影よりもゆったりと時間をかけることが出来るのも、嬉しいポイントです。

また、キャンプ場は街から離れていることも多いので、綺麗な星空が撮影できるチャンス。私はまだ本格的に星撮影をしたことがないのですが、いつかチャレンジしてみたいなと考えています。

暗くなる時間帯はランタンや焚き火の灯りを生かす

キャンプと言えば「焚き火」や「ランタン」をイメージされる方も多いですよね。普段、暗くなる時間帯は写真を撮ることが少ないのですが、キャンプではこれらを撮影するために暗くなる時間帯を狙って写真を撮っています。暗くなりすぎると撮影がぐんと難しくなるので、薄明(※日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄暗い時間のこと)がオススメです。

日の入り後
日の出前
焚き火を背景にすることでオレンジや赤の玉ボケを写すことができる

キャンプでの料理写真

私のキャンプで一番のメインは、食べること(笑)。撮影するときのポイントでも料理写真について少しだけ触れましたが、ここでは私がキャンプでおすすめしたいメニューや道具についてご紹介したいと思います。

やっぱり写真を趣味としているからには、毎回料理写真も素敵に撮りたい。あまり凝った料理は私にはハードルが高いので…簡単かつ、写真映えして、地元産食材を使って出来る料理を考えます。

アレンジが楽しめるスパイスカレー

私の中では頻度が高めな料理です。市販のルーは使わずにスパイスを混ぜて作りますが、レシピは案外シンプルで簡単。ひたすら玉ねぎを炒めるという工程があるのですが、キャンプでは時間もたっぷりあるので問題ありません。外で無心で炒める時間も案外楽しかったり。

キーマカレーにアレンジしたり、定番のバターチキンにしたり。前日に付け合わせのアチャールを仕込んでいくと、料理も華やかになりますよ。

作る工程もシャッターチャンスのホットサンド

こちらはキャンプでは定番ですよね。パンの中に好きな具材をたっぷり詰め込んで火にかければ、とっても簡単でおいしくて満足度の高いホットサンドの完成です。挟み込む前の具材を載せたところも絵になりますし、切ったときのトロ〜リとしたチーズもシャッターチャンス

また、ホットサンドメーカーは、フライパン代わりにも使えるのでオススメです。この間は餃子を焼くのにホットサンドメーカーを使ってみたのですが、なんと蒸し焼きも出来ちゃう優れもの…。フライパンと蓋を持っていくのには荷物がかさばるしなあと思っていたので、とっても便利でした。

絵になるシーンが満載!プリンと珈琲

おやつは毎回と行って良いほど固めプリンを仕込んで持って行きます。単純に私が固めプリンが大好きなことと、見た目がかわいいからなのですが…(笑)。

プリンを器に出す瞬間は動画(ストーリーズ)で見せるのもおすすめです。そのままでもかわいいし、クリームをトッピングしてみても◎まだキャンプでは試したことはないのですが、さくらんぼをトッピングすればさらに素敵になりそうですね。

そしておやつに欠かせないのが珈琲です。珈琲を淹れるシーンはシャッターチャンスだらけ。コーヒーミル、珈琲豆、ドリップポット、ドリッパーなど、どの道具も写真映えします。豆を挽くところ、お湯を注ぐところ、ドリップされているコーヒー、コーヒーを飲むところ…。絵になるシーンがたくさん。

カトラリーやうつわの選び方

キャンプに持っていくカトラリーやうつわは、なるべく割れない材質のものを。私の場合はステンレス・チタン製のものや木製のものがほとんどです。色や材質を揃えることで、テーブルフォトにも統一感が生まれます。自分の中でルールを決めてみましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか?今回は私がキャンプに行った際の写真を撮る時に意識しているポイントをいくつかご紹介させていただきました。キャンプを楽しむあまり、写真を撮っていなかったなんてことも多々あるのですが、少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。

最後まで目を通していただき、ありがとうございました。素敵なキャンプライフを。

展情報

sachi氏を含めた総勢7名による写真展を開催。ミラーレスカメラ「Z fc」を使って「伝えたい、わたしの世界」をテーマに特別に撮り下ろした作品が展示されます。ご興味をお持ちになった方は、是非お越しください。

展示 : NICO STOP 写真展 「伝えたい、わたしの世界」
日程 : (VOL.1)2021年10月14日(木)~10月27日(水)嵐田大志、酒井貴弘、sachi、(VOL.2)2021年10月28日(木)~11月10日(水)鎌田風花、jyota tomonori/misuzu、宵月絃
時間 : 10時30分~18時30分(日曜日休館/最終日は15時まで)
場所 : ニコンプラザ大阪THE GALLERY
住所 : 大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階

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※本商品は、sachi氏によるガイドではありません
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