グラスの中に自分だけの世界を作りだす方法。心に残るクリームソーダを撮るためのワンポイントアドバイス!

はじめまして、クリームソーダ職人のtsunekawa(@tsunekawa_)です。ヒーコ読者の皆さん、突然クリームソーダ職人があらわれ、「写真関係あるの?」と思われてはいないでしょうか。実は、僕はクリームソーダを作り始める前から、それこそ専門学校時代から写真を撮ることが好きでした。そこで、クリームソーダと写真が融合したのです。

僕の中で、クリームソーダは、グラス1杯の中にそのときの気分や季節感といった時間の流れを閉じ込める気持ちで作っています。写真も同じ。時間を残す、思い出を残す、それが写真のひとつの使い方だと思っていて。なので、この二つは切っても切り離せないものとなっています。

「クリームソーダの撮り方」についての記事をちゃんと書くのは初めてなので、少し緊張もありますが、よろしくお願いします。精一杯、僕なりのクリームソーダの撮り方をヒーコを通してお伝えしていけたらと思っています。

グラスの中に自分だけの世界を作りだす方法。心に残るクリームソーダを撮るためのワンポイントアドバイス!

はじめに

それでは、まず簡単に自己紹介をさせていただきます。

僕は普段、服飾デザイナーとして活動しているのですが、その傍ら「クリームソーダ職人」として、または全国を旅して回る「旅する喫茶」の店長としても活動しており、これらの活動を通して写真を撮り続けています。以前ヒーコで「写真家の機材」という記事で取材していただきました。

今回は、クリームソーダのアイデアの出し方からテーブルの上の被写体を引き立てるポイントを、僕が撮影の際に実際に行う3つのステップを通して簡単にお伝えしていきたいと思います。クリームソーダ以外にも応用できる方法なので「そもそも何を作ればいいのか分からない」「おしゃれな写真を撮りたい」そんな時にご参考いただければと思います。

クリームソーダの撮影はスピードが命

まず最初に、クリームソーダの撮影ではなんといってもスピードが命です。撮影に時間をかけてしまうと、アイスクリームが溶けてしまったり、それによってトッピングの配置も崩れてしまうため、最初に思い描いていた完成形から離れたものになってしまいます。

クリームソーダを撮影する際には、事前にクリームソーダの準備から撮影までの流れをイメージしておき、スピード感を持って撮影することが大切です。

完成形をイメージすることの大切さ

僕はクリームソーダの撮影において、撮りたい作品の完成形をしっかりイメージしておくことが大切だと思っています。これは、撮りたい作品のイメージを明確にしておくことで、グラスや小道具の準備をしっかりして、「後は撮るだけ」という状態にし撮影自体をスムーズに進めることができるからです。

完成形のイメージが曖昧なまま準備や撮影を進めてしまうと、思い通りの写真が撮れず撮影に時間がかかってしまったり、伝えたいことが伝わらない作品になってしまいます。特にクリームソーダはグラスの形やトッピングの配置一つで印象が大きく変わってしまうので、どのような見せ方をしたいのか、最初の段階でイメージしておくことが大切です。

僕が実際に行うクリームソーダ撮影の3ステップ

それでは、僕が実際にクリームソーダを撮影する際の流れご紹介します。基本的には以下の3つのステップに沿って撮影しています。

クリームソーダ撮影の3ステップStep1:クリームソーダのアイデアを膨らませ、完成形をイメージする
Step2:グラスや小道具を実際に配置し、いつでも撮影できる状態を作る
Step3:クリームソーダを作り、シャッターを切る

各ステップについて、実例を参考にもう少し詳しく見ていきましょう。

Step1 : クリームソーダのアイデアを膨らませ、完成形をイメージする

先ほどもご紹介しましたが、クリームソーダを作る上で作品の完成形をイメージしておくことはとても大切です。まずはざっくりでも良いので表現したいテーマや世界観を決め、そのイメージに合わせてグラスやトッピングなどの詳細な部分を考えていきます。

今回は、「エメラルドのクリームソーダ」を作ってみました。このクリームソーダは「宝石」をテーマにしており、以前作った淡色ゼリーのクリームソーダからアイデアを膨らませていきました。装飾のポイントとしては、宝石をイメージして寒天のカットを添え、落ち着いたイメージを表現するためにシックな小物でまとめています。

Step2 : グラスや小道具を実際に配置し、いつでも撮影できる状態を作る

このステップでのポイントは、まだクリームソーダを作らないこと、です。

先ほども触れましたが、クリームソーダの撮影においてはスピードが命です。クリームソーダを先に作ってしまい慌てて撮影しなくてもいいように、グラスの配置や差し込む光の角度など、先に決められる部分は決めておましょう。後はカメラを構えてシャッターを押すだけ、という状態まで持っていけるとベストです。

Step3 : クリームソーダを作り、シャッターを切る

小道具などを配置し撮りたい構図が決まったら、いよいよクリームソーダを作っていきます。作ったクリームソーダは先ほど調整した構図で配置するだけ。あとは、最初に思い描いた完成形を再現するようにシャッターを切ります。

印象に残る作品イメージの固め方

クリームソーダのアイデア発想方法

ここまで、撮りたい作品のイメージをしっかり持っておくことが大切、ということをお伝えしてきました。

とはいっても、いきなりクリームソーダの完成形をイメージするのって案外難しいですよね。どのようなクリームソーダを作ればいいのか迷ってしまう方も多いかと思います。

僕の場合は、「旅するクリームソーダ」や「旅する喫茶」として全国各地を回りながらクリームソーダを作ったりするので、旅先や四季の風景、ご当地の食材などをヒントに、作品のテーマを考えたりすることが多いです。季節ごとのイベントや旬の食材をテーマにしてアイデアを膨らませていくのも面白いですね。

テーマのベースができたら、必要な食材やグラスの形、撮影のロケーションなど具体的な詳細を決めていきます。撮影で使用する小道具やその配置はテーマに合わせて感覚ベースで決めてしまうことが多いですが、「クリームソーダのグラデーションを見せたい場合には細めのグラスを使う」など、自分の中での法則のようなものを見つけられると準備で迷うことが少なくなるかもしれません。

天候を味方につける

自分の思い描いた写真を撮影するためには、天候も非常に重要な要素の一つです。屋外で撮影する際はもちろんですが、室内で撮影する際にも光の入り方で写真の印象は大きく変わります。撮影を行う際は事前に天気予報などを確認しておき、必要であれば日程を調整しましょう。

クリームソーダを撮る時のワンポイントアドバイス

僕は、クリームソーダを撮影する際にはドライアイスを活用しています。屋外での撮影でアイスクリームなどが溶けないように一緒に持ち運ぶのはもちろんですが、実は屋内の撮影でも使用しています。

僕は上の写真のように、ドライアイスの冷気を利用することで、撮影開始のギリギリまでアイスクリームを溶かさないように工夫しています。特に夏の撮影では、一瞬でアイスクリームが溶け始めてしまうので、暑い季節に使えるおすすめのテクニックの一つです。

まとめ

まとめ

  • 準備や撮影までの流れをイメージし、スピード感を持って撮影する
  • 撮影前に、作りたい世界観や完成形をしっかりイメージしておくことが大切
  • 完成形のイメージに沿って、事前にグラスの配置や光の入り方を確認する
  • 四季の風景や旬の食材をヒントにクリームソーダのアイデアを膨らませる
  • 撮影日の天気は入念にチェック
  • ドライアイスを活用することで、撮影のためにベストな状態を作る

撮影する上で大切にしている考え方


時間の流れや思い出を写真という手段で表現したい。

これは僕がクリームソーダを作り、撮影する上で大切にしている考え方の一つです。その時に流れている空気感や思い出、そういったものを写真の中で表現するには、細部にもこだわりを持って向き合うことが必要だと感じています。そうすることで初めて、写真を見てくれる人に心に残るような感覚を感じてもらうことができるのではないでしょうか。

そのためには、繰り返しになりますが、自分の表現したい世界観、そして作品を通して伝えたいことをしっかりと自分の中でイメージとして持っておくことが大切です。思い描いたイメージに沿って撮影を組み立てていくことで、それぞれの段階にこだわりが生まれ、見る人の心を踊らせるような作品を撮ることができると僕は思っています。

今回ご紹介したテクニック、だれでも簡単に試していただけるものばかりなので皆さんも是非お気軽に自分だけのクリームソーダを表現してみてくださいね。それでは、またの機会に。

クリームソーダのレシピ本のご予約はこちら

今回ご紹介した「エメラルドのクリームソーダ」は今夏発売予定のレシピ本にも掲載させていただいています。興味のある方は是非チェックして見てくださいね!

空色のクリームソーダRecipe

編集:SUU / Ray
撮影風景カット:SUU
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