大切な撮影データが消える前に!写真家がすすめるデータバックアップ5つの習慣

皆様こんにちは。北海道でフリーフォトグラファーとして活動している久保陽平(@Yohei_photo)です。広告会社からカメラマンとしてのキャリアをスタートし、2019年8月まで地元の写真館にて、ブライダルの前撮り(スタジオ・ロケーション)をしていました。

今回は、商業カメラマンとしての経験をもとに、データバックアップの重要さを皆様にお伝えできればと思います。

大切な撮影データが消える前に!写真家がすすめるデータバックアップ5つの習慣

データバックアップの大切さ

皆様は、撮影データが消えてなくなってしまった経験はありますか?私はあります。

その時は、全身の力が抜け、悲しみに打ちひしがれ、昼間から酒をあおるように…なんてことにはなりませんでしたが、全てを失ってしまったかのような感覚に陥りました。結果的にはHDDのデータは復旧することができ、無事にメンタルも回復することができたので、ダークサイドに堕ちることはありませんでした。

撮影データを失うということは、アマチュアであればその時の思い出やSNSのネタ、プロであれば報酬と信頼を失ってしまうことに他なりません。そう考えると、絶対に疎かにしてはいけないとわかるのですが、最近はその重要性が少し認識されていないと感じ、記事を寄稿させて頂きました。

データ破損は身近に潜んでいる

私は以前、撮影後にSDカード内にあるデータのバックアップを取ろうと思った時に、静電気が発生し、カード内のデータが吹き飛んでしまったことがあります。

SDカードは電子部分が露出しているので、静電気に非常に弱いのです。これからの時期、静電気自体も発生しやすいですし、カーディガンやセーターを着ている人等、ピ〇チュウ並みに電気を纏う人が大勢出現します。SDカードの受け渡しは机の上を経由するケースに入れて受け渡す等、対策をしましょう。この時、もう一つのスロットにCFカードを挿して同時記録していたため、データを損失してしまうことは防ぐことができ、無事にデータを納品することができました。

他にも、SDカードをリーダーから引き抜く際に、急いで無理矢理引き抜いたためにカードが曲がってしまい、泣く泣く廃棄した方や、表裏を逆になっているとは気づかずに無理に挿し込んだために破損させた方がいました。

撮影時には同時記録を

前項のように、物理的な破損をしてしまったカードのデータを復旧させることはコストもかかるうえに、完全にデータが復旧するとも限りません。

そんな時に救いの手を差し伸べてくれるのが、「同時記録」です。

使用しているカメラによっては、メモリーカードを挿すスロットが2枚のものがあります。主にミドルクラス~プロユースのカメラ(一部例外有り)がこれに該当するのですが、この時、特別な意図が無い限りは同時記録にしておく事がオススメです。

じゃあダブルスロットではないカメラを使っている人はどうしたらいいの?という疑問ですが、それは容量の小さいカードを複数枚、多めに持ち歩くことで対策することが可能です。少し面倒ですが、2GB~8GBのカードをこまめに交換することで、万が一の大量データ損失事件を防止しましょう。

メモリーカードは複数持ち

64GB以上の一般的に大容量と言われるカードを持っていたとしても、可能な限り複数枚持ち歩き場面ごともしくは時間帯ごとに使い分けるようにすることでデータの全損失を防ぎましょう。

データの容量を補うことを念頭において撮影を行うと、いざという時に容量がいっぱいになってしまい、シャッターチャンスを逃してしまうという悲劇も考えられます。そのため、撮影の合間や移動時にカードを入れ替えておくことで、そういった事態を未然に防ぐことも可能です。

家に帰ったらまずはバックアップ

撮影が終わって家に帰り、疲れたぁ~とバックアップを取らずにビールを片手に取ってしまう気持ちも大いにわかります。むしろ、人の本能として正しいことかもしれません。

しかし、そこで本能に抗って、せめてカードリーダーにカードを挿す事くらいはするようにしましょう。そうすれば、バックアップを取り忘れる可能性はグッと下がるはずです。

ゆくゆくは、バックアップを取らないと他の事は手につかないくらいまで、意識に刷り込むことが理想です。

バックアップは最低でも2か所に

データはHDDもしくはSSDにバックアップを取るかと思います。ただ、そのデータを一か所にとどめては可哀想です。
もう一か所に居場所を作ってあげましょう。というのも、HDDやSSDのトラブルは以前に比べると、遥かに少なくなったとはいえ0ではありません。なので、完全に独立したHDDやSDD、クラウドストレージを使用し、万が一のトラブルに備えると安心です。クラウドストレージは、災害などで、データが物理的にダメージを負うことがないので、オススメと言えるかもしれません。

メモリーカードの中身はそのままにしない

バックアップを取ったら、カードの中身は特別な理由が無い限りはフォーマットし、空っぽにすることを習慣づけましょう。

古いデータを残したまま、新しい撮影をするのは、データが混在してしまい、あまり効率的ではないですし、容量も圧迫します。やっぱり古いデータを消そう!となった時に、途中まで撮影したデータを一緒に消してしまう重大なヒューマンエラーが起きかねません。

なので、できる限り、次の撮影に行く前にカードの中身をしっかりと整理・確認をすることが、事故を防ぐ第一歩です。

データバックアップのまとめ

  • メモリーカードはデータ破損が簡単に発生する
  • 撮影する時には同時記録をするのがオススメ
  • メモリーカードは複数枚を使い分ける
  • 早めにカードリーダーにカードを挿しておく
  • バックアップデータは二箇所以上にする
  • 撮影する前には必ずフォーマットをする

バックアップで止める、悲しみの連鎖

一口にバックアップと言っても、その背景には広大なストーリーが広がっています。

今の時代、写真に限らずデータはとても身近で、身近すぎるが故にバックアップの重要性が少し認識されづらくなっているのかもしれません。でも、失って初めてその大切さに気付いた時には、時すでに遅し。本人は諦めがつけばそれで良いのかもしれません。ですが、一生に一度の場面や、イベント等ではそうはいきません。

悲しみの連鎖が広がらないようにするために、バックアップを今一度見つめ直してみましょう。

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