4月18日に玄光社より「SNS時代のフォトグラファー9名によるオンラインギャラリーの新しいカタチ GALLERY MEDICIISM GO BEYOND」が発売されました。
バーチャル写真展では見ることができなかった作品掲載に加え、展示フォトグラファーとエキシビジョンディレクターの黒田明臣 氏とのスペシャルトークイベントの内容や、クリエイティブ・コンサルタントの市川渚 氏と暮らしのモノアドバイザーの堀口英剛 氏をゲストスピーカーにお迎えして「スマホカメラの進化から写真の未来を語ろう」をテーマに開催されたオンラインオープントークセッションの内容も掲載されています。
160ページに渡りバーチャル写真展 GO BEYOND を振り返る公式図録の発売を記念して、展示フォトグラファーとの対談とオンラインオープントークセッションの一部をご紹介いたします。
Photographer Talk Session
TALK SESSION #01
金本 凜太朗
- 小学3年生の頃にハマっていたツバメや池のカモの観察と撮影記録
- 小学6年生の時に始めたInstagram
- 他の人が見ていない視点を見せたい欲求と表現方法としての写真
- 今撮っている写真を仕事に繋げていきたい
- 自分と写真のギャップが生まれないようしている
- 写真で自分を縛ったり苦しめたりしたくない


TALK SESSION #02
mitograph
- ファッションスナップを撮り始めたきっかけはニューヨークでの語学留学中にファッションウィークの撮影
- 普段使っているスマホのカメラには黒テープを貼って、決して写真を撮らない様にしている
- ”何をもってプロフェッショナルと呼べるのか”を問い続ける
- ファッションもアートもきちんと学ばないといけない
- 自分の腕に自信がついたのは4大コレクションを回ってから
- 日本ではファッションスナップの撮影が難しい


TALK SESSION #03
中村 イチ
- 常にすべての人に対して愛を持って仕事をしている
- 理想のフォトグラファー像は”多角的”にバランスが良いこと
- カタログの物撮りから始めた写真の仕事
- 当時の心境やブームが見えて楽しいので昔Instagramへ投稿した写真を残している
- 光や構図の収まりが心地よいと感じた時にシャッターを切っている
- アンビエント音楽に影響を受けて世界を見ているかもしれない


TALK SESSION #04
柴崎 まどか
- クリエイティブ文脈で撮りたい時とドキュメンタリー文脈で撮りたい時がある
- 人間性やストーリーの変化が気になるのでパーソナルな作品は長期的にやっている
- 映画のスチール撮影を始めたことがターニングポイント
- 常にチャレンジしていきたい性分なので写真に飽きることはない
- 過去に見ていた古い写真に影響を受け、デジタルで同じ様な肌色や空気感を出せないか研究した
- ”誰が撮るか””何を撮るか””なぜ撮るか”がより重要になってくる


TALK SESSION #05
Nana*
- 解像感が高く繊細な部分を表現できる Google Pixel は自分の作風とマッチしていると感じた
- 撮影時になるべく完成形のイメージに近づけて撮影するスタイル
- 被写体によって使うレンズと絞りはだいたい決まっている
- 良いものを見る、触れるの積み重ねが大事
- 自分の暮らしの中にある作家さんの作品やプロダクトの魅力、使うことの心地よさを伝えたくて始めたテーブルフォトとお店
- 写真が好きだから被写体を探すのではなく、被写体が好きだから写真を撮っている


TALK SESSION #06
岩田 量自
- 小学生の頃実家にあったフィルムカメラで家のまわりを撮り始めたのが写真を始めたきっかけ
- 大人になってInstagramで知り合った「#ザ壁部」の仲間で”壁狩り”に行って再燃した写真熱
- スマホの様な小さなデバイスは「撮らなきゃ!」という余計な欲が出ることがないので、街を”視る”ことに集中できる
- ”表現するもの”であれば吸収→咀嚼→解釈→アウトプットというプロセスは同じ
- 建築の図面を書く時と同じ様に情報を削ぎ落として、写したいものだけを入れて撮る
- 昔から世の中の”良い”とされているものに対して懐疑的なところがある


TALK SESSION #07
別所 隆弘
- Google Pixel 6 Pro はスマホといえど、”写真家にさせられる”
- カメラの価値のひとつに、肉眼では見えないものを見せてくれるというところがある
- ”視覚における経験”と”言語における経験”は自分の中では元々はっきりと区分けされている
- 文章は情報量としては少なく、どれだけ言葉を連ねても写真一枚分の情報を説明するのは難しい
- コモディティ化を避けることが自分にとって永遠のテーマ
- 写真もシャッターを押す以外の時間も大事


TALK SESSION #08
酒井 貴弘
- フォトブックを一冊作れるイメージで一度の撮影を行う
- クライアントの意向は汲み取るが「仕事だからこう撮ろう」という意識はしていない
- フリーランスになったばかりの頃はいつでもフォトグラファーとしてきちんと撮らないといけないという脅迫観念の様なものがあった
- こどもの写真もきれいに撮れたものばかり残していて、記録的な写真の価値を軽視していた
- 心地よく、自由に自分を活かしつつできることを確立することが大事だと思うようになった
- 個性というのは滲み出るもの


Special Talk Session
スマホカメラの進化から写真の未来を語ろう 市川渚 氏 × 堀口英剛 氏 × 黒田明臣 氏
- 実用性と所有する満足感を両立できるカメラを探す(市川渚氏)
- スマホには無限の伸びしろがあるので、カメラには不可能なことを可能にしてくれると期待している(堀口英剛氏)
- スマホがカメラを追い越すのは写真よりも動画が先だと思っている(堀口英剛氏)
- スマホのコンピューテーションフォトグラフィーを体験して気づいた写真の立場の弱さ(市川渚氏)
- ニーズや趣向性が多様化していることによって製品も細分化されている(黒田明臣氏)
- スマホの進化は人間の生活を変えていく(市川渚氏)
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