はじめに
こんにちは。朱門@shumonphotoです。
最近、おかげさまで多くの方から、”チュートリアルブログが分かりやすいのでPhotoshopもがんばって使ってみます~”といった嬉しい言葉を聞くことがあり、チュートリアル書いて良かったなぁとしみじみと感じています。
読者の皆さん、いつも読んで頂いてありがとうございます!
一方で、Photoshopを使い始めてみたものの、”フォトショ難し~。やっぱりLightroom”の方が慣れてて使いやすい!”と感じられてる方も多いのではないでしょうか?
そんなPhotoshopでのRAW現像初心者にも安心してもらえるよう、今回はPhotoshopでも使い慣れたLightroomと同じ現像機能を最大限利用する方法を説明します。
Adobe Camera Raw
“Adobe Camera Raw (ACR)”って何?
普段PhotoshopをRAW現像のメインで使っている方はよくご存知だと思いますが、Photoshop CCにはほぼLightroomと同じ現像機能を備えるツールである “Adobe Camera Raw (ACR)” が内蔵されています。
“Adobe Camera Raw (ACR)”設定画面
ACRはPhotoshop CCで直接RAWファイルを開く際に使うツールですが、このACRの内部的な仕組みや現像処理エンジンはLightroomとほぼ同じです。
しかも、Photoshop CCにはこのACRをRAWファイルを開く時だけではなく、フィルター効果の一つとして使う機能が備わっています。
ACRフィルターの設定画面一覧
つまり、Photoshopを使えばLightroomとほぼ同じ現像処理をフィルター効果として各レイヤーに適用することが出来ます。
ACRフィルター機能を使う
ACRフィルター
ACRフィルターを使う方法は簡単です。
例えば、既に写真データをPhotoshopで開いている状態であれば、ACR機能を適用したいレイヤーを選択して、”フィルター” -> ”Camera Raw フィルター”を選択するだけです。
ACRフィルター適用画面
これで、先ほど紹介したACRの調整画面とそっくりな画面が開きますので、Lightroomを使うのと同様の操作で現像処理を行うことが出来ます。処理が終わったらOKボタンを押すと、選択したレイヤーに対してACRで調整した現像結果が反映されます。
現像パラメータ調整後、OKボタンを押して反映
スマートフィルターとしてACRフィルターを使う
ACRフィルターを使うことで、このままでも十分にLightroom相当の現像処理を行うことが出来るのですが、後で”やっぱりちょっとここ直したいなぁ”と思うことがあると思います。
そんな時に便利なのがスマートフィルター機能を使う方法です。
スマートフィルターとは
スマートフィルターを使うと、一度適用したフィルター設定を画像を劣化させることなく再調整することが可能になります。もちろんACRフィルターもスマートフィルターとして適用することで、いつでも現像設定の再調整が可能です。
使用手順
ACRフィルターをスマートフィルターとして使う手順ですが、先程の手順に1ステップ加えるだけです。
まず、ACRフィルターを適用したいレイヤーを選択し、 “フィルター” から ”スマートフィルター”を選択します。
スマートフィルター適用画面
ここで確認ダイアログが表示されるので、OKボタンを押します。
この操作によって、このレイヤーは”スマートオブジェクト”と呼ばれる状態になります。
スマートオブジェクトに変換される
次に”フィルター”から “Cameraraw”フィルターを選択します。
Camerarawフィルター適用画面
後はさきほど説明したACRフィルターを使う手順と全く同じです。
ACRフィルターでの現像パラメータを再調整したい場合は、レイヤーの下にあるアイコンをダブルクリックすることで、再度ACRの画面が表示されますので、再調整した後、OKボタンを押せば、現像パラメータが更新されます。
再調整はレイヤーの下にあるアイコンをダブルクリック
比較
オリジナルのデータ(左)とACRフィルターで調整したデータ(右)の比較です。LightroomでRAW現像処理をした場合と同等の処理を行っています。
オリジナルデータ(左)・ACRフィルター適用データ(右)


さらに、ACRフィルターで調整した画像に対して、Orton効果や部分的に露出調整を行ったものがこちらです。
Orton効果・露出調整を追加適用(ウインドウ有)
Orton効果・露出調整を追加適用(画像のみ)
TIPS: LightroomからPhotoshopを開く便利な方法
実はLightroomからPhotoshpを開く際に予めスマートオブジェクトとして開くことも出来ます。
しかも、この方法の場合はLightroomで設定した各種現像パラメータがそのままACRフィルターとして引き継がれるので、Lightroom -> Photoshopのワークフローの場合は便利でオススメです。
方法は簡単で、Lightroomで右クリックメニューなどから”Photoshopでスマートオブジェクトとして開く”を選択するだけです。
LightroomでのACRフィルター適用画面
こうすることで、Photoshopでは最初からスマートオブジェクトとして扱われるため、Lightroomで調整した現像パラメータがいつでも再調整可能になります。
まとめ
今回は特にLightroomを使い慣れた方のために、PhotoshopでLightroom相当の機能(ACRフィルター)を便利につかう方法を紹介しました。
Lightroom (ACR)とPhotoshopではそれぞれ得意な現像処理が異なります。RAW現像処理を行う際、Photoshop/Lightroom(ACR)両方の特徴をうまく利用することで、表現の幅がぐっと広がりますので、是非ACRフィルターも活用してみて下さい。
それでは。また。