自然光だけでおうちで簡単、楽しく気軽にブツ撮り!アイディアの出し方から編集のポイントまで

はじめまして。好きなものを好きなように撮ったり創作したりしているNao Kudo(@kudo_70)です。

物撮りってなんだか「難しいもの」ってイメージ、ありませんか?

そんな物撮りをもっと身近に感じてもらうために、今回はお家で楽しく物撮りをする方法について、書いていきたいと思います!

自然光だけでおうちで簡単、楽しく気軽にブツ撮り!アイディアの出し方から編集のポイントまで

撮影機材は身の回りにあるもので代用

物撮りがしたいけど、お部屋が狭い、機材がない、スナップのように手軽に撮りたい。という方は少なからずいると思います。

でも実は、お家にあるものやホームセンターで買えるもので、簡単に物撮りを始めることができちゃうんです!

物撮り撮影ポイント

背景

厚手で大きめの背景紙はなかなかお家で保管しにくい上に、撮影用にスタンドをセットしてそこから背景紙を垂らしたりといったセットを組むことも大変です。こういった場合は、模造紙や画用紙、布を代用する事で、スペースも取らずにお手軽に背景紙の代わりを作ることができます。

背景の作り方は、パーマセルテープやマスキングテープを用いて、ゆるいカーブを作りながら長めに垂らすことで綺麗に作ることができます。また、被写体の上から俯瞰で撮る場合は、床などに画用紙や布を置くだけで背景紙の代わりになるので、おすすめです。

もうひとつ、わたしはイームズチェアを背景としてよく使っています。

我が家のインコを撮るときも、背景紙だと噛みちぎって遊んでしまうので、このイスを使って撮影をしています。他でいうと被写体が濡れているものを撮る時なんかも、このイスを使って撮影をすることが多いです。

お家にストロボのような発光装置がなくても大丈夫!自然光や定常光があれば、今から紹介する下記3つを組み合わせることで色々と遊ぶことが出来ます。

ライティングをする上で必要な3つのこと
①1種類の光に絞る
さまざまな種類の光や色の光が混ざっていると扱うのが難しいです。そのため、複数の方向からの光を使ってライティングしたい場合は、同じ種類の光を使うのがおすすめです。例えば、自然光だけ、同じ種類のランプだけ、など。

②家庭にあるものをディフューザーとして使う
トレーシングペーパー、レースカーテン、クッキングシートなどを使えば、光を柔らかくすることができます。

③レフの効果で影をおこす
白い板や発泡スチロール、スケッチブックなど、光が反射しやすいものを使うことで影をおこせます。また、レフは影を起こすだけでなくハイライトを作る役割もあります。

上記3つを組み合わせることで、
①の光を②で柔らかくし、③で被写体の影やハイライトを調整していくことができます。また、影をしっかり出したい撮影の場合は②を使わないこともあります。

①〜③の組み合わせ方はたくさんあるので、色々試しながら楽しんでみるのもいいかと思います。

もしストロボがあれば、もちろん使いましょう!さらに表現の幅が広がります。ストロボを使ったブツ撮りについて詳しく書かれた記事がヒーコにあるので、気になる方は本記事の末尾にあるリンクから見てみてください。

※ディフューザー:「光を柔らかくする」機材
※レフ:「光を反射する」機材

被写体

被写体は自分が好きなもので、撮っていて楽しいと思えるものを選ぶことが大切です。

ただ、化粧品や暗い色のボトル、金属など反射がしやすいものは周りの物や色が写りこむので、レフ板を何枚か使いながら写りこみがなくなるように調整しましょう。

撮影アイディアの出し方

いくつか方法がありますが、まずは事前に見せたい雰囲気をイメージしておくことが大切です。

自分の好きなものを考察

被写体の好きなポイントはどこか、それに合う色や見せたい雰囲気はなんだろうか、と考えることが重要です。これは自分の好きなイメージでもいいですし、色彩の本を読んで勉強するのもいいと思います。

参考程度に作例を2つあげたいと思います。

例1:柿を使った撮影
好きなところ
やわらかい菱形でお花みたいなヘタ、ころんとかわいい、おいしい

合う色
和っぽい鶯色、柿のイメージと真逆のミントブルー、こげ茶色

見せたい雰囲気
柿が嫌いの人でも「柿かわいい!」って思えるようなポップさや、和っぽいどっしりした印象を覆す「軽さ」を意識した浮遊感

ポップさを出すために反対色のミントブルーの背景色として使用しました。柿の形がわかるようなに配置しています。また、ふわっとしたやわらかい影が真下に出るようにストロボでライティングをしています。

例2:黄色のセロハンテープ
好きなところ
横から見た時の丸と角丸の曲線美、レトロカラー、カッターにかかるテープ

合う色
PANTONE color of the year 2021でIlluminating(黄色)と組み合わされているUltimate Gray(灰色)、反対色の水色

見せたい雰囲気
シンプル、クリーン

この時は黄色×灰色の配色で撮影したかったので、背景色は迷わず灰色を選びましたが、それだけでは物足りなかったので、家にあった透明なテープカッターをアクセントにして、水色のマスキングテープが対称となるように並べてみました。

この撮影では自然光+レフ板を使っています。

身の回りにあるものとの共通点や相違点を考える

前述の「好きなものを観察」にプラスして、さらに身の回りに好きなものを引き立てるものがないかを今度は探していきます。

例1:レンコンとレース

共通点
白い、穴が空いてる、形が丸い

相違点
レンコンは泥っぽくてしっかりしている形状のイメージに対して、レースはかわいくてふんわりしたイメージ

見せたい雰囲気
ガーリーで、かつ洋服のパターンをイメージしつつも、泥っぽいレンコンが紛れている事へのギャップ

メインであるレンコンをレースに見立てて撮影したかったのもあり、イメージはレースに寄せてかわいらしい雰囲気に仕上げました。

例2:アスパラと色鉛筆

共通点
単一色で、先が細くて長い

見せたい雰囲気
違和感がありつつも自然なリズム、ポップでカラフル

背景はスケッチブックを使用し、ライティングは窓からの自然光1方向で撮影してます。

写真の表現としては、机の上の画材がそのままの自然な雰囲気で置いてありつつ「なぜかアスパラが混じっている違和感」に集中できるようにまとめました。

言葉からアイディアを生み出す

また、言葉遊びや連想ゲームの要領で面白いものがないかも考えます。誰もが一度は考える「ウィンナーコーヒーって、コーヒーにウィンナーが入ってるのかと勘違いしていた」みたいなことです。ダジャレや大喜利的思考になってアイディアを出してみましょう。

私は普段の生活の中で面白い言葉や自分の中で引っかかった言葉をメモしておき、そこから脳内で大喜利大会をして優勝したものを現実に落とし込むということをしています。

例1:スパゲッティコード
スパゲッティコードとは、「複雑で整理されていないプログラム」をお皿に盛られた「スパゲッティのように絡んでいる様子」に例えたものです。

なので、このコードは本当は”プログラム”コードなわけなのですが、現実でスパゲッティコードを作るなら接続コードだなあと思い皿に盛りました。白と黒だけでは味気ないと考え、3色コードの端子で具をイメージし、アクセントカラーにしています。

ちなみにこちらは、前述で紹介したイームズチェアを背景として使用し撮っています。

例2:誤植
みなさんもご存知の通り「誤植」とは、文字が間違っていることです。

誤植の意味と、誤って植えるという文字からヘタの部分の交換(頭文字が間違っているイメージ)のアイディアを思いつきました。パイナップルを使用したのはヘタにインパクトがあり、誤植の「やらかした感」がひと目でわかりやすいからです。

インパクト重視でいくなら大根とかカブでもよかったかもしれません。

写真レタッチポイント

物撮りはシンプルかつ自分で世界観を作っているからこそ、背景紙の上の小さな汚れやゴミ・反射・ズレ・変な影・ほつれ…など色々気になるものです。

現像後は隅々まで見ながらPhotoshopなどで修正をしていきます。写真をアップに表示してゴミなどがないか確認したり、気になる部分を修正して、引きで見ても全体に違和感がないか繰り返し確認しながら修正をおこなっていきます。この作業が完了すれば、作品の完成となります。

気軽に物撮りを楽しもう

ここまで読んでいただきありがとうございます。物撮りって実はスナップのように、お手軽に撮影できるのだということが伝われば幸いです。

レッツエンジョイおうちフォト!

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最終更新日:2021年8月12日
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