これがRICOH THETA!旅行の思い出記録から360度ならではの作品まで、アウトドアにもおすすめしたいカメラの魅力を解説

photo by sawamura yohei

風景写真家であり、文学研究者でもある別所隆弘(@TakahiroBessho)氏の視点で、360度切り取ることができるカメラTHETAの魅力を様々なフォトグラファーの作品を用いてご紹介いたします。新しい表現による、無限の空間をお楽しみください。

THETAというカメラについて

写真という芸術

時々思うんですよ、なんで写真って四角形でフレーム作っちゃったんだろうって。だって地球って丸いじゃないですか。まあ、丸いと言っても、僕らの目にはフラットに見えてるんで、亀の上に象が乗ってて、その上に平たい地面が乗ってるのが世界って古代の人達が思ったのも無理は無い気がするんですが、でも古代ギリシャの時点で地球はだいたい丸いってわかってたわけですよね。

世界は本来「まるい」わけです、理念的には。芸術というのは、理念を具現化するための一手法だから、多分、世界も「まるく」捉えたほうがいい。だって画家のセザンヌだって言ってます、「自然を円筒形と球体と円錐体で捉えなさい」。時々だから、思うんですよ。「ああ、足りねえなあ」と。12ミリの超広角でさえ、世界のまるい広さを撮るのに足らない。全然足らないって。そもそも四角で切っちゃうので、宿命的に世界が「見切れ」てしまうが、写真という芸術なわけです。

THETAの写す画角の広さ

もちろんその「足ら無さの焦燥感」ってものが、芸術の世界を飛躍させることもあることはあるわけです。俳句は5・7・5の文字数で、世界のミクロコスモスを描き出すわけですが、あれもたった17文字という制限が、無限の空間を作り出すという逆説の上に成立した芸術です。写真だって、「四角に区切られている」からこそ、芸術足り得たのかもしれない。

でもね、時々思うんですよ。「狭いな!!」って。でね、THETAを初めて使った時思ったんですよね。

「ひろっ!やばっ!」

というわけで、本日はこのあらゆる意味において革命的なカメラデバイスとして登場したTHETAを皆さんにご紹介。

ご存知だとは思いますが、THETAはRICOHが2013年、世界初の「全天球を撮影することができるカメラ」として発表したデバイスです。180度映る魚眼レンズを2つ張り合わせたことで360度を1ショットで写すことができるという、まさに「コロンブスの卵」のような発想の転換で業界を震撼させたカメラです。

▼ フラッグシップモデルはこちら ▼
THETA Z1
▼ アドバンスドモデルはこちら ▼
THETA V
▼ 4色から選べるスタンダードモデルはこちら ▼
THETA SC2

難しいけど、だから面白い!

ところが使ってみてすぐに思いました。これは難しい!今まで全然見たことがない世界が、スマホの画面に出てくる(THETAはBluetoothやWi-fiでスマートフォンと接続して使うことができます)。ちょっとTHETAを傾けてみたら、直前まで見ていた「画」とまっっっったく違う光景が画面の中にバンッと現れる。これが、今まで感じたことのない未知の世界でした。

今回の記事を書くに当たって、初めてTHETAの世界に触れた時、その難しさをまずは感じました。その直後、思ったんですね。

「これは面白い!」

写真本来の持つ魅力と面白さ

そして、これはまさに「写真の核心」でもあるって。我々は今や、1億総写真家時代を生きていると言っても良い。日本人のほぼ全員に近いくらいの人々がスマートフォンを所持していて、そしてそこについている高性能なカメラで毎日何かを撮っている。

僕の70歳を超える母親は、機械が苦手なんですが、それでも日々何かをスマートフォンのカメラで撮って、「写真のある生活」を楽しんでいます。そんな時、改めて、「写真の持つ本来の面白み」って、埋没しちゃうところがあります。だって、あまりにも写真が日常になってしまったから。

カメラの見え方

でも写真って、多分、「え?こんな風に映るの!?」っていう驚きが、元はあったんだと思うんです。例えば僕らは、時々自分の写った写真を見て、「え、俺ってこんなに太ってたっけ?」とか思うわけです。自己認識と世界認識というのは、往々にしてずれているわけです。

で、カメラはそれをときに正確に、ときに誇張して伝える。超広角レンズで世界を撮れば、パースが強調されたありえない広い空間が現れる。その光学的な効果が、僕らの日常世界を改めていろいろな多面的な世界として見せてくれるのが、カメラの面白さの一端です。ロシアの文学理論家のシクロフスキーがいう、「異化効果」と呼ばれるものがそれです。我々が知る日常を、様々な手法で「異化」する機能が、カメラにはある。

従来のカメラ・スマートフォンとは違う魅力

そしてTHETAとは、まさにそうした「異化効果」の具現化そのもの!我々が生きる世界を「広くてやばい360度」として、我々の認識を拡張してくれるものなんですね。つまり、THETAとは、カメラの持っている「え、世界ってこんな風に映るの!」という原初の驚きを、最も忠実に、そしてラディカルに受け継いだカメラと言えるんです。

今日はそんな「広くてやばい360度」の世界の真髄を見せてくれる作例を紹介しつつ、どんな風にこの他に追随者のいないカメラを使えばいいかのサジェストをできればなと思っています。

これがRICOH THETA!旅行の思い出記録から360度ならではの作品まで、アウトドアにもおすすめしたいカメラの魅力を解説

THETAで広がる写真の幅

まずは一枚目、Ryuto(@ryuto_sato_)さんのこちらの写真!

これ!「THETAの写真ってどんな感じ?」って言う時、まず頭に思い浮かんだのがこれで、まさにその具現化。この写真、何よりすごいのは地面の模様なんですよね。すでに書いたんですが、THETAって、見えるところが広すぎるので、自分が何を撮ってるかよくわからなくなるんです。慣れたら自在に操れるのかもしれないけど、そもそもこの場所でこの模様が、こんな風に出るって、頭の中で想像できないと、これって撮れないんですよね。

それが意味するのは、Ryutoさんには、この景色が「見えて」いるってことなんです。それって面白くないですか。人間の認知を遥かに超えた場所で生成されている画像を「見る目」が、THETAを使う過程で生まれてくる。

カメラを使う姿も美しい

二枚目は、澤村洋兵(@yohei_sawamura)さんの写真!

あれ?これってTHETAの画像じゃない?そうです、これは多分、澤村洋兵さんが普通のカメラでとられた写真。でもね、これすごくTHETAらしいんです。

なぜかっていうと、THETAって独特の広さがあるんで、構え方が普通のカメラとちょっと違う。みんなすごく背伸びして撮ったり、逆に超ローアングルで撮ったり、普通のカメラ以上にカメラの位置を意識します。その方が「もっと広く」世界が写るからなんです。

そして、その撮っている姿が結構素敵なんです、まるで「世界を探している」みたいな感じで。小さなTHETAというデバイスが、まるで祈りを捧げるための道具のように、空に向かって掲げられる姿を捉えた澤村洋兵さんの写真、THETAらしさが全開で素敵じゃないですか?

360度でのまるい作品表現

でもさすがにこれだけじゃ澤村洋兵さんがTHETAで何を撮ったのかわからないので、こんな写真もご紹介!この記事が出る頃、多分もうすぐこんな風景が見られる時期になっているはずです。使い方の参考になりますね!THETAなら、こんな風に平たいはずの地面を、ぐるっと円に囲んで表現することができます。

まるで桜が「菜の花の水晶玉」の中に閉じ込められたようなこんな表現も、THETAならでは!

THETAで撮影する街撮りスナップ、写真の魅力盛りだくさん!

続いて三枚目は、Ekaterina Mishchenkova(@katia_mi_)さんの写真!

これはやばいですよ!まさにTHETAの魅力爆発!!

最初に、「世界を球体で捉えたほうが面白い」って書いたのは、まさにこれ。直線のものを球体の原理で描き出すと、そこには僕らが見ているのとは違った街が現れる!!THETAを一つもって街に出かければ、多分無限のキャンパスがそこに広がっています。

なかでもEkaterina Mishchenkovaさんが本当にうまいのは、球体の中に「直線」を絶妙に配置している点!左は手前のマンションの屋根の直線、右が中央にそそり立つビル。それぞれがTHETAの円の中で、主題がどこにあるのかを明示するための導線になってます。こりゃあうまいですよ!!

家族との思い出を丸ごと記録

「でもこんな写真、難しい」って思われるかもしれません。いやいや、もっと自然に楽しく使う事もできます。四人目は、Mami Misawa(@mamimisawa)さんのこんな写真。

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

家族団らんのひととき、しかもこれは多分テント内を写した写真です。それをこんなに広々と!柔らかな青空と緑の芝生まで!!テントの中でカメラを構えたら、例えば超広角レンズで撮ったって、ここまで「全部入り」の写真は撮れっこないです。THETAが一つあれば、こんな風に家族での旅の記録にも大活躍です。後から振り返った時、「見切れてる!」なんてことが無いほど、全部写してくれます!!

旅での星撮影や仲間との記念写真にもおすすめ

そして最後のご紹介も、THETAを「旅」へのお供に持って行きたくなるこんな写真。Kazu(@snow_j)さん!

これはやばい!!天の川写っちゃってます!!天の川って、実はめっちゃでかいんです。見えるところに行けば、それこそ目の前から頭の後ろまで、空を半分に割っちゃう勢いで横たわっているのが見える。僕のような風景写真家は、「ああ、これ全部撮りたいなあ」ってよく思うんですが、天の川が垂直に立つ夏の頃は、せいぜい全体の1/3までしか写せない。

でも全天球を写し込むことのできるTHETAなら、天の川をまるっと全部、こんな風に一枚の写真に入れることができる。しかも、まんまるの玉の中に。まるでこの地球から見えるすべての星がここに写っていて、それを仲間たちとキャンプしているときに見ている光景のような、そんな素敵な一瞬。夜空の下で星を見ながら語らう瞬間だって、THETAならこんな素敵に収めることができるんですね。

アウトドアに最適な360度写真の理由

そしてこれらに加えて、THETAの真骨頂である360度に展開する画像は、いわばこのTHETAの本領発揮とも言える世界を我々に見せてくれます。例えばKazuさんのこの写真。

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

旅先に出ると感じる空の高さ、海の広さを切り取るのに、これほど適した写真は他にはありません。写真という芸術が四角いフレームで世界の一部を「切り取る」ことを運命づけられた芸術であったのに対して、THETAはその限界を突破しちゃうんです。いわば世界をそのまま「取り込む」のが、この360度写真の世界

それは絶景だけではなく、仲間たちとのひとときを取り込むときにも、楽しかった記憶の空気や、その時話した声まで聞こえて来そうなほど、しっかりと写真の中に取り込まれます。

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

最初「難しいけど面白い」と書いたTHETAの世界は、こうやって360度写真を撮りはじめた時、むしろその時その時に感じた「あ、この瞬間いいな」のすべてを、そのまま切り取っちゃうデバイスとして、我々に新たな魅力を見せてくれるんです。

まとめ

カメラと写真では考えられなかった世界

さて、どうだったでしょう。今回ここにご紹介した写真は、今までのカメラと写真では考えられなかった世界が広がっていたように思います。そしてこれが意味する物事は、実はすごく大きい。

この記事の最初で、写真の「異化」について話をしました。そしてその時文学理論家のシクロフスキーをご紹介したように、これはもともと文学理論の話です。そしてこの「異化効果」というのは、実は文学や、あるいは写真に限ったことではなく、芸術っていうのは一般的に、世界を「異化」する具合によって、個性が生み出される側面がある。

カメラで表現する芸術

ただ、写真はそれが実は難しいジャンルです。例えば文学や絵画だったら、「よし、違うものを生み出そう!」と思った時、例えば絵画なら、バンクシーの様に「世界そのもの」をキャンパスにしちゃってもいい。文学もそうです、誰も理解できないにせよ、例えば全部自分が発明した暗号で文章を書いたりもできる。誰も理解できないけど。

でも写真は難しい。なぜか。我々写真家は、写真(作品)を生み出す時、カメラというデバイスに頼らないといけないからなんです。そして、カメラ自体は僕ら自身ではなかなか作り出すことができない。その意味で、表現のある側面がデバイスによって制限されている芸術なんです。

もちろん、芸術は大なり小なり「制限」の中でこそ輝くものであることは最初の方にも書きました。でも、新たな表現を目指そうという時、写真というのは意外とその制限が強めの芸術です。

新たな世界が生まれるデバイス

そこにTHETAというデバイスが現れたんです。これまで誰も見たことなかった広大な「視野」が広がる世界。

その視野が生み出す魅力的な世界は、今日この記事で見てもらった通りです。そう、THETAの登場は、これまでこの地球に存在していなかった「世界」を、新たに一つ作り出したのと等しいんですね。そして「世界」が一つ生まれるということは、表現にとっての可能性が広がるだけでなく、芸術以外のところでも毎日の生活を新たな視点で見られる、楽しい「記録」を可能にもしてくれます。

それはあなたの「記憶」を、より生き生きと彩るものになるでしょう。

THETAが生み出した世界、ぜひ皆さんも味わってみてください。文字通り「世界を見る目」が変わります!

この記事は、RICOH THETAのプロモーションになります。

RICOH THETAが気になる方はこちら!

フラッグシップモデル

THETA Z1

アドバンスドモデル

THETA V

4色から選べるスタンダードモデル

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