ライティングをはじめよう!プロが選ぶクリップオン以外のライティング機材とその特徴解説

こんばんは、あまりの寒さに地球へ向かって日々吠え続けている、あきりん @crypingraphyです。

ライティング機材の種類

趣味でポートレート撮影をしているフォトグラファーにとって、ライティングといえばクリップオンストロボだと思いますが、御存知の通り世の中にはたくさんのライティング機材があります。
比較的安価で手に入りやすく、持ち運び安いクリップオンストロボ以外にも当然いろいろな機材があるのには理由があるんですね。

今回は、その機材の種類をかんたんに説明します。
しかし個体差が非常に大きい世界なので、一概には言えないこともあります汗
まあ、そんなことを言っていても説明できないというのもあり、最大公約数的な内容を書いてみたいと思います。

クリップオンストロボ

06-clipon

以前にもご紹介したクリップオンストロボメーカー Nissin さんより参考に写真をお借りしました。

特徴

クリップオンストロボは、各カメラメーカーも大抵の場合、販売されていますね。
カメラメーカー製のモノは、TTLというレンズを通った光に合わせてオートで調光してくれる機能がついており
この仕組はメーカー独自だったりするので、その為にメーカーが開発する必要があるようです。
しかしストロボメーカー各社でも、各カメラメーカーの仕様に合わせて対応したりしています。

ですが、TTLという機能はあまり個人的に重要ではないのでここでは割愛します。
クリップオンストロボに於いて大切なのは、小さくて軽いということ。
そして安い! と言っても意外と高いんですが、他のライティング機材に比べたら遥かに安価です。
更に、最近では大光量のモノも発売されてきているので、隙がなくなってきていますね。
とは言え、やはりデメリットもあります。

今回は、ビギナー向けにクリップオンストロボを基準として説明します。

価格帯(おおよそ)

10,000 ~ 70,000円くらい。(大体ですよ)
1万円以下のモノとかもありますよね。
しかしメーカー純正で大光量のものとなると7万円くらいになったりします。

メリット

軽い!
ストロボにおいて軽いというのは、正義です。
込み入ったライティングをしたいという時に、アームを使って頭上にライトをおいたりということもめずらしくはないので、そういったときに軽くて取り扱いしやすいというのは非常に大事なんですね。
そして当然、多灯のライティングをしたいという時にも持ち運びしやすいです。
ただし、オフカメラで利用する場合は、きちんと固定できるように注意する必要があります。。
安い!
これもやはり大きなメリットです。
ライティングを楽しみ始めると、一灯だけではなく複数使って試したくなってきます。
そういった時に複数用意できるかどうかというのは大事ですよね。
意外と光量もある。
もちろんモノによるのですが、例えばご紹介した Nissin さんの i60A や以前にご紹介した Di866 Mark II なんていう機種は、充分な光量があります。
日中シンクロでもある程度対応できますし、明るさという面では今なら足りない部分をカメラ側の性能でカバーできたりもします。

デメリット

チャージが遅い。
他の機材と比べるとチャージが遅いというのが難点です。
たしかに大光量にはなっているのですが、フル発光で使用し続けるのはテンポが求められるポートレート撮影だと工夫が必要ですね。
電池式
当たり前のことなんですが、電池式なので発光回数に制限があります。
フル発光だと200回程度。
チャージの問題で、けっきょくフル発光というのは中々使わないと思いますが、シャッター回数200枚程度と考えるとやはり少ないですよね。
とは言え、けっきょく1/2以下で使うと思うので、案外持ったりするのですが、長時間の撮影や丸一日使うというのには難しいです。
(そんな撮影そもそも殆どないけど笑)
安定性
色温度や光量について、すこしばらつきがあります。
光量を変更することで、色温度が変わってしまったりするケースもあるみたいですね。
と言っても、他のモノでも多少はあるんですけど、比べると少し不安定な印象です。
常に全く同じ明るさでストレスなく撮りたいといった場合には、クリップオンストロボを選択するのは難しいでしょうね。

ただ、それを充分上回るメリットがあるので自分も愛用しています笑

光の形
ダイレクト(アクセサリーを何もつけない状態)で照射したときに、いびつな光の形が長方形になってしまうんですね。
個人的にはここが気になって使えないというケースも多々。
他のライティング機材では、発光管の形状が丸だったり、螺旋状になっていたり、最初からリフレクターがついていたりキレイに光が照らされる場合がおおいので意外とそのまま使ったりもできるのですが、クリップオンだと個人的には難しいですね 😛

バッテリーストロボ

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Profoto さんには、B1 / B2 と二種類のバッテリー式のストロボがあります。
他にも、Elinchrom, Broncolor や、中国製でGODOXというメーカーでも用意されています。

特徴

バッテリー式のストロボは、クリップオンが電池式なのに比べてバッテリー式です。
なので、単三電池を買い集める必要がないとも言えますし、単三電池を大量に用意して電池切れたら補充といった作戦も通用しません笑
(予備のバッテリーを持っていれば良いんですけど。)

しかし、代わりにモノブロックに近い性能があります。
クリップオンのデメリット部分をほとんど解決している点と、電源がなくても使えるというのが大きなメリットですね。
大掛かりなロケーション撮影に於いて、クリップオンストロボを抑え、真っ先に候補へとあがるのがコチラだと思います。

価格帯(おおよそ)

60,000 ~ 300,000(幅広すぎ)
GODOXであれば10万を切るものもありますし、Profoto / Broncolor だと30万近く。
間にElinchromで、20万前後のものがあるという感じですかね。

値段差はメーカーや品質によって変わるというのも当然ですが、やはりハイスピードシンクロ機能のありなしや光量によって値段差があります。

メリット

大光量
そもそも、クリップオンストロボがガイドナンバー表記なのに対して、それ以外はワット数表記なので、単純に比べることはできないのですが、基本的にクリップオンストロボよりも光量は多いです。
ただ光量の高いクリップオンストロボと、光量の低いバッテリーストロボを比べた場合には逆転するケースも有り得るというくらいの温度感ですね。
実際に比べたわけではないので、ざっくり感覚なんですけど。
とは言え、Profoto B1(500W) なんかは、標準的なクリップオンに比べて10倍のパワーと書かれています。
持ち運べる
モノブロックに近い性能を持ちながら、持ち運べるというのは大きいです。
安定している
自分はクリップオンとバッテリーストロボと併用していますが、やはり安定性はありますね。
そして、電池付け替えの手間がないというのも大きいです笑
エネループを利用しているにしても電池外して充電してというのが地味につらいんですよね。
途中でどれかが光らなくなって、撮影のテンポがズレたりするのも困りますし、仕事だとなおさらつかいづらいです。
取り回しやすい
これはモノによるのですが、例えば上に挙げた Profoto B1 というのはバッテリー自体がストロボについているので重いんですね。
ただ、逆にB2というのは発光部分とバッテリー部分が分離しているので、取り回しがしやすいです。
頭上においたりとかもしやすいですし、狭いところに設置してといったトリッキーな技も可能です笑
アクセサリーが充実している
個人的にはここがすごく大きいですね。
とくにProfoto さんなんかはアクセサリーが非常に充実しているので、これを使えるというのがが非常に強いです。
ライティングというのは結局アクセサリーによって光の質が変わるので、ここが個人的に超重要。
チャージがちょっと早い
クリップオンと同じ光量で撮影しようとした時には、当然光量が大きい分バッテリーストロボの方がリサイクルタイムは早いです。
光の形状がキレイ
これはクリップオン以外は大体OKなのですが、円形でキレイな光が出る場合が多いので、そこはメリットと言えます。
極端な話、そのまま使うことも出来ますね。

デメリット

高い
高めですよね。
しかしこれも光量と同じように、高いクリップオンと安いバッテリーストロボを比べた時、逆転します。
例えばGODOXのAD360なんていうのは、60,000円前後で購入できますね。
バッテリー式
当然バッテリー式なので、クリップオン同様に発光回数は制限されています。
200回とかそのくらい。これはクリップオンと変わらないか少し多い程度ですね。
しかし、クリップオンよりも光量があるのでフル発光せずとも使えるというのもあり
実際にはクリップオンと同じ内容を実現しようとした場合、よりたくさん発光出来ると思ってもらって良いと思います。

モノブロック

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特徴

上の二つと比べると、AC電源接続というのが特徴です。
なので、発光回数に制限がありません。定常的なパワーの供給が出来るので、その分出来ることやパワーの強さも広がってきます。
ここで一気に1000Wとかが実現できる世界になってくるので、クリップオンではどうにもならない光量になってきますね。

価格帯(おおよそ)

100,000 ~ 300,000円
実際の所、GODOXなどの中国製メーカーを加えると10万円を切るものもあるようなのですが、光量がそこまで高いわけではないのでここでは割愛します。

値段を変える要素としては、光量もそうですが閃光速度、ハイスピードシンクロが可能かどうかといったところがあります。

メリット

大光量
これは文句なしに大光量というその一点に尽きます。
モノブロックだと、グレードによりますが大体250W ~ 1000Wくらいまで。
体感360Wくらいを越えるともうクリップオンだと追いつけないイメージです。

大光量になると、例えばマックスの光量を使わないことで、閃光速度やチャージ速度が早くなったり色々な恩恵があるのです。

モデリングライト
常時電源供給しているので、ストロボから発光していない時に光が出ます。
これによって、ピントを暗いところでも合わせやすかったり、光がどうあたっていくのかイメージできるんですね。
クリップオンやバッテリーストロボでは、ピントを合わせるのにも苦労するというケースが多いですよね。

バッテリーストロボには、一部モデリングがある機種も存在しますが、やはりバッテリーなのでそんなことで貴重な電気を使っていられないという現実問題があります笑

アクセサリーが充実
これも上に同じです。
モノブロックやジェネレーターを古くからやっている会社だと、アクセサリーが非常に豊富です。
光の形状がキレイ
バッテリーストロボと同じです。(ものによりますが)

デメリット

高い
当然ですが、一気に値段があがります。
とは言え、250Wくらいなら10万円くらいで買えたりしますが。
高いものだと30万にも近づいてくるので、複数揃えようと思うと一気に跳ね上がりますね。
重い
そしてこれも一つ、バッテリー一体のモノよりは軽い場合もありますが、基本的にクリップオンと比べると重いです。

ジェネレーター

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スタジオなんかによくあるアレですね。
ライティング機材の王様みたいなところがありますが、王様なだけあって色々規格外です。
個人が所有するようなものではない気がしますね笑

しかし、Elinchromなんかは比較的安価で販売したりもしています。

特徴

大光量、それに伴う閃光速度の速さ、ヘッドが別なので軽い、一つのジェネレーターで複数のヘッドをつけられたりする。
など、ちょっと変わった仕組みになります。モノによって異なるのですが、ジェネレーター本体を電源につないで、ジェネレーターのソケットからヘッドと呼ばれる発光管部分に接続します。
ジェネレーターに複数ソケットがある場合、ソケットによって光量が変わったり、独自に調光できるものもあればできないものもあったり、そういった機能の違いや光量の違いで値段も変わってきます。

価格帯(おおよそ)

250,000 ~ ∞

実際、これはジェネレーター単体の値段であって、ヘッドを購入したりすると更にかかりますね。
値段の部分は、上にも書きましたが機能の違いでけっこう変わります。
また、ロケーション用のバッテリー式ジェネレーターなんかもあるので、ジェネレーターだけでも奥が深いですね。

メリット

超・大光量
とにかく光量がすごい。1000Wを切ることのほうが稀でしょう。
3000Wとかいう世界になってくるので、もはや何が起きるのかよくわからないレベルですね。
真夏の太陽光にも勝てるんじゃないでしょうか(知りませんけど。)
閃光速度
基本的に閃光速度は、光量に比例してくるので、大光量のモノであればあるほど全力を使っていないときの速度が早いです。
クリップオンストロボなんかは大体早いんですけど。
ヘッドが軽い
もちろんジェネレーターは重いです。が、ヘッドは軽いんですね。
それで大光量なので、例えば高さを設けて2m近くのアクセサリーを使いたいなんていうときにも取り回しがしやすいです。
モノブロックだと3kgとかあるのでけっこう重いんですよね。フルサイズの一眼レフカメラに大三元の望遠つけたような重さですから。

デメリット

高い
まあ値段をあげたとおり、高いです。
車買えますからね。
「ちょっと商店街でジェネレーター安売りしてたから買ってきたよ!」なんて事はできません。
いやほんと、その購入した金額を回収することを考えたら気が遠くなりますね。
重い
最悪モノブロックは持ち運ぶことができたとしても、ジェネレーター持ち運ぶような人はなかなかいませんよね。(一人身近にいるんですけど)
メリットのヘッドが軽いとは言いましたが、その犠牲が本体の重さです。
バッテリー式のストロボで、ヘッドとバッテリー部分が離れているものはありますが、それはジェネレーターを使用している感覚に近いものがあるかもしれませんね。

定常光

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定常光です。白熱灯からHMIまで。
いわゆるよくあるライトですね。
これはもう市販のライトについて語り始めると夜が明けるので、写真撮影用途の定常光で考えてみましょう。

特徴

HMIと呼ばれるものなんかでもピンきりです。
一万ワット越えの大光量のものから200W程度のものまで。
そうでなくとも、タングステンやiPhoneについているライトにいたるまで、もう色々ありますよね。

フラッシュと違い、常に光り続けているので一線を画します。

価格帯(おおよそ)

価格はもう言い出すのもバカらしいのであれですが、業務用のモノだと500万とか平気でするようです。

メリット

定常光のメリットというのは意外と?たくさんあります。

シャッタースピードが関係ない
ストロボでは、カメラのシャッター機構による同期速度があります。
1/125s ~ 1/200s ぐらいの幅で。
しかし定常光というのは基本的に自然光と同じなので、 シャッタースピードはなんでも大丈夫です。
と言っても当然、シャッタースピードをあげるほど光量も必要になるのですが。
そして写真撮影用の定常光ではなく、家庭用電源を使用した蛍光灯ではフリッカー現象が発生する可能性もあるので気をつけてください。
安定
光量や色温度が変わるということは基本的にありません。
自然光でも極端な話、雲の動きで太陽が隠れたりと変わったりすることはあるのですが、定常光はそれすらもないと思って良いと思います。
見える
まあ、当たり前のことなんですけど。
モノブロックでいうモデリングライトのように、クリップオンやバッテリーストロボと違ってそのまま見えます。
EVFやLVなんかであれば、設定によってはもう自然光同様にディスプレイに写っているまま撮れるわけですね。
(というよりは、撮れる写真がディスプレイに写っているだけなんですけど)
映像が撮れる
これがやはりいちばん大きいと思います。
フラッシュというのは閃光速度という話が出てくるように、一瞬の光です。
が、定常光は常に光っているのでムービーやテレビなどの映像収録では必須な機材ですよね。

しかもHMIなんかは雨にぬれても大丈夫だったりするみたいですよ笑

デメリット

高い
もちろんピンきりです。
ですが、普通の蛍光灯であったり、写真を考慮しないいわゆるライトは、演色性の問題などからあまり用途に適していないので、
きちんと使える業務用の定常光で考えた場合、10万といった金額は平気で越えてきます。
閃光速度が遅いとも言える
ものすごく光量のある定常光であれば良いですが、そうでない場合シャッタースピードを稼げません。
なので、ストロボであれば閃光速度の速さ(何万分の一)を利用してフリーズした写真を撮ることもできますが、そういった事をするためにはカメラの一般的なフルサイズデジタル一眼レフの最速シャッタースピードである1/8,000秒程度でも捉えられる光量が必要になります。

まとめ

以上、簡単にですがライティングに使える機材について解説しました。

結論を言ってしまうと、製品ごとの差や特色が非常に大きいので用途を明確にすることをおすすめします。

  • 予算と用途に応じて購入しよう。
  • 機能の違いを把握することが大切。
  • 趣味ならやっぱりクリップオンストロボが優秀
  • 用途を考えて、その上で必要な機能を洗い出し、比較対象の機材を決めると良い。

ということで、2/4にはライティングに関するセミナーを開催します。
こういった基本的な内容には触れませんので、こちらに書き残しておきます笑
よろしくお願いします 🙂

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最終更新日:2021年8月12日
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