初めまして、フリーランスフォトグラファーの酒井貴弘(@sakaitakahiro_)です。ヒーコでは初めての登場となります。よろしくお願いします。
僕は主にポートレートを撮影しています。女性の被写体をメインにすることが多く、SNSで作品を発表していたことがきっかけとなって、今は広告やブライダルの分野でも撮影を行なっており、プロとして活動しています。今回、元々デザイナーをしていた経験を活かして、デザイナー、フォトグラファー両方の視点も折り込みながら写真の話ができたらと思っています。
SNSフォトグラファーにキャリアチェンジ!経験は写真と繋がる
プロフィール
作品
作品性
内外面的魅力と第三者的視点

簡単な自己紹介や作品をご覧になっていただいたところで、まずは作品についてのお話をしたいと思います。
撮影をするとき、いつも心がけていることがあります。それは、被写体が持つ内外面的魅力を写真に投影したいということです。その被写体がどうしたら魅力的に写るかを考えつつも、できれば見た目としての魅力だけではなく、内側にある魅力を捉えることのできる瞬間を探して撮影しています。こうした思いにストレートに向かい合うことで、被写体の表情や仕草などの繊細さの一端にアプローチすることができるのではないかと思っています。
また、第三者的視点も意識しています。作品を見ていただける方に、その作品と繋がる「当事者」のように、どこかノスタルジーな感覚を持ってもらえたら嬉しいです。鮮明過ぎない被写体との距離感の曖昧さを、ある種ストーリーとして感じてもらうことができたら最高に嬉しいです!
透明感
SNSで数ヶ月程前から「透明感のある写真」と僕の作品を見てコメントいただくことが多くなってきました。そんな風に言っていただく度に飛び上がるほど嬉しい気持ちになります!ありがとうございます!ただ、正直なお話をしてしまうと、透明感を追求しようと思っていたわけではなく、好きだなと思う感覚をそのまま追求してきた結果、それが見る方に「透明感」として伝わっているということだったんです。
ではなぜ好きな感覚が透明感に繋がるのか?と改めて考えてみると、僕は写真で何かポジティブなイメージを表現をしたいと随分と前から考えていたことに気づきました。「見過ごされてしまうこの世界の美しさ」や「本来持っている人としての美しい魅力」を写真の中に感じてもらいたいと、無意識レベルで思っていたように感じます。そうした思いは何らかの形で作品に投影されていき、その行き着いた先の表現が透明感を写真に寄与することだったように今は思えてなりません。SNSで作品をご覧になっていただく方の声によってこうしたことに気づけたことに、とても感謝しています!
レタッチ
作品性を出す上でレタッチにも、重きを置いています。
とりわけ肌色の出し方は一番重点を置いていて、今まで色味を自分なりに研究しながら試行錯誤してきました。僕の撮るポートレートにおいては肌の色味や質感は、作品に与える影響力がとても大きいので、全体のイメージを構築していく過程でレタッチの工程をとても大切にしています。


具体的には、肌の明るさが一番綺麗に見えるところを見立てて、全体の明るさを決めていきます。
写真によって異なりますが、顔の明るさより背景が明るい写真では、背景の方が明るくなり過ぎることもあります。ただ、写真全体のイメージが好みであればそのまま仕上げることもありますし、それとは逆に背景のディティールを残したいなという場面では、顔の部分だけ補正ブラシでマスクをかけて調整しています。肌の質感は残るようにこだわりながら調整していているので、肌が印象的で綺麗な色味になる明るさと、白飛びし過ぎるギリギリのライン辺りを狙っています。
また、撮影時にはレタッチすることも考えて、自分好みの光を覚えておくこともポイントですね。編集でこの光の時はこうなったというのを記憶しておいて、撮影でそれを検証、それをまたレタッチしながら研究という作業を繰り返して、自分好みの光を頭に叩き込みます。これが良い鍛錬になるので、今では自分好みの光を現場毎に探しやすくなってきました。
元デザイナーとしてのキャリア
冒頭でも触れたデザイナーとしてのキャリアも作品性に影響しています。
それは主に、構図的なバランスや写真の中の要素をどう組み合わせるのかという部分で、デザインをしていたときの感覚に近いものがあると思っています。
また、作品へのアプローチを少し違う角度からみてみると、デザイナー時代の経験はクライアントワークにも発揮されているように思います。それはクライアントがどういう写真を求めているのかを汲み取って形にするという部分です。これはデザイナー時代に培った経験であり、これが欲しかったと思われるようなポイントを探す感覚が今、役に立っていると思います。もしかするとSNSでもいわゆるバズる写真や伸びる写真を撮るという部分についても、この経験が影響しているのかもしれません。
パーソナル
デザイナー時代
丁度、デザイナー時代の経験を活かした話も出てきたので、これまでのキャリアについてお話したいと思います。
デザインの本格的なスタートは、専門学校でグラフィックデザインを専攻していたことがきっかけでした。卒業後、数年経った後にグラフィックデザイナーとして働き始め、主にWEBを中心としたデザインと、その他紙媒体の広告などの制作をしていました。環境としては、アートディレクターの下に自分たちデザイナーがいるという体制で、いかにアートディレクターの思い描くゴールに最短距離でたどり着けるかという部分で日々鍛錬を重ねていました。この経験は今もすごく活かされていて、求められているものを導き出す訓練になりましたね。
スタジオフォトグラファー時代
その後、主に家族や子供を撮るアニバーサリーフォトスタジオに入りました。僕はそこで誕生日の記念や七五三の写真などを撮っていました。基本的には自然光で撮ることをメインとしたハウス型スタジオで、自然光を読む訓練になっていたと思います。また、流れ作業の撮影ではなく、お客さん一人一人とじっくり向き合って、写真でどう表現するのかということを大切にしていたスタジオだったので、今の被写体に居心地の良い雰囲気を感じてもらいながら撮影するスタイルは、このときに学んだことが大きく影響しているように思います。
現フリーランスフォトグラファー
現在は、今年9月にフリーランスフォトグラファーになりました。SNS発のフォトグラファーということで、今はそこから派生する案件の割合も多いのですが、今後はSNSに強いというステータスを抜きにしても必要とされ、自分のテイストや世界観で広告や雑誌などの媒体でも活動できるようなフォトグラファーになっていきたいと思っています。また、自身の作家性を向上させていくためにも写真展や写真集などの活動にも挑戦していきたいですね。
その他、今後はライティングスキルも伸ばせるように取り組みたいと思っていて、現在はGODOXを使用して撮影現場でも少しずつ取り入れるようにしています。
ストックフォト
どういったポイントでストックフォトを選出していたのか?
ここまで、デザイナー時代のことやその経験がどう活かされているかなど具体的な話をさせてもらったのですが、実は偶然にもデザイナーとフォトグラファー双方で関わってきたフォトサービスがありまして、それがストックフォトなんです。
それぞれの立場で利用していた・いるわけなんですが、ユニークなのは購入する側の視点とフォトグラファーの視点を踏まえつつお話できるというところがポイントで、ぜひこの機会にと思っています。
ストックフォトを知ったのは8年ほど前のデザイナー時代でした。CMなどを作る制作会社にいた頃に、カンプ用の画像を探すときに利用したのがきっかけでした。
どういったポイントでストックフォトを選出していたのか?というと、まずは当然とはなりますが、用途に合った写真かどうか、それから制作物のクオリティが上がるかどうかという点で選出していました。「訴求したいイメージをターゲットに、より印象強く伝えるためには」、また、「サービスや商品など対象となるものを使ったときのより良いイメージが思い描けるためには」など要望に応えてくれる写真を探していましたね。また、文字を入れることも多いので余白があると使いやすい印象でした。
それと、ストックフォトを実際に利用するデザイナーは多いと思います。とりわけWEB媒体の案件などはよく利用しているイメージがあります。
提案型ストックフォト
現在はフォトグラファーとしてストックフォトを利用しているわけなんですが、このデザイナー時代の視点が役立っていると思います。
例えば、構図に関しては使いやすいように余白を取ったりというのももちろんですが、その他「素材を撮りました!」というようなアンナチュラルな雰囲気の写真が比較的多いイメージがあった分、敢えてこちらでストーリーを描いてしまう提案型のストックフォトも良いのではないかなと考えたところですね。映画のワンシーンようなストーリーを想像させる写真にできたら、ストックフォトとしても一層目を引く魅力が出るのかもしれないと思っています。
ストックフォトのオススメ
フリーランスフォトグラファーになってみて、収入の柱をいろいろなところに持つことの大切さを感じています。例えば、Lightroomのプリセット販売も行なっているので、実稼働以外にも少しでも収入があると、他の活動にも余裕が出るのでありがたいですね。
また、ストックフォトはいつも撮影している写真をそのまま販売するところから気軽に始めれて登録も簡単ですし、もちろん、実際に売れると収入面でも嬉しいです。それ以上に自分の写真が必要とされていることを実感することができて気持ち的にもとても幸せを感じるので、ぜひともオススメしたいですね!
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